Linux Foundationはニューオーリンズ州で開催中のLinuxCon 2013で、「Linux Kernel Development: How Fast It is Going, Who is Doing It, What They Are Doing and Who is Sponsoring It」(Linuxカーネルの開発:その開発速度と開発者、作業内容、スポンサー)と題された最新のレポートを発表した。同レポートでは、コンピューティングの歴史における最大の共同プロジェクトであるLinux開発プロジェクトが、過去8年間で1万人以上の開発者の貢献により、かつてないほど大きな規模に成長しつつあることが明らかにされている。
特に、調査が開始された2005年以来、1000社を超える企業で働く1万人近くの開発者がLinuxカーネルに貢献してきている点が挙げられている。前回のレポート以降だけでも、225社から1100人以上の開発者がカーネルに貢献しているという。実際のところ、Linuxカーネルのバージョン3.10ではかつてないほどの数の開発者や企業が貢献しており、開発面での貢献はこれまでにも増して大きくなっている。
モバイル機器や組み込み機器に携わる企業はLinuxへの投資を増やしている。Linaroやサムスン、Texas Instruments(TI)による貢献は全体で、2012年のレポートでは4.4%であったが、2013年のレポートでは11%へと増加している。また、Googleの貢献も大幅に増加している。その理由の一部として、長年にわたる紆余曲折を経て、「Android」が本流のLinuxに完全に統合されたという点を挙げることができる。
2012年のレポート以来、Linuxカーネル開発のスポンサーとして上位に入っている企業には、Red HatやIntel、TI、Linaro、SUSE、IBM、サムスン、Google、Vision Engraving Systems、Consultants、Wolfson Microelectronicsが含まれている。
Microsoftは2012年に初めてLinux開発者トップ企業のリストに登場したが、2013年のリストには名を連ねていない。この理由は主として、同社が「Windows Azure」の仮想マシン上でのLinuxとの連携を実現するうえで必要な作業を終えたためである。
Linux開発のペースは加速し続けている。カーネルに取り込まれる変更の数を平均すると1時間あたり7.14となっている。これは1日あたりでは171、1週間あたりでは1200近くにもなる。
このようなペースでの変更を考えれば、Linus Torvalds氏が今もLinux開発の指揮を執りつつも、最近ではLinuxカーネルの変更承認作業の多くを共同開発者にゆだねていることは驚くべき話ではない。同氏はLinuxのカーネルバージョン3.2以降、全パッチの0.7%しか承認していない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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