後背地
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後背地(こうはいち、英語: hinterland、ドイツ語: Hinterland)とは、都市や港湾の経済的な影響を受けている地域のことである[1][2]。狭義には、特定の港湾を発着する貨物の供給範囲のことをさすが、広義では、都市と物資・サービスの流動や通勤流動がなされる周辺地域のこともいう[1]。
港湾は海に面し、海を通じてほかの港湾と貿易を行うことではじめて役に立つ。そのため海に面している方が正面(前面)、内陸が背面と考えられたので、この名称となった。
中心と後背地の関係
[編集]一般に、中心となる都市や港湾の規模が大きいほど後背地は広くなる[2]。一方、後背地の経済力が大きいことで都市や港湾が発展することもある[2]。例えば、1870年代以降に港湾都市ロッテルダムが発展した背景として、後背地となるドイツやベルギーにおける工業発展の影響が挙げられる[3]。ゆえに都市や港湾と後背地は相互に影響を及ぼす。また、一方が衰退した場合に他方にも影響を及ぼす[4]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 高野史男 著「後背地」、日本地誌研究所 編『地理学辞典 改訂版』二宮書店、1989年、216頁。ISBN 4-8176-0088-8。
- 浮田典良 編『最新地理学用語辞典』(改訂版)原書房、2004年。ISBN 4-562-09054-5。
- 兼子純 著「物流都市・ロッテルダム」、経済地理学会 編『キーワードで読む経済地理学』原書房、2018年、385-388頁。ISBN 978-4-562-09211-6。