アップグレード料金を支払うだけで、Windowsが搭載されていないマシンをフルバージョンの「Windows Vista」にアップグレードする方法を発見したと、あるIT専門家が主張している。
MicrosoftはVista発売の一環として、Windowsユーザーに対し、全額を支払うことなく6種類あるVistaのいずれかに移行できる一連のアップグレード版を提供している。これらのアップグレードは、Windowsの以前のバージョンがインストールされているPC限定で実行可能になっている。
Microsoft MVPであるMarc Liron氏は、以前のバージョンがインストールされていなくてもアップグレードできる方法を発見したと述べた。これにより、例えばLinuxユーザーであってもアップグレード価格でVistaを入手可能になる。他のウェブサイトでもこの迂回方法が公開されている。
この方法が可能となる主な原因は、アップグレード版にVistaの完全版が含まれていることにある。そのため、Windowsのコピー認証をしないで完全版をマシンにインストールされてしまう可能性がある。例えば、WindowsITProのサイトでは、2007年1月末にこのアップグレードと迂回方法に関する情報が掲載されていた。
Microsoftは、この方法が可能であることを認めたが、これを利用する者は同社のライセンス条件に違反すると警告する。
Microsoftの関係者は、「『Windows XP』またはそれ以前のバージョンのWindowsのライセンスコピーを所有せずにこの迂回方法を利用する者は、Windows Vistaのアップグレード版を購入する際に同意した使用許諾書に違反することになる」と述べた。
しかし同社は、少なくとも現段階においては、この迂回方法を利用した者を罰するか、または「Genuine Advantage」により重要なアップグレードができないようにするという警告は発していない。実際、同社はこの問題をそれほど重要視していないらしく、Liron氏に対しても何の措置もとっていないようである。
Microsoft関係者は、「この迂回方法を実行するのは非常に限られたごくわずかな人々だけだと信じている。すべてのユーザーに対し、WindowsVista.comに示された正式なガイドラインに従ってWindows Vistaへのアップグレードを実施するように推奨する」と述べた。「正式なガイドラインに従うことにより、ユーザーは容易にかつ正当にWindows Vistaへのアップグレードを実施することができる」(Microsoft関係者)
Marc Liron氏は自らのウェブサイトに、同氏が発見した迂回方法を説明した内容を投稿している。要点だけを説明すると、Vistaをのアップグレード版をインストールする際にプロダクトキーを入力しない点に仕掛けがある。まずすべてのVistaファイルをインストールする。そして、Vistaのアクティベートせず、もう一度Vistaをインストールする手順を繰り返す。2度目のインストールが完了すると、Vistaの完全版が利用できるようになるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス