タスクやプロジェクト管理のためのツール「Nozbe(ノズビー)」を開発するapivision.comの最高経営責任者(CEO)であるMichael Sliwinski氏が来日し、イベント「Nozbe Meetup Tokyo 2011」を3月10日に開催した。
Nozbeは、コンサルタントとして知られるDavid Allen氏が発案するワークフローの管理手法「GTD(Getting Things Done)」に基づき、GTDをPCやスマートフォンで実践するために生まれたサービスだ。Sliwinski氏は、GTDの本をもとに自ら実践していたが、「もっとライフスタイルをオーガナイズ(効率的に整理)してほしいと思い、自分で作ることにした」と開発の経緯を語った。
Nozbe初の公式本「Nozbeクリエイティブ仕事術(インプレスジャパン刊)」の著者である倉園佳三氏は、「(GTDのやり方を)ツールにあわせて型を変えるのがいやだった。Nozbeが、David Allenが提唱したやり方に近いのではないかと感じた」と話す。
発表会にて、現在のiPhone版(600円)とiPad版(1700円)アプリに加え、Android版のローンチを発表。Android Marketにて3月14日にも公開することを明らかにした(17時時点ではまだ公開されていない)。Android版は無料で提供するが、利用するにはNozbeのウェブサイトにてユーザー登録し、アカウントを取得する必要がある。なお、iPhone版とiPad版はサービスとリンクせずにアプリ単体で使用できる。
Nozbeは、プロジェクトやコンテキストの数を限定する代わりに無料で利用できるほか、制限を解除した有料サービスがある。有料サービスは、個人向けの「パーソナル」、5ユーザーまで使える「家族」、20ユーザーまで使える「チーム」の3つ。
さらに、3月中にもDropboxとNozbeの連携を可能にするほか、夏をめどにApp Store向けのデスクトップアプリを開発していることを明らかにした。なお、NozbeはgoogleカレンダーやEvernoteと連携できる。Dropboxとの連携は、Evernoteの場合と同様に、プロジェクト名をファイル名を同じにしておくことで可能になるという。
Nozbe Meetup Tokyo 2011を皮切りに、「Nozbe Japan Tour 2011」として、アップルストア心斎橋、アップルストア福岡天神でイベントを開催。3月12日に行われたイベントでは、今回の東日本大震災を受け、ユーザーらとともに被災者、被災地に向けてNozbeで何ができるかをブレストしたという。
Sliwinski氏らは、急遽Nozbeの「プロジェクトを一般公開できる機能」の追加を決断。ユーザーらの協力を得て公開を急いだ。これは、専門家らによる地震や火災、津波などが発生した際にとるべき行動などのリスト、被災地の方々からの要望を反映したリアルな不足物資リストとして利用することを想定したもの。
無料のアカウントでも、一般公開できるプロジェクトの数には制限がないという。利用例としては「停電に備えてすること」というリストが公開されており、Evernoteに追加したり、プリントアウトしたりして利用できる。Nozbeを使ったリストの作成方法は、倉園氏のブログ「ZONOSTYLE」にて詳細が見られる。
なお、3月14日は東京有楽町のdocomo smartphone loungeでイベントの開催を予定していたが、中止となっている。
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