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ウェブ3.0の姿をつかめ:何がキモになるのか?

文:Josh Catone 翻訳校正:吉井美有2008年02月19日 08時00分
特集

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 英紙Guardianウェブ版に「ウェブ3.0をまとめるとすれば、レコメンデーションと個人化(パーソナライゼーション)である」とする記事が掲載された。ウェブ3.0の定義についてはReadWriteWebでも何度も扱ってきている。ここでは、再度ウェブ3.0の定義について振り返ってみたい。

 英国の新聞Guardianのサイトに現地時間2月4日に掲載された記事に、Jemina Kiss氏がウェブ3.0とはすなわちレコメンデーションを指すものになるだろうと示唆した。「もしウェブ2.0を一言で『相互作用』だとくくるとすれば、ウェブ3.0はレコメンデーションと個人化になるはずだ」と同氏は述べている。Kiss氏はLast.fmとFacebookのBeaconを例に挙げて、個人化されたレコメンデーションサービスが新しい音楽や製品、レストランなどの情報をわれわれにもたらすウェブの将来像を描いている。これはマーケティング担当者の夢であり、われわれが過去にReadWriteWebで導き出した定義からもそう隔たってはない。

 われわれはこれまでウェブ3.0について書いてきており、ここ数年で何度も定義を試みてきた。これまでのほとんどすべての記事に共通していたテーマのひとつが、ウェブ3.0とセマンティックウェブのビジョンは切っても切れない関係にあるということだ。

 2007年4月、われわれは読者のウェブ3.0の定義に関するコンテストを行った。そのなかで出色していたのはRobert O'Brien氏の定義で、「非集中化した非同期なわたし」というものだった。

 「ウェブ1.0は集中化した彼ら、ウェブ2.0は分散化したわれわれ。そしてウェブ3.0は非集中化したわたし」だと彼は書いている。「(ウェブ3.0は)世界に参加したくないときのわたしに関するものであり、自分の環境に誰を導き入れるかをより強く制御したいというわたしの側面に関係している。ウェブ3.0では、わたしの注意の対象が広がって、自分が注意を払うのは誰か、あるいは何か、そして自分を誰に見せるかということにまで及ぶ。それは、わたしにとってのより効率的なコミュニケーションなのだ。」(O'Brien氏)

 O'Brien氏の理解は、基本的にKiss氏の理解と同じ、個人化とレコメンデーションだ。そして、それはセマンティックウェブが提供すると約束しているものでもある。セマンティックウェブのビジョンを消費者に売り込むもっとも簡単な方法は、彼らの生活を容易にしてくれるという話をすることだ。機械が人間の言葉を理解し、ユーザーのアテンションデータに関する知識を利用することができれば、われわれがいつ何を欲しているかを知っているウェブを作ることができる。

 ReadWriteWebの寄稿者であるSramana Mitra氏は、2007年2月にこのブログ上で、ウェブ3.0とは個人化にコンテクストを加えることだという言い方もしている。「MyYahooのチームによる個人化の試みは、あまり満足できない限定的なものにとどまっているが、彼らの問題は出発地点となるコンテクストを持たなかったことにある。」と同氏は指摘している。「わたしが予想するウェブ3.0には、構成要素が多数存在する。例えば映画(Netflix)や音楽(iTunes)、料理・食べもの、働く女性、一人親などのコンテクストから幹となる部分が生まれる。そしてそのコンテクストの集まりによって、消費者の必要とするもの全体を導き出すウェブ3.0の公式が作り上げられる」、言い換えれば、ウェブ3.0は自分が欲しいときに欲しい情報を(適切なコンテクストで)フィードしてくれることだ。

 もちろん、インターネットにバージョン番号を付けるのはある種ばかばかしいことであり、これ以上続けるべきではないかもしれない。しかし、これは将来を考え、次に登場するものを予想する方法としては面白いやり方だろう。読者のみなさんは、Kiss氏のウェブ3.0はレコメンデーションと個人化だというアイデアをどう思うだろうか。

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