コンテンツにスキップ

母袋夏生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

母袋 夏生(もたい なつう、1943年 - )は、日本のヘブライ語イスラエル文学翻訳家[1]

経歴

[編集]

長野県生まれ[1]長野県上田高等学校東京学芸大学卒業。 小学校教員時代にキブツに関心を持ち、イスラエル政府招聘留学生として、1974年ヘブライ大学大学院修士課程実用言語コースを修了[2]

初の翻訳作品は1989年に雑誌『暮しの手帖』に2回に渡って掲載された[3]「一夜の宿を」(マーニャ・ハレーヴィ作)というホロコーストの短編[4]。 1996年、ウーリー・オルレブの作品を多く翻訳している[5]Uri Orlev)。『壁のむこうから来た男』の翻訳で産経児童出版文化賞[6]。1998年、ヘブライ文学翻訳奨励賞受賞[2]

翻訳

[編集]
  • 『ユダヤ式家庭教育』(ミリアム・レヴィ、ミルトス) 1990
  • 『ユダヤ賢者の教え』1 - 4(ヨヘベッド・セガル、ミルトス、ミルトス双書) 1991 - 1992
  • 『ベン・イェフダ家に生まれて』(デボラ・オメル、福武文庫) 1991
  • 『ぼくたちは国境の森でであった』(ダリア・B・コーヘン、佑学社) 1992
  • 『お願い、わたしに話させて』(レナ・キフレル・ジルベルマン、朝日新聞社) 1993
  • 『「地の塩」殺人事件 女記者リジー・バドゥヒ』(シュラミット・ラピット、マガジンハウス) 1997
  • 『ブルーリア』(ダヴッド・シャハル、国書刊行会) 1998
  • 『もちろん返事をまってます』(ガリラ・ロンフェデル・アミット、岩崎書店) 1999
  • 『心の国境をこえて アラブの少女ナディア』(ガリラ・ロンフェデル・アミット、さ・え・ら書房) 1999
  • 『ベルト』(ガリラ・ロンフェデル・アミット、さ・え・ら書房) 2000
  • 『「野ねずみエイモス」プログラム』(モシェ・イズラエリ、シアターX) 2002
  • 『ユダヤ人が教える正しい頭脳の鍛え方』(エラン・カッツ、阿部望共訳、角川書店) 2005
  • 『心の国境』(デボラ・オメル、日本図書センター) 2005
  • 『死の接吻』(モシェ・スミランスキー、論創社) 2006
  • 『ライオンの蜂蜜』(デイヴィッド・グロスマン角川書店、新・世界の神話) 2006
  • 『エルサレムの秋』(アブラハム・B・イェホシュア河出書房新社) 2006
  • 『ヤクザ、わが兄弟』(ヤコブ・ラズ、作品社) 2007
  • 『おうじょさまとなかまたち』(アローナ・フランケル、鈴木出版) 2008
  • 『父さんの手紙はぜんぶおぼえた』(タミ・シェム=トヴ、岩波書店) 2011
  • 『紙のむすめ』(ナオミ・シャピーラ切り絵、光村教育図書) 2013
  • 『ヨナタンは名たんてい』(ディヴィッド・グロスマン文、ギラド・ソフェル絵、光村教育図書) 2014
  • 『ぼくのレオおじさん』(ヤネッツ・レヴィ文、たかいよしかず絵、学研教育出版) 2014
  • 『白い池 黒い池』(リタ・ジャハーン文、ヴァリ・ミンツィ絵、光村教育図書) 2015
  • 『突然ノックの音が』(エトガル・ケレット、新潮社) 2015
  • 『お静かに、父が昼寝しております』(ユダヤ民話、岩波少年文庫) 2015
  • 『クネレルのサマーキャンプ』(エトガル・ケレット、河出書房新社) 2018
  • 『砂漠の林檎 : イスラエル短編傑作選』(河出書房新社) 2023 (サヴィヨン・リーブレヒトアターッラー・マンスールイリット・アミエルウーリー・オルレブシュラミット・ラピッドミハル・ゴヴリンシャイ・アグノンシュラミット・ハルエヴェンエディ・ツェマフ、オルリ・カステル=ブルーム、ダン・ツァルカ、ユーディット・ヘンデル、A・B・イェホシュア、ニカノール・レオノフ、ダン・パギス)

ウーリー・オルレブ

[編集]
  • 『壁のむこうから来た男』(ウーリー・オルレブ岩波書店) 1995
  • 『編みものばあさん』(ウーリー・オルレブ、径書房) 1997
  • 『羽がはえたら』(ウーリー・オルレブ、小峰書店、ショート・ストーリーズ) 2000
  • 『砂のゲーム ぼくと弟のホロコースト』(ウーリー・オルレブ、岩崎書店) 2000
  • 『かようびはシャンプー』(ウーリー・オルレブ、講談社、講談社の翻訳絵本) 2000
  • 『Tシャツのライオン』(ウーリー・オルレブ、講談社、講談社の翻訳絵本) 2001
  • 『ちいさいおおきな女の子』(ウーリー・オルレブ、講談社、講談社の翻訳絵本) 2002
  • 『走れ、走って逃げろ』(ウーリー・オルレブ、岩波書店) 2003
  • 『おしゃぶりがおまもり』(ウーリー・オルレブ、講談社、講談社の翻訳絵本) 2003
  • 『くじらの歌』(ウーリー・オルレブ、岩波書店) 2010
  • 『遠い親せき』(ウーリー・オルレブ、岩波書店) 2010
  • 『走れ、走って逃げろ』(ウーリー・オルレブ、岩波少年文庫) 2015

脚注

[編集]

注釈

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b 『砂漠の林檎 : イスラエル短編傑作選』河出書房新社、2023年8月、巻末頁。ISBN 978-4-309-20890-9 
  2. ^ a b IBBYオナーリスト、2018年の日本の作品決定 | JBBY”. 2024年1月23日閲覧。
  3. ^ プロに訊く 第15回 - やまねこ翻訳クラブ
  4. ^ Vol.5 母袋夏生 氏 - TONTON club
  5. ^ ポーランド系ユダヤ人。ワルシャワで1931年に生まれる。1996年国際アンデルセン賞受賞。
  6. ^ 著者プロフィール - 新潮社

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]