Googleは米国時間12月12日、新しいストックオプション(新株予約権)プログラムを2007年4月から実施する計画を明らかにした。このプログラムは、確定したストックオプションを従業員がオンラインオークションで売却することを認めるというものだ。
従来、従業員には2通りのストックオプションの対処法が用意されていた。1つは、ストックオプションが「確定」した段階で権利を行使(株式の所有権を取得)し、株式を現在の市場取引価格で売却し、いわゆる行使価格(通常はオプションが付与された日の市場取引価格)分の金額を企業に返す方法。もう1つは、権利行使後も株式を売却せず保持し続ける方法だ。
今回の新しいTransferable Stock Option(譲渡可能なストックオプション)プログラムは、Googleに務める管理職以外の従業員に第3の選択肢を与えるものだ。その選択肢とは、ある意味第2の市場とも言える、Morgan Stanleyが管理、運営する市場で確定オプションを売却する方法だ。その市場では、事前承認された金融機関が確定オプションに入札できる。ただ同プログラムは、Googleの新規株式公開(IPO)前に与えられたオプションは対象外だ。
Googleの株価が上昇し始めたずっと後に同社へ入社した従業員にとっては、オークションを利用した方が通常の株式市場で取り引きするよりも、より多くの利益を得られる可能性がある。その仕組みはこうだ。ある従業員のオプションが確定すると、この従業員は私設オークションで入札者を探すことができる。仮にある金融機関が同従業員に1株当たり150ドルを提示したとする。そして同従業員の行使価格が400ドルで、その時の市場取引価格が500ドルだとすると、同従業員はオークションを使うことで、通常の株式市場で売却するよりも1株当たり50ドル多くの利益を手にすることができる。また従業員は、最低落札価格を設定することも可能だ。
では、なぜ金融機関はオークションでGoogle株を買おうとするのか。Googleの幹部らは、一般の株式市場で同社の「オプション」を大量に購入している金融機関は、このオークションを、安値で購入できる場と見なすだろうと思っている。しかし、オプションを購入する金融機関はリスクを負う。主に、Googleの株価が上昇し続けることに対するリスクだ。金融機関は賭け金を分散投資して損失を防ぐため、株式を空売りするかもしれない。空売りは、通常、複雑な三者間取り引きで、空売りした人は対象企業の株価が下がると利益を得られる。
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