AdobeのFlashは、長い時間をかけて、ゆっくりと主流から遠ざかっている。「Microsoft Edge」の次期リリースで、Flashコンテンツをブロックする機能を拡大し、Flashコンテンツを実行するかどうかはユーザーが選択することになるという米国時間12月14日の発表も、その流れの中の一歩だと言える。
この機能は、次の「Insider Preview」ビルドから導入され、2017年春頃にリリースされる「Windows 10 Creators Update」で一般提供される予定だ。
Windows 10に組み込まれたブラウザで、Flashコンテンツをクリックで実行する機能を有効にすることで、MicrosoftはAppleの「Safari」、Mozillaの「Firefox」、Googleの「Chrome」などの他のブラウザメーカーが発表した計画と足並みをそろえたことになる。
Microsoft Edgeでは、クリックで実行する機能が有効になるとともに、HTML5のコンテンツが利用できる場合、HTML5がデフォルトになる。Microsoftはこの機能について、次のように説明している。
HTML5をサポートしているサイトでは、純粋なHTML5体験がデフォルトになる。この場合、Flashは読み込まれることもなくなり、性能、バッテリ持続時間、セキュリティが向上する。依然としてFlashに依存しているサイトでは、Flashを読み込んで実行するかどうかをユーザーが選択でき、以降の閲覧のためにその選択を記憶させることができる。
この新しい取り組みは、2016年夏の「Windows 10 Anniversary Update」でMicrosoft Edgeに導入された、表示されたページの中心ではない「広告などの特定のFlashコンテンツ」の実行を選択的に一時停止する機能の延長線上にあるものだ。
GoogleとMicrosoftはどちらも、クリックで実行する機能の対象から除外される、Flashに依存するよく使われるサイトのリストを用意する予定だ。Microsoftは、EdgeにおけるFlashの使用状況を積極的に監視し、自動的に例外となるリストを徐々に小さくしていく計画だという。
Microsoft Edgeで開いたページのコンテンツを再生する手段がFlashしかない場合、ユーザーにはプロンプトが表示される。
Flashの本格的な凋落は、Appleが2010年に「iPad」でFlashコンテンツに対応しないことを選択したときに始まった。当時の最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏は、公開書簡の中でその理由を説明し、Flashが信頼性や性能、そして特にセキュリティに及ぼす問題を挙げた。
Flashは最近では、より積極的なアップデート方針を採用しており、状況は改善されつつある。ChromeとMicrosoft Edgeでは、Flashのプラグインがデフォルトで組み込まれており、OSの一部としてアップデートされている。
Microsoftはウェブ開発者に対して、Flashの利用をとりやめ、「HTML5のEncrypted Media Extensionsや、Media Source Extensions、Canvas、Web Audioなどの標準的なコンテンツ配信メカニズムに移行」することを推奨している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」