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吉原直樹

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吉原 直樹
(よしはら なおき)
人物情報
生誕 1948年(75 - 76歳)
日本の旗 日本徳島県阿南市
国籍 日本の旗 日本
出身校 慶應義塾大学経済学部
慶應義塾大学大学院社会学研究科
学問
研究分野 社会学
都市社会学
地域社会学
アジア社会論
研究機関 立命館大学
神奈川大学
東北大学
大妻女子大学
横浜国立大学
学位 社会学博士(慶應義塾大学)
学会 日本学術会議
社会学系コンソーシアム
日本社会学会
日本都市学会
日本都市社会学会
東北社会学研究会
地域社会学会
東北都市学会
コミュニティ政策学会
主な受賞歴 第6回宮崎賞
第15回日本都市学会賞
第3回地域社会学会賞
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吉原直樹(よしはら なおき、1948年 - )は、日本社会学者東北大学名誉教授社会学博士社会学系コンソーシアム理事長。専門は、社会学都市社会学地域社会学、アジア社会論。

長らく東北大学大学院文学研究科教授を務め、2011年4月より大妻女子大学社会情報学部教授、2017年4月より横浜国立大学都市イノベーション研究院教授。

人物・来歴

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1948年、徳島県阿南市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、同大学大学院社会学研究科を修了。

立命館大学産業社会学部助教授、神奈川大学外国語学部教授などを経て、1993年度から東北大学文学部教授。インドネシア大学大学院客員教授、地域社会学会会長、東北都市学会会長、東北社会学研究会会長、東北社会学会会長などを歴任[1]

2011年度からは大妻女子大学社会情報学部で、2017年度からは横浜国立大学都市イノベーション研究院で教授を務める。2013年6月には社会学系コンソーシアム理事長に就任[2]日本学術会議連携委員。

研究歴

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アメリカ都市社会学(主にシカゴ学派)および新都市社会学をベースとした理論的研究とともに、戦後日本の地域社会(町内会)にかんする実証的研究を進めた。

現在は、グローバルとローカルとのパラドクスの諸相を見すえながら、時間、空間概念の再定式化を介して、都市社会学の理論的再審の方向を模索している。またその応用的地平において、地域住民組織論と接続させることで、新たなアジア社会論の可能性について検討している。

著書

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単著

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  • 『地域社会と地域住民組織――戦後自治会への一視点』(八千代出版, 1980年)
  • 『都市社会学の基本問題――アメリカ都市論の系譜と特質』(青木書店, 1983年)
  • 『戦後改革と地域住民組織――占領下の都市町内会』(ミネルヴァ書房, 1989年)
  • 『都市空間の社会理論――ニュー・アーバン・ソシオロジーの射程』(東京大学出版会, 1994年)
  • 『アジアの地域住民組織――町内会・街坊会・RT/RW』(御茶の水書房, 2000年)
  • 『都市とモダニティの理論』(東京大学出版会, 2002年)
  • 『時間と空間で読む近代の物語――戦後社会の水脈をさぐる』(有斐閣, 2004年)
  • 『開いて守る――安全・安心のコミュニティづくりのために』(岩波書店岩波ブックレット], 2007年)
  • 『モビリティと場所――21世紀都市空間の転回』(東京大学出版会, 2008年)
  • Fluidity of Place (Trans Pacific Press, 2010).
  • 『コミュニティ・スタディーズ』(作品社, 2011年)
  • 『「原発さまの町」からの脱却――大熊町から考えるコミュニティの未来』(岩波書店, 2013年)
  • 『都市社会学: 歴史・思想・コミュニティ』(東京大学出版会,2018年)
  • 『モビリティーズ・スタディーズ 体系的理解のために』ミネルヴァ書房〈叢書・現代社会学 9〉、2022年01月刊行予定。ISBN 9784623093465 

共著

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編著

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  • 『都市の思想――空間論の再構成にむけて』(青木書店, 1993年)
  • 『都市経営の思想――モダニティ・分権・自治』(青木書店, 2000年)
  • 『都市空間の構想力(21世紀の都市社会学シリーズ・第5巻)』(勁草書房, 1996年)
  • 『アジア・メガシティと地域コミュニティの動態――ジャカルタのRT/RWを中心にして』(御茶の水書房, 2005年)
  • 『グローバル・ツーリズムの進展と地域コミュニティの変容――バリ島のバンジャールを中心として』(御茶の水書房, 2008年)
  • 『防災の社会学』(東信堂, 2009年)
  • 『防災コミュニティの基層―東北6都市の町内会分析』(御茶の水書房, 2011年)
  • Global Migration and Ethnic Communities: Studies of Asia and South America (Trans Pacific Press, 2012)
  • 『防災の社会学 第二版』(東信堂, 2012年)
  • 『安全・安心コミュニティの存立基盤』(御茶の水書房, 2013年)

