最近、「Mac」について、そしてAppleが同製品をなかなかアップデートしない理由をめぐって、ちょっとした騒ぎが起こっている。その騒ぎが拡大し、AppleはMacのことなどどうでもいいと思っているのではないか、と勘ぐる人も現れ始めた(ここでトロンボーンの残念な効果音を鳴らすところ)。
MacrumorsのMac購入ガイドにざっと目を通したところ、AppleがMacハードウェアをアップデートするペースは実際に遅いようである。MacBook(本稿執筆の108日前にアップデートされた)を除けば、どのMacも非常に古く感じられ、「買ってはいけない」と評価されている。Appleのトップエンドでプロ向けの「Mac Pro」はアップグレードから1000日近く経過しようとしている。「Mac mini」もアップグレードから650日以上が過ぎている。
これは一体どういうことなのだろうか。
まず、1つはっきりさせておくことがある。Appleは、購入ガイドを執筆するテクノロジ専門家やブロガー、ハードウェアのスペックにこだわるギーク(筆者は自分もこれらの区分に含まれると考えている)のために働いているわけではない。AppleはAppleのために働いている。筆者は、もし専門家やブロガーに経営を任せたらAppleは5年でつぶれてしまうだろうと、たびたび述べてきた。率直に言って、「Apple専門家」を自称するこれほど多くの人が同社の流儀を全く理解していないように思えることは、驚きに値する。
AppleはAppleのために働いている。同社のやるすべてのことは、コスト抑制か収益拡大のいずれかが動機になっている。
Appleにとって、Macをアップデートするのは取るに足らないことである。特にCPUやGPU、RAM限って言えば、なおさらだ。
Intelは、OEMが最新CPUを旧システムの筐体に簡単に搭載できるようにした。AppleがCPUを旧型Macに搭載した後でやらなければならないのは、おそらく、箱に記載されるハードウェアのスペックを差し替えることだけだろう。発熱に関しては、何も変わらないはずだ。バッテリ持続時間も影響を受けない可能性が高い。
シェルのようなものを変更するのは、それとは別の問題であり、より多くのエンジニアリングやテストなどの作業が必要になるが、Appleのような大規模なリソースを持つ企業にとっては、それさえも大した問題ではない。
同社は在庫も厳密に管理しているので、店頭のMacをアップデートされた製品に入れ替えるのも、それほど難しいことではない。
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