Google社員を詐称する10代の若者が執筆した偽の記事へのリンクが「Google News」にはられるという事態が発生したことにより、Googleのニュースサービス部門は、プレスリリースアグリゲーターとの提携関係を解消した。
米国時間3月10日、ニュージャージー州のピットマン高校2年生Thomas Vendetta君は、オンラインサイトにプレスリリースを配布するために利用される「I-Newswire.com」ウェブサイトに、自分で書いた偽のリリースを投稿した。同リリースは、Vendetta君がGoogleに雇用され、「Gmail」のセキュリティ問題の修復に当たるという内容だった。
SEO Blogは、「同学生の報酬は低く抑えられる予定で、その報酬は将来の教育のために銀行に預金されると、Googleの最高経営責任者であるLarry Page氏は述べた」とする同リリースの抜粋を掲載している。
Google Newsは同日にI-Newswireからこの情報を取得し、その2日後にニュースアグリゲーターサイトであるDigg.comも同リリースへのリンクを掲載したと、Vendetta君はCNET News.comに対して語った。上記3つのニュースサイトは、その後すぐにこれらのリンクを削除している。
I-Newswireは米国時間3月14日にも、俳優のWill Ferrellさんがパラグライダーの事故で死亡したという偽のニュースリリースを、同サイトから急いで削除した。この誤報を掲載したのが誰かはわかっていない。また、メディアを監視しているウェブサイトRegrettheerror.comは、Google Newsも同じニュースを掲載したとして、そのスクリーンショットを公開した。
Vendetta君は米国時間17日に電話インタビューに応じ、今回のいたずらのアイデアをRichard Wiggins氏のブログから得たと答えた。Wiggins氏は、同氏がふたりの友人とともに、「私的なプレスリリース」をGoogle Newsに載せた経緯を詳しく紹介している。Wiggins氏はフロリダ州キーウェストに旅行をしたことを「プレスリリース」として執筆し、一方同氏の友人は、じきに開催されるバスケットボール大会でのMichigan State University Spartansの勝利を願う「プレスリリース」を書いたという。Spartansに関する記事は、公開から1時間以内にGoogle Newsに掲載された。
Vendetta君は、単に何が起こるか見てみたかったと話している。「(Googleが)誤報を掲載するサイトであるように思わせようとしたわけではない。同サイトの信頼性にそこまで傷が付くとは考えなかった」(Vendetta君)
Vendetta君は自身のブログで謝罪し、Google NewsおよびDigg.comに偽のニュースが掲載されたことを知ったときは、「胃が締め付けられるような感じがして、心臓が止まるかと思った」と述べている。
「実際にぼくを知っている人たちは、ぼくがGoogleの大ファンだということを分かっているだろう。ぼくは本当にGoogleが好きで、ハロウィンには(Googleの共同設立者である)Larry Page氏の仮装をしたくらいなんだ。Googleで働くことが夢であり希望だったけれど、これですべてがぶち壊しになってまった」(Vendetta君)
I-Newswireの運営者Eric Borgos氏は20日、あらかじめ登録したユーザーだけがリリースを投稿でき、匿名ユーザーによる情報提供を難しくする方針を打ち出して、投稿プロセスの引き締めを図った。同氏はまた、リリースの選別にもより注意を払っていくと述べている。「Googleに電子メールを出して、こうした変更を行ったことを知らせた。同社がわれわれのサイトと再び提携してくれることを願っている」(Borgos氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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