ソフトバンクロボティクスとソフトバンクは5月19日、人型ロボット「Pepper」をGoogleのAndroidに対応させると発表した。
PepperがAndroidに対応することで、Androidのアプリケーション開発者はすでに持っている知識や技術を活用して、Pepper向けのロボアプリを開発できるようになる。
新たに、7月より開発者向けに「Developerモデル」を先行販売する。本体価格は19万8000円で、「Pepper 基本プラン」として1万1800円×36カ月(分割支払)と「Pepper 保険パック」の9800円×36カ月(分割支払)が必要になる。総額(3年)は97万5600円だ。
2016年度内にはAndroid対応のPepperを発売予定だ。従来の販売モデルも、アップデートによってAndroidに対応する予定だ。
ソフトバンクロボティクス 代表取締役社長の冨澤文秀氏は、今回の取り組みについて「メリットはデベロッパーの拡大にある。Pepper専門のデベロッパーは数千人だが、Androidは数十万人。デベロッパーの数は約100倍になる」と意気込む。作成したアプリケーションは、Google Playストアを通じて配布でき、対応したPepperはストアからダウンロードできるのもポイントだ。
これに伴い、Androidのプラットフォーム上でロボアプリの開発ができる新しいソフトウェア開発キット(以下SDK)「Pepper SDK for Android Studio」のベータ版を、同日より提供している。環境構築から開発、リリースまですべてがAndroid標準の使い慣れた環境で行えるという。
Pepperがなくても開発でき、「いままでの開発ツールの使い方の延長でロボットのアプリが作れる」(冨澤氏)と説明する。SDKは、ウェブサイトから無料でダウンロードできる。
Pepper SDK for Android Studioで「プラグイン」からPepper SDKをインストールすることで、直感的にロボットアニメーションを作成でき、数百のアンプルアニメーションも用意する。
発表会では、Google Cardboardに対応した「テレプレゼンス for Pepper」やGoogle TensorFlow(機械学習ライブラリ)で1万6000以上の手の形から画像学習する「ハンドイリュージョン」のデモを披露した。
ソフトバンクロボティクス プロダクト本部 本部長の蓮実一隆氏は、Androidの対応について「線路の上を走っていたPepperが羽が生えて飛び立つくらいの変化。たくさんの開発者が集まってきて、思いもよらない新しいものをつくってもらえる新しいしくみ」と説明する。
冨澤氏は、「Androidに対応することで開発者が増え、もしかするとクオリティが落ちることもあるかもしれないが、驚くほどイノベーティブなものもでてくるかもしれない」と期待を語った。
なお、従来のSDKである「Choregraphe(コレグラフ)」も引き続き提供する予定で、Choregrapheで開発したロボアプリは、Android に対応したPepperでも利用可能だ。
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