この話は何度も聞いているという人もいるだろうが、本当のことだ。同級生や仕事関係者と連絡を取り続けていれば、キャリア形成の上で大きな見返りがある。求人は表だって行われないことも多い。そんな場合、適切な人物を知っているかどうかが、その職を得られるかどうかに関わってくる。以下では、効果的に人脈作りをするためのヒントをいくつか紹介する。
Dale Carnegie氏によれば、ある人にとって世界で一番心地よい音は、その人の名前だという。この理由から、名前を覚えていることは、大いに役立つ。人脈ネットワーク作りを目的とするイベントであるネットワーキングイベントでは、以前のイベントでも会っている人と顔を合わせるかも知れないし、さらに幸運なら、今では職にありついている人に合うかも知れない。もしその人の名前を覚えていれば、強い印象を与えることが出来る。
数年前、当時は見込み客だったクライアントと電話会議をしていたとき、わたしは参加者の1人の名前が、高校の同級生の父親と同じ名前であることに気付いた。わたしがこの結びつきに気がつき、そのことに触れると、その人物は「Calvinを雇おうじゃないか」と言ったものだ。
名刺を受け取った時、すぐにポケットに入れてしまうのはよくない(多くの人はそうしてしまっている)。少し時間を取って、実際に名刺の記述に目を通してみよう。できれば、見慣れない名前なら少しコメントしたり、名前に関する質問をしてみるといい。相手はいら立つことはなく、むしろ好意的な印象を受けるはずだ。その理由は、前項でも述べたとおり、人は自分の名前について話すのが好きだからだ。
アジアの文化では、名刺を差し出すときには(相手が読める方向に向けて)両手で名刺の角を持って差し出すのが普通だ。受け取る側も、角を両手で持って受ける。
名刺をすぐに仕舞ってしまうのは、自分の妻にこのドレスは似合うかと聞かれて、それを見もせずに「いいんじゃないか?」などと答えるのと同じだ。
受け取った名刺は、覚え書きとしても使うことができる。名刺の束をめくりながら、「この人とは一体どこで会ったんだろう」と何度も首をひねったことのある人が多いのではないだろうか。この問題を避けるには、名刺の裏にその人と会った場所と日付を書き込んでおくといい。次にその人に連絡を取ったとき、これらのことを覚えていれば、あなたは信頼できる人だと思わせられるだろう。
説得力のある講演を行うHarvey McKay氏は、「喉が渇いてしまう前に井戸を掘れ」とアドバイスしている。この原理は、人脈作りにも当てはまる。新しい仕事を探すときになって、必要な時にだけネットワーク作りの活動をするのはよくない。人脈作りは常に行うべきだ。
もし、Twitterなどのソーシャルメディアツールを使っているのであれば、自分の情報が最新のものに更新しておくべきだ。LinkedInで「現職」のところに、1年前の肩書きが書かれていることほど恥ずかしいことはない。すべての連絡先情報を正しいものにしておくこと。めったに使わない電子メールアドレスがあれば、よく使うアドレスに転送しておく。これは、この記事を書いている最中に起こったことだが、わたしが通っていた大学から、以前送った郵便物が届いたかと問い合わせが来た。その郵便物は届いていなかった。実は、以前送られたものはわたしの同窓会の住所に送られていたのだが、わたしはその登録をしたことを忘れていたのだ。読者には同じことが起こらないようにしてほしい。
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