神戸市と神戸市に関連する約100の企業や団体で構成される「地域ICT推進協議会(通称:COPLI)」が10周年を迎え、記念セミナーを開催。イシグロイドで知られる大阪大学の石黒浩教授とウェアラブル研究を長年続けている神戸大学の塚本昌彦教授による「ウェアラブルとロボットの拓くミライ ~人類はほんとうに幸せになれるのか~」と題したトークセッションが行われた。
セッションはロボットや技術、社会といったカテゴリごとにキーワードを設置。それに合わせてTwitterに投稿してきたコメントを両教授がピックアップし、議論を進めるというスタイルをとった。石黒教授のコメントに塚本教授が質問する流れでテンポよく掛け合いが行われ、「ロボット三原則」「アンドロイドの意識」「脳通信」といった技術的なテーマに加え、「人間」「美」「幸せ」などの哲学的な話題も多くあった。
たとえば「美」や「美人」についての話題はこうだ。石黒教授は、世界で最も美しい「ジェミノイド」と身体的特徴を排除した「テレノイド」という、見た目が全く異なるタイプのアンドロイドを製作する過程で、美の条件やルールをある程度見つけ出せたという。多くの人が美しいと評価するのは、平均的でつるりとしわがなく、左右対称の顔で、ほんの少しだけでも笑うとしわができ、それがさらに美しさを印象づけるのだという。
また、美は主観的な価値観だが、人は知らない相手をポジティブに判断し、都合よく補完するので、動きすぎない、しゃべりすぎないロボットのような人間の方が美人に見えるともしている。それゆえに無機質なアンドロイドにも美を見い出せるのだろう。塚本教授も同じく平均的で無機質な顔のほうが美人に見えるが、その理由は生物の本能に基づくもので、他の動物に似ると美を感じにくくなるのではないかとコメントしている。
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