米連邦最高裁判所は、令状なしにGPSを使って被疑者の車両を追跡することは可能だとする米政府の主張を退けた。
最高裁は米国時間1月23日、法執行当局がGPSによる追跡デバイスを被疑者の車両に令状なしに取り付けることを許可されるのは、合衆国憲法修正第4条に違反するとの判断を担当判事の全員一致で下した。修正第4条は「不合理な捜索および逮捕押収に対し、身体、家屋、書類、および所有物の安全を保障される人民の権利を侵害してはならない」と定めている。
Antonin Scalia判事、Anthony Kennedy判事、Clarence Thomas判事、Sonia Sotomayor判事、およびJohn Roberts最高裁長官は、この見解を支持した。Samuel Alito判事は、多数意見とは別に判決理由を補足するために執筆した同意意見の中で、追跡は人の「プライバシーに対する合理的な期待」を侵害するとの見解を示し、Ruth Bader Ginsburg判事、Stephen Breyer判事、およびElena Kagan判事がこれに同調した。最終的には、GPSでの追跡には令状が必要との最終判断を判事全員が支持した。
今回の判断を、Obama政権は歓迎しないだろう。同政権は、GPS技術による車両追跡に令状を必要とするべきではないと主張している。
今回の判断は、コロンビア特別区の警察がコカイン密売の捜査でAntoine Jones容疑者の車にGPS追跡機器を取り付けた事例に対して下されたものだ。有罪判決が出た後、コロンビア特別区連邦控訴裁判所は2010年に、Jones被告と同じく起訴されたLawrence Maynard被告の追跡には令状が必要だったとして、原判決を破棄した。
控訴裁のDouglas Ginsburg判事は当時、判決文に次のように記している。「合理的人物は、自分の車を運転するたびに、その出発地点、経路、目的地、すべての立ち寄り場所と滞在時間を含む情報を何者かが監視し、記録を保持することを予期しておらず、むしろこれらの行動がすべて『追跡対象を外れた匿名』の状態を維持していることを予期している」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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