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「あと30年は起業家でいたい」--スマポを楽天に売却した若きシリアルアントレプレナー

岩本有平 (編集部) 江口晋太朗2013年10月18日 15時12分

 10月15日、楽天がスマートフォン向け共通来店ポイントサービス「スマポ」を提供するスポットライトを買収し、完全子会社化したと発表した。

 ユーザーは、スマポの提携加盟店に来店し、専用アプリを使ってチェックインするだけでポイントを獲得することができる。貯まったポイントは、加盟店が発行する商品券などと交換することが可能だ。超音波を発信する専用デバイスを店舗に設置するため、フロアごとのチェックインが判定できるなど、位置情報などと比較して精度の高いものになっている。

 2011年9月からサービスを開始したスマポは、約2年という短い期間で楽天に買収されることとなった。実はスポットライト代表取締役の柴田陽氏は、2010年にバーコードを読み取ってECサイトで価格を比較し、商品を購入できるスマートフォンアプリ「ショッピッ!」を開発。アイ・エム・ジェイに売却している(その後同社は事業をオプトに売却)。そのほか、タクシー配車アプリや花のEC事業なども立ち上げた後に売却するに至っている。

 現在28歳。若きシリアルアントレプレナーの代表格ともなった柴田氏に、買収の経緯や今後について話を伺った。

  • スポットライト代表取締役の柴田陽氏

--改めて、スマポについて教えて下さい。

 スマポは、会員ユーザーがスマートフォンのアプリを立ち上げ、店舗に設置した専用デバイスの近くでチェックイン操作をすると、ポイントが貰えるサービスです。当初から、スマポを「来店検知プラットフォーム」として活用し、パートナーの方々へ提供することを考えていました。しかし、マーケットを考える上でいきなりオープン化を図っても難しいため、まずはスマポ単体としてのネットワークの価値を高める取り組みを2年間行ってきました。

 その結果90ブランド近くと提携することができました。これによって、スマポ本体の技術だけでなく、開拓したネットワーク自体にも価値が出てきました。このタイミングで、来店検知というプラットフォームを活用する構想へ移ろうと考えていました。

--自社でのプラットフォーム展開が視野にあった中で、楽天と組む道を選んだのはどうしてでしょうか。

 コンソーシアム型で展開するか、スポットライト1社で進むか、それぞれのシナリオを考えながら事業を進めていました。そうした時に、楽天が持っている約8500万人という大きな会員基盤が、スマポを大きくする上で大きな要素になると考えました。ポイントとしての力もあり、ユーザーも多く抱えています。また、2014年には楽天自身も実店舗向けに購買ポイントプログラムを本格開始すると発表しています。大きなコラボができるのではと考え、楽天と密にやっていこうと決断しました。

 お互いに、早い時期から話をしていました。楽天以外の他社も含めて、さまざまな展開の可能性を検討していましたので、あまり明確な時期はありません。国内においてO2Oサービスで抜き出ていると言えるサービスはなく、まだまだ開拓される余地は大きい分野だと思います。

 今後は、楽天傘下で事業をどれだけ伸ばせるかが課題です。来店検知プラットフォームを活用し、よりお買い物を促進するサービスになれたらと考えています。

--スマポのユーザー数はどれくらいでしょうか。また、サービスの利用エリアは現在どこまで広がっていますか。

 正確な数値は公表していませんが、100万人近くいます。また、日々数十万人に使って頂いている状況です。すでに、23都道府県にまで利用範囲は拡大しており、加盟店が広がっていけば全国展開も近いと思います。

 利用状況としては、相模大野のスーパーマーケットはとても面白いケースだと思います。相模大野では、スーパーマーケットとビックカメラで利用してもらっているのですが、周りに他の店舗が多くないという状況のせいか、アクティブ率やインストール率が、新宿などの都心よりも高いという数値が出ています。

 こうした状況から、地元に長く滞在するユーザーが一定数いて、しっかりと店舗対応がなされている場所では、サービスの利用頻度は大きく上がることが分かりました。また、スマポを導入してレジ客数も伸びているとスーパーマーケットの店長からもコメントを頂いており、住宅地でもワークする実感を持つことができました。

--スマポと楽天、今後2つの来店ポイントサービスが同じプラットフォーム上に共存することになります。それぞれ独立して展開していくのでしょうか。

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