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東日本で電波時計が時刻を受信できない可能性

鳴海淳義 (編集部)2011年03月23日 15時30分
特集

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 3月12日19時以降、日本の標準時を電波時計に発信する電波送信所が停波している。そのため電波時計の時刻が合わなくなったとの問い合わせが、運用元の情報通信研究機構(NICT)に寄せられているという。

 電波時計とは通常の時計としての機能のほかに、標準電波を受信することによって時刻を自動修正する機能を持った時計。数十万年間でも1秒以下の誤差という高精度で、人手による時刻合わせが不要などの手軽さから人気となっている。NICTによれば、2000年12月末の段階で200万台以上が販売されているとのこと。

 日本には九州のはがね山標準電波送信所(60kHz)と、福島県のおおたかどや山標準電波送信所(40kHz)の2箇所の送信所がある。このうちはがね山標準電波送信所は通常通りの運用を行っているが、おおたかどや山送信所は、福島原発周辺地域に避難指示があったことを受け、所員も地域外に退避した。これに伴い、同送信所からの標準電波は送信を停止した。

 標準電波の受信エリアは送信所から約1000kmとされている。そのため西日本でははがねやま標準電波送信所の標準電波を受信できる。東日本でもはがねやま標準電波送信所から1000kmエリア内で、かつ60kHzの標準電波に対応している電波時計であれば問題ないという。東京はこの受信可能範囲に入っているが、屋内や鉄筋コンクリートの建物内、あるいはそれらに囲まれた場所、近くに蛍光灯やPCがある環境では、標準電波を受信しにくくなるという。

 北海道ははがねやま標準電波送信所の標準電波のエリア外となっている。好条件が重なれば受信できるという報告もあるというが、基本的に難しいそうだ。

 おおたかどや山標準電波送信所が停波した12日以降、NICTには電波時計の時刻に関する問い合わせが数十件ほど寄せられている。NICTによれば、屋外の広い場所、屋内の場合は南側の窓に近寄るなどの工夫が有効だという。標準電波を受信できなかった場合は手動で時刻を合わせれば利用できる。

 おおたかどや山標準電波送信所の停波の期間は未定。再開は原子力発電所の問題が落ち着き、避難指示が解除されてからになるとみられる。NICTは個人利用の電波時計の時刻が合わなくなること以外に、深刻な影響はないとしている。

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