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千趣会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社千趣会
SENSHUKAI CO.,LTD.
千趣会大阪本社(大阪市北区同心)
種類 株式会社
市場情報
大証1部(廃止) 8165
2013年7月12日上場廃止
本社所在地 日本の旗 日本
大阪本社530-0035
大阪市北区同心1-6-23
東京本社111-0042
東京都台東区寿3-15-12
本店所在地 530-0035
大阪市北区同心1-6-23
設立 1946年昭和21年)3月22日(注1)
業種 小売業
法人番号 5120001066081 ウィキデータを編集
事業内容 通信販売
代表者 梶原 健司(代表取締役社長
資本金 1億円
2020年12月31日現在
売上高 連結:731億4900万円
単独:671億9000万円
2021年12月期)
純利益 連結:3億800万円
単独:△29億3900万円
2021年12月期)
純資産 連結:332億200万円
単独:322億6400万円
2021年12月31日現在)
総資産 連結:524億7600万円
単独:507億6300万円
2021年12月31日現在)
従業員数 連結:908人
2021年12月31日現在)
決算期 12月31日
主要株主 東日本旅客鉄道 12.45%
ブレストシーブ 7.95%
凸版印刷 4.00%
三井住友銀行 3.63%
大日本印刷 3.29%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 2.26%
2020年12月31日現在)
関係する人物 高井 恒昌(創業者
外部リンク https://www.senshukai.co.jp/ (日本語)
特記事項:1977年(昭和52年)9月30日に、いわゆる株式額面変更目的で、同日以前の事業会社(1955年(昭和30年)11月9日設立の旧株式会社千趣会)を吸収合併し現商号に変更。
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株式会社千趣会(せんしゅかい、英:SENSHUKAI CO.,LTD.)は、大阪府大阪市北区東京都台東区に本社(登記上の本店は大阪市北区)を置く大手通信販売会社である。東京証券取引所スタンダード上場企業。

概要

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カタログ通販サービスの「ベルメゾン」(Belle Maison)、およびネット通販サービスの「ベルメゾンネット」を主力とする。他に、花の通販サービス「イイハナ」、ベルメゾン会員向けの保険サービス、「ベルメゾン」の運営ノウハウを生かした法人向けコンサルティングサービスなども行っている。

1970年代よりカタログ通販がメインだったが、ネット通販にも早くから取り組んでいた。しかし、アマゾンや楽天などに押されて2010年代後半に業績が悪化。2023年現在、カタログ中心のプロモーションを見直し、SNS等によるデジタル・プロモーションにシフトする「通信販売事業のデジタルシフト」を目指して変革を進めている[1]

元々はこけしの頒布販売から始まり、社名も「こけし味蒐集の」の略称に由来するものであるという[2]

歴史

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創業当初

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戦前の女性は卒業後に家事手伝いを経て主婦となるのが一般的だったが、戦後は職場で働く女性が増加し、OL(オフィス・レディ)と呼ばれるようになった[3]

戦後、アーティストによって、伝統的な「伝統こけし」のデザインを離れた「近代こけし」が創作されるようになったが、昭和30年代頃になると、多種多様でマニアックなデザインの「商業こけし」が業者によって大量生産・大量販売されるようになった。当時は戦後の混乱期を過ぎていくらか豊かになりつつあり、男性の「こけしマニア」が出張のたびに土産物のこけしを買い求める例もあったが、当時は女性の楽しみの少ない時代であるから、女性(特にOL)の趣味として市場が拡大した。

1953年、高井恒昌(創業者)がOL向けに全国の銘菓を届ける「味楽会」を個人で開始。その後、OL向けにこけしの頒布を開始し、その際にこけしを「こけし千体趣味蒐集の会」から仕入れていたことから、これを略して会の名前を「千趣会」と改める。当時は高井が職場に直接出向いて商品を販売していた。大阪の銀行へ営業に出向いたところ、一人の女性が代表として職場全員の注文を取りまとめて集金・配布まで行ってくれ、これが千趣会の「お世話係」システムの原点となった。

設立1年後よりこけしの直接仕入を開始。千趣会がこけしの生産を直接管理するようになり、企画・製造・販売までを垂直統合した(現代のSPAシステムに相当)ことで、多種多様なこけしの低価格な安定量産に成功し、こけし業界に革命を起こした。陶器などの趣味性の高い商品を月ごとに頒布し、いつでも入会・退会が可能な「頒布会」(現代の「サブスクリプション」に相当)を行っていた販売業者は千趣会の他にもあったようだが、千趣会は月額百円と安く、「ロイヤルペット」シリーズ(1960年代、全20体)「世界風俗こけし」シリーズ(1970年)などコレクション性の高い製品をリリースしたこと(現代の「トレーディングフィギュア」に相当)で、幅広い客層および年齢の間で「千趣会」のこけしは爆発的なヒットとなり、会員数は半年足らずで5千人に登り、3年後には10万人を突破[4]

