レストランの評価に関するユーザーからの投稿を集めたグルメサイト「食べログ」と、ブログなどに書かれた店舗や場所の評判を集めて表示する「30min.(サンゼロミニッツ)」。この2つの口コミ情報サイトの戦略が、4月3日に都内で開催された位置情報関連のイベント「第3回ジオメディアサミット」において語られた。
食べログは2005年3月にサービスを開始。3月時点で月間ページビューは1億4374万PV、ユニークユーザー数は830万人。ネットレイティングスが2008年9月に実施した調査では、グルメサイトでぐるなびに次ぐリーチ数を誇るという。
食べログはグルメサイトとしては後発で、開設当時はlivedoor グルメやアスクユーなどの口コミグルメサイトが人気を集めていた。そこで食べログはまず、他社サイトにレストラン評価を書き込んでいるユーザーを、自分たちのサイトに移るように促した。具体的には、ユーザーの「マイページ」機能を強化し、ユーザーが投稿するほど自分のページが育つようにした。「自分のレストランデータベースを作りたい人に、サイトを乗り換えるインセンティブを用意した」(カカクコム執行役員食べログ本部長の村上敦浩氏)
「自分も1ユーザーとして、先行しているサイトで不満に感じている部分があり、それを解消した。有名なレビューアーが食べログを利用し、そのうわさが広がってユーザーが集まってきた。いまでもレビューを書いている人は5万人程度。サイトの雰囲気を決めるユーザーを最初にリアルでどれだけ集められるかが重要だ」と村上氏は口コミサイト成功の秘けつを明かす。
また、機能の改善要望を集める掲示板を設置。ユーザーの声を聞いて、簡単に反映できるものであればすぐ機能の改善や追加をするようにした。「食べログというサイト作りにもユーザーが参加できるようにしたことで、支持を得られたのではないか」(村上氏)
同時に、サイトに掲載される情報の質にもこだわった。ユーザーが店舗情報を登録できるため、掲載店舗数は39万店で、競合のぐるなびの9倍以上だという。その一方、ユーザーから投稿された情報の質を担保するため、投稿文字数は200文字以上という制限を付け、中身のあるコメントのみを受け付けるようにした。投稿された口コミはすべて目視チェックし、内容が具体的でないものや掲載にふさわしくないものはユーザーに修正を依頼するといったこともしているという。また、優れた口コミや写真がより上位に表示されるように、優先度も付けている。
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