「Halo 3」は8カ月の間、エンターテインメント業界で1日の過去最高の売上高の記録を誇っていたが、「Grand Theft Auto IV(GTA IV)」によって更新された売り上げの記録を塗り替えるには長い時間がかかるかもしれない。
GTA IVを開発したRockstar Gamesの親会社であるTake-Two Interactiveは米国時間5月7日、GTA IVは発売初日の4月29日に史上最高の記録である3億1000万ドルを稼ぎ出し、発売後1週間で5億ドルを売り上げたと発表した。1日の売上高としては、Halo 3が2007年9月に樹立した1億7000万ドルの記録を打ち破ったことになる。
そして、Bungie StudiosのHalo 3が急速にナンバー2に追いやられてしまったことを考えると、GTA IVがこれまでにいかに多額の現金を稼ぎ出しているとしても(Take-Twoではすでに600万本を販売したと発表している)、着々と準備が進められている他のゲームによってその地位を脅かされかねないと考えるのも当然である。
今後数カ月にリリースが予定されているゲームで対抗馬になりそうなタイトルは以下のとおりである。Electronic Arts(EA)の「SPORE」、Blizzard Entertainmentの「StarCraft II」、コナミの「METAL GEAR SOLID 4: GUNS OF THE PATRIOTS」、EAの2009年版の「Madden Football」、LucasArtsの「Star Wars: The Force Unleashed」、Activisionの次期「Guitar Hero」、Harmonixの「Rock Band」の次期バージョンおよび任天堂の「Wii Fit」
そして、われわれはエンターテインメント業界全体を話題にしているので、ParamountとLucasFilmによる次期作品の「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」も多少は考慮するべきだろう。
しかし、この記事を書くために問い合わせた数人の業界の専門家によると、上記のゲームの中でGTA IVが達成した初日や1週間の売上高に匹敵する数字を稼ぎ出せるタイトルは皆無だろうという。したがって、上記のゲームのいずれか、または上には挙げなかった別のゲームがトータルの売上高に関していつの日かGTA IVを打ち負かすことがあったとしても、短期的な売上高については予見できる近い将来にはGTA IVの記録が破られることはないように思われる。
Wedbush Morgan SecuritiesのビデオゲームのアナリストであるMichael Pachter氏は、「1日の売上高で考えると、次期GTAが出現するまで(記録を破れる)タイトルは出てこない可能性が高い」と述べる。
Pachter氏によると、GTAのフランチャイズがおそらく世界で最も人気のあるビデオゲームタイトルとしての優位を保っている主たる理由は、複数のビデオゲームプラットフォームで動作することだという。実際、多くのアナリストによるとゲームは単体で売り上げが良好なばかりでなく、Microsoftの「Xbox 360」やソニーの「PLAYSTATION 3」など、それをプレイできるコンソールの売り上げをも促進するのだという。
一方、Halo 3はXbox 360でしか動作しない。
「GTAの特殊なところはクロスプラットフォームタイトルであり、両方のコンソール機のインストールベースを活用できる点である」とIDCのゲームアナリストであるBilly Pidgeon氏は指摘する。「HaloがXbox 360でしかプレイできないとすると、やはりそこに違いが生じてしまう」
そして、クロスプラットフォーム対シングルプラットフォームの違いを超えて、とにかく大きなオーディエンスを引きつけられる優秀なゲームがきわめて少ないという問題がある。
「HaloとGTAは双方向型エンターテインメントの世界でかなり独自性の高い資産である」とLazard Capital MarketsのシニアアナリストであるColin Sebastian氏は述べる。「したがって、今後2〜3年間にこれらのゲーム(の初期の販売実績)に匹敵するゲームが登場するとはなかなか言い切れない」(Sebastian氏)
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