こけしの販売が好調となったことから、1955年11月、個人商店から株式会社に改変し、株式会社千趣会設立。

1960年、「料理カード」付きの料理雑誌『クック』を創刊。『クック』は1959年に実施した日本テレビの番組とのタイアップもあり、1969年には82万部を突破。

1964年、手芸雑誌の『デリカ』を創刊。1970年に28万部を達成。

1971年より新聞広告「OL白書」を展開。全国のOL900人の意見を掬い上げた調査報告を広告として展開した。

カタログ通販を開始

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1976年、頒布会事業に次ぐ第二の事業として通販カタログ事業を開始し、通販カタログ雑誌の『ベルメゾン』創刊。それまでの千趣会の商品は趣味性の高いものだったが、『ベルメゾン』においては衣料品を中心とした実用品のカタログ販売へと舵を切った[5]

1970年より「お客様から注文をいただいたときにその商品の在庫があるかどうかわかる」というコンピュータシステムに対して莫大な投資を行い、1979年に稼働。

ファッション衣料から始まった『ベルメゾン』は、服飾雑貨や生活雑貨、家具、インテリア用品へと取り扱いアイテムを広げた。

ネット通販を開始

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1996年、ショッピングサイト「Call us」を開始。当時はネット黎明期ということもあり、カタログとは別の男性向け商品が中心だった。

2000年より「ベルメゾンネット」を開始。カタログの商品に加えてカタログでは掲載していない商品も販売した。

「千趣会グループ」へ

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2003年、フラワーギフト通販を手掛けるイイハナに出資し、「千趣会イイハナ」とする。

2008年、ウエディング事業を手掛けるディアーズ・ブレインを子会社化。

2010年、ファッション通販サイトのモバコレを子会社化。

このように「千趣会」から「千趣会グループ」へと規模を拡大する。

構造改革の実施

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千趣会の業績は、主力のカタログ通信販売事業がAmazon.co.jpなどの新興勢力の台頭により業績が悪化し、2017年12月期に約110億円の赤字に転落[6]2018年2月26日地域経済活性化支援機構による支援が決まり、同年3月30日に地域経済活性化支援機構が設立した投資ファンドに対し、第三者割当増資を実施した他[7]、同年10月12日には連結子会社である株式会社ベルネージュダイレクト株式の一部を、2019年1月9日付で雪印メグミルク株式会社へ譲渡することを発表[8]

千趣会は2018年10月26日に構造改革を実施することを発表[9]。この構造改革では、代表取締役社長を務める星野裕幸など役員4名が業績悪化の責任を取る形で同年10月31日付で退任し、後任の社長には取締役を務めている梶原健司が同年11月1日付で昇格した他[10]、約280名の希望退職者の募集を行う[11]

大阪本社は2019年1月に千趣会ビジネスセンターへ移転した。 東京都品川区にある東京本社も、2018年12月25日に東京都台東区へ移転した[12]大阪市北区にある自社ビル(旧・本社)も2019年3月29日に売却された[13]

グループ会社の再編も実施され、千趣会ゼネラルサービス株式会社と株式会社千趣ビジネスサービスは2019年1月1日付で千趣会へ吸収合併され、千趣会サービス・販売株式会社も2019年1月1日付で千趣会コールセンター株式会社へ吸収合併された。株式会社フィールライフは2019年6月30日に解散後、同年11月11日に清算を結了した[14][15]

2019年12月期において黒字決算になったことから、2020年7月31日に地域経済活性化支機構援による支援が終了。同年9月16日に東日本旅客鉄道(JR東日本)と資本・業務提携を締結。同年10月12日にJR東日本に対して第三者割当による自己株式の処分を実施し、JR東日本は千趣会の筆頭株主となった[16]

沿革

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CM

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1990年代後半に石田純一室井滋が夫婦役を演じたCMが放送された。

しばらくCMは実施していなかったが、2010年に地方局で、2011年4月にキー局で再度実施。

上記2つとも、2011年4月1日から。

事業拠点

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関連会社

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  • 千趣ロジスコ株式会社 - グループの物流事業(倉庫・梱包発送)
  • 株式会社ベルメゾンロジスコ - グループの物流事業(倉庫・梱包発送)
  • 千趣会コールセンター株式会社 - テレマーケティング業務の企画・実施
  • 株式会社千趣会イイハナ - 花卉販売。旧・「イイハナ・ドットコム株式会社」
  • 株式会社センテンス
  • 株式会社ベルネージュ・ダイレクト
  • 株式会社千趣会チャイルドケア
  • 千趣会香港有限公司
  • 上海千趣商貿有限公司

