Googleは2015年に入り、「Android 5.0」搭載スマートフォンおよびタブレットの自動暗号化を見送ったのち、「Android 6.0 Marshmallow」でこの要件を適用することを決めた。
出荷時にAndroid 6.0を搭載し、一定の性能基準を満たす新型スマートフォンは、デフォルトで暗号化されていることが必須となる。Android Policeは、Googleが最新の「Android Compatibility Definition」文書に行った変更を報じた。変更部分は以下のように記述されている。
フルディスク暗号化に対応し、Advanced Encryption Standard(AES)の暗号化性能が毎秒50MiB(メビバイト)を超えるデバイスの実装では、ユーザーが箱から取り出して初期設定を完了した時点で、フルディスク暗号化がデフォルトで有効になっていなければならない。
ただし、Googleによると、今後Android 6.0にアップグレードする旧デバイスには(現時点での対象デバイスリストはこちら)若干の例外があるという。「フルディスク暗号化がデフォルトで無効になっている旧バージョンのAndroidがすでにデバイスに実装されている場合、そうしたデバイスはシステムソフトウェアのアップデートを通じて要件を満たすことができないため、免除される」(Google)
2014年に「Nexus 6」(デフォルトで暗号化されていた)をきっかけに暗号化の話題が持ち上がったときには、デバイスのパフォーマンス低下をめぐる議論があった。
今回もそうした話は出るかもしれないが、適切なデバイス試験によってフラッシュストレージの読み書き速度をテストするまで、判断を下すのは時期尚早だ。ともあれ、個人データのセキュリティには、デバイスのわずかな高速化を上回る価値があると多くの人が主張するだろう。
それによって実際、次のような疑問が生まれる。Androidは通常、他のモバイルプラットフォームよりもユーザーに多くの選択肢を提示する。データの暗号化と非暗号化の選択肢をユーザーから奪うことは、今後問題になるだろうか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」