共編著

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  • 大橋隆憲宝光井顕雅)『社会調査論――社会科学としての社会調査』(法律文化社, 1985年)
  • 岩崎信彦)『都市論のフロンティア――[新都市社会学]の挑戦』(有斐閣, 1986年)
  • (藤田弘夫)『都市――社会学と人類学からの接近』(ミネルヴァ書房, 1987年)
  • (岩崎信彦・上田惟一広原盛明鰺坂学高木正朗)『町内会の研究』(御茶の水書房, 1989年)
  • (藤田弘夫)『都市とモダニティ――都市社会学コメンタール』(ミネルヴァ書房, 1995年)
  • (藤田弘夫)『都市社会学』(有斐閣, 1999年)
  • 橋本和孝)『都市社会計画と都市空間――盛岡市のまちづくりを中心に』(御茶の水書房, 2000年)
  • Grassroots and the Neighborhood Associations, co-edited with Raphaella D.Dwianto, (Grasindo, 2003)
  • 宝月誠)『初期シカゴ学派の世界――思想・モノグラフ・社会的背景』(恒星社厚生閣, 2004年)
  • The Possibility of Sustainable Cities and the Problems of International and Intellectual Exchange, co-edited with I Gede Putu Wirawan, (Universitas Udayana, 2004)
  • 似田貝香門矢澤澄子)『越境する都市とガバナンス』(法政大学出版局, 2006年)
  • 新津晃一)『グローバル化とアジア社会――ポストコロニアルの地平』(東信堂, 2006年)
  • 長谷川公一Globalization, Minorities and Civil Society: Perspectives from Asian and European Cities (Trans Pacific Press, 2008).
  • 橋本和孝・藤田弘夫)『世界の都市社会計画―グローバル時代の都市社会計画』(東信堂, 2008年)
  • 倉沢愛子)『変わるバリ、変わらないバリ』(勉誠出版, 2009年)
  • (橋本和孝・藤田弘夫)『都市社会計画の思想と展開』(東信堂, 2009年)
  • 斉藤日出治)『モダニティと空間の物語』(東信堂, 2011年)
  • 大西仁と共監修)『移動の時代を生きる――人・権力・コミュニティ』(東信堂, 2012年)
  • 近森高明)『都市のリアル』(有斐閣, 2013年)
  • 吉原和男蘭信三・伊豫谷登士翁・塩原良和関根政美山下晋司)『人の移動事典――日本からアジアへ・アジアから日本へ』(丸善出版, 2013年)
  • 堀田泉)『交響する空間と場所I――開かれた都市空間』(法政大学出版局, 2015年)
  • (堀田泉)『交響する空間と場所II――創られた都市空間』(法政大学出版局, 2015年)

訳書

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  • A.H.ホーリー『都市社会の人間生態学』(時潮社, 1980年)
  • C・G・ピックバンス編『都市社会学――新しい理論的展望』(恒星社厚生閣, 1982年)
  • マニュエル・カステル『都市・階級・権力』(法政大学出版局, 1989年)
  • スチュアート・ロー『都市社会運動――カステル以後の都市』(恒星社厚生閣, 1989年)
  • W.ミルズほか『プエルトリカン・ジャーニー』(恒星社厚生閣, 1991年)
  • マニュエル・カステル『都市とグラスルーツ――都市社会運動の比較文化理論』(法政大学出版局, 1997年)
  • ハーベイ・W・ゾーボー『ゴールド・コーストとスラム』(ハーベスト社, 1997年)
  • デヴィッド・ハーヴェイ『ポストモダニティの条件』(青木書店, 1999年)
  • ジョン・アーリ『場所を消費する』(法政大学出版局, 2003年、新版2012年)
  • ジョン・アーリ『社会を越える社会学――移動・環境・シチズンシップ』(法政大学出版局, 2006年、新版2010年)
  • 中村潔長谷部弘と編訳)『バリ島に生きる古文書―ロンタール文書のすがた』(東信堂, 2012年)
  • ジョン・アーリ『グローバルな複雑性』(法政大学出版局, 2014年)
  • ジョン・アーリ『モビリティーズ』(作品社, 2015年)

脚注

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外部リンク

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