テレビ番組

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脚注

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  1. ^ 株主通信 千趣会
  2. ^ 千趣会の歩み”. 千趣会. 2012年8月7日閲覧。
  3. ^ HISTORY 千趣会60周年ヒストリー千趣会
  4. ^ ベルメゾン誕生の裏に「こけし」の大ヒットあり! 高度成長期に生まれたヒット商品と通販企業たち ネットショップ担当者フォーラム
  5. ^ 千趣会の歩み - 企業情報 千趣会
  6. ^ 「ベルメゾン」などを手がける千趣会の社長退任へ Amazonに顧客奪われ - livedoorニュース 2018年10月25日
  7. ^ a b [1]地域経済活性化支援機構 2018年2月26日
  8. ^ a b 連結子会社の異動を伴う子会社株式の一部譲渡及び子会社による第三者割当増資に関する基本合意書締結のお知らせ - 千趣会 2018年10月12日
  9. ^ 中期経営計画の見直し、希望退職者の募集、業績予想の修正及び配当予想の修正(無配)に関するお知らせ - 千趣会 2018年10月26日
  10. ^ 代表取締役の異動、役員報酬減額及び人事異動の決定並びに取締役の辞任に関するお知らせ - 千趣会 2018年10月26日
  11. ^ 千趣会2年連続赤字へ 通販振るわず、社長ら引責辞任毎日新聞 2018年10月26日
  12. ^ a b c 大阪本社及び東京本社移転に関するお知らせ 千趣会 2018年10月26日
  13. ^ 固定資産の譲渡及び特別利益の計上に関するお知らせ - 千趣会 2019年1月25日
  14. ^ a b c 連結子会社の吸収合併(簡易合併)、連結子会社間の合併及び連結子会社の解散に関するお知らせ千趣会 2018年10月26日
  15. ^ 株式会社フィールライフ国税庁法人番号公表サイト
  16. ^ a b c 東日本旅客鉄道株式会社との資本業務提携に基づく第三者割当による自己株式の処分、及び主要株主である筆頭株主の異動(予定)に関するお知らせ千趣会 2020年9月16日
  17. ^ J.フロント リテイリング株式会社との資本業務提携、第三者割当による新株式発行及び自己株式の処分並びに主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ
  18. ^ 第三者割当による新株式発行及び自己株式の処分の払込完了に関するお知らせ
  19. ^ ワタベウェディング株式会社株式(証券コード:4696)に対する公開買付けの開始、第三者割当増資の引受け、並びに当社及びその完全子会社である株式会社ディアーズ・ブレインとの資本業務提携契約の締結に関するお知らせ
  20. ^ ワタベウェディング株式会社株式(証券コード:4696)に対する公開買付けの結果に関するお知らせ
  21. ^ 子会社である株式会社ディアーズ・ブレインによるワタベウェディング株式会社(証券コード:4696)株式の買付けに関するお知らせ
  22. ^ J.フロント リテイリング株式会社との資本業務提携の解消、並びに自己株式の取得及び自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の買付けに関するお知らせ(会社法第165条第2項の規定による定款の定めに基づく自己株式の取得及び自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の買付け) - 千趣会 2018年4月27日
  23. ^ データを読む カタログ通販の千趣会 J.フロントリテイリングとの資本提携を解消 - 東京商工リサーチ 2018年5月10日
  24. ^ 株式会社ベルネージュダイレクトの株式譲渡契約の締結のお知らせ(開示事項の経過) - 千趣会 2018年12月19日
  25. ^ 第三者割当による自己株式の処分に係る払込完了のお知らせ 千趣会 2020年10月12日
  26. ^ 連結子会社の異動(株式譲渡)及び業績予想の修正に関するお知らせ - 千趣会 2021年3月23日
  27. ^ 持分法適用関連会社の異動に関するお知らせ - 千趣会 2021年3月19日
  28. ^ 第三者割当による新株式発行及び定款の一部変更、株式併合及び単元株式数の定めの廃止並びに親会社、主要株主、主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社の異動についてのお知らせ - ワタベウェディング 2021年3月19日
  29. ^ 熱狂と混乱の中国通販 ~目覚める13億人の消費パワー~ - テレビ東京 2009年7月14日

外部リンク

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