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伊佐市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
いさし ウィキデータを編集
伊佐市
伊佐市旗 伊佐市章
伊佐市旗 伊佐市章
日本の旗 日本
地方 九州地方
都道府県 鹿児島県
市町村コード 46224-1
法人番号 3000020462241 ウィキデータを編集
面積 392.56km2
総人口 22,077[編集]
推計人口、2024年11月1日)
人口密度 56.2人/km2
隣接自治体 出水市姶良郡湧水町薩摩郡さつま町
宮崎県えびの市
熊本県水俣市人吉市球磨郡球磨村
市の木 ひのき
市の花 さくら
伊佐市役所
市長 橋本欣也
所在地 895-2511
鹿児島県伊佐市大口里1888番地
北緯32度03分25秒 東経130度36分47秒 / 北緯32.05703度 東経130.61292度 / 32.05703; 130.61292座標: 北緯32度03分25秒 東経130度36分47秒 / 北緯32.05703度 東経130.61292度 / 32.05703; 130.61292
伊佐市役所
地図
市庁舎位置
外部リンク 公式ウェブサイト

伊佐市位置図

― 市 / ― 町・村

ウィキプロジェクト

伊佐市(いさし)は、鹿児島県の北部に位置する姶良・伊佐地域に属する[1]。北に熊本県、東に宮崎県県境を接し、九州本土では鹿児島県の最北に位置している[2]

伊佐米で知られる県内屈指の米どころ。または世界有数の高品位を誇るを産出する菱刈鉱山が所在する。

地理

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大口地区中心部周辺の空中写真。
2009年1月27日撮影の4枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

伊佐市は鹿児島県の北端の内陸部、県庁所在地鹿児島市から北へ約75キロメートルの場所に位置し、川内川が市を縦断する。周囲を九州山地に囲まれ[2]、中心市街地は大口盆地の一部を成しており、標高は180メートル前後である。

気候

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九州型の太平洋側気候であり、夏季の降水量が非常に多い。南九州であるものの、周りを険しい山に囲まれた内陸盆地となっているために1 - 2月は冬日になることが普通である。1月の平均気温は4.6で、同じく盆地に位置する京都市(4.8℃)よりも寒い。そのため、「鹿児島の北海道」と言われることがある[3]2016年平成28年)1月25日には大口アメダス(標高175メートル)において低地での九州の最低気温(気象官署アメダス)となる-15.2℃を記録した。

大口(旧・大口町)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 22.1
(71.8)
24.4
(75.9)
26.3
(79.3)
30.1
(86.2)
34.0
(93.2)
35.4
(95.7)
37.2
(99)
37.6
(99.7)
36.4
(97.5)
32.8
(91)
28.2
(82.8)
24.0
(75.2)
37.6
(99.7)
平均最高気温 °C°F 10.6
(51.1)
12.3
(54.1)
15.9
(60.6)
20.9
(69.6)
25.3
(77.5)
27.2
(81)
31.1
(88)
32.0
(89.6)
29.4
(84.9)
24.7
(76.5)
18.9
(66)
13.0
(55.4)
21.8
(71.2)
日平均気温 °C°F 4.6
(40.3)
6.0
(42.8)
9.5
(49.1)
14.2
(57.6)
18.7
(65.7)
22.2
(72)
26.0
(78.8)
26.3
(79.3)
23.4
(74.1)
17.8
(64)
11.9
(53.4)
6.4
(43.5)
15.6
(60.1)
平均最低気温 °C°F −1.0
(30.2)
0.1
(32.2)
3.3
(37.9)
7.7
(45.9)
12.7
(54.9)
18.2
(64.8)
22.2
(72)
22.4
(72.3)
18.9
(66)
12.1
(53.8)
5.9
(42.6)
0.7
(33.3)
10.3
(50.5)
最低気温記録 °C°F −15.2
(4.6)
−10.2
(13.6)
−7.7
(18.1)
−4.2
(24.4)
2.0
(35.6)
6.8
(44.2)
14.4
(57.9)
15.2
(59.4)
6.2
(43.2)
−1.0
(30.2)
−4.5
(23.9)
−8.7
(16.3)
−15.2
(4.6)
降水量 mm (inch) 77.4
(3.047)
123.0
(4.843)
169.9
(6.689)
200.7
(7.902)
236.6
(9.315)
625.8
(24.638)
538.4
(21.197)
275.0
(10.827)
257.7
(10.146)
101.0
(3.976)
101.9
(4.012)
92.4
(3.638)
2,799.8
(110.228)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 8.6 9.6 12.2 10.9 10.4 16.7 14.7 13.3 11.4 7.4 8.7 8.7 132.7
平均月間日照時間 135.5 139.8 165.6 176.3 178.3 105.2 158.5 182.8 161.2 178.1 151.9 138.2 1,872.7
出典:気象庁

隣接している自治体

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人口

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伊佐市と全国の年齢別人口分布(2005年) 伊佐市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 伊佐市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
伊佐市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 42,905人
1975年(昭和50年) 39,343人
1980年(昭和55年) 38,310人
1985年(昭和60年) 37,483人
1990年(平成2年) 36,146人
1995年(平成7年) 35,007人
2000年(平成12年) 33,508人
2005年(平成17年) 31,499人
2010年(平成22年) 29,304人
2015年(平成27年) 26,810人
2020年(令和2年) 24,453人
総務省統計局 国勢調査より


地名

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旧・自治体に合わせ旧自治体の大字に「大口」・「菱刈」を冠称するが、大字は付かない。

大口(旧・大口市)
  • 青木
  • 牛尾
  • 大田
  • 木ノ氏
  • 篠原
  • 原田
  • 目丸
  • 大島(旧・羽月村
  • 金波田(旧・羽月村)
  • 川岩瀬(旧・羽月村)
  • 下殿(旧・羽月村)
  • 白木(旧・羽月村)
  • 田代(旧・羽月村)
  • 鳥巣(旧・羽月村)
  • 堂崎(旧・羽月村)
  • 宮人(旧・羽月村)
  • 小川内(旧・山野町
  • 小木原(旧・山野町)
  • 平出水(旧・山野町)
  • 渕辺(旧・山野町)
  • 山野(旧・山野町)
  • 曽木(旧・西太良村、合併時に里から改称
  • 針持(旧・西太良村)
  • 上町(住居表示実施により里から分立して発足。年不詳)
  • 元町(住居表示実施により里から分立して発足。年不詳)
菱刈(旧・菱刈町
  • 市山
  • 川北
  • 重留
  • 下手
  • 田中
  • 徳辺
  • 花北
  • 前目
  • 荒田(旧・本城村
  • 川南(旧・本城村)
  • 南浦(旧・本城村)

歴史

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伊佐市発足以前

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大口地方は、古くから牛屎院、牛山院と呼ばれていた。永禄12年(1569年)に新納忠元が大口地頭となった前後の頃から大口と呼ばれるようになる。その後島津氏の直轄地となり明治維新を迎え、明治20年には郡役所が大口に設置され、明治22年には市町村制実施により大口村・山野村・羽月村となる。さらに大正7年には大口村が、昭和15年には山野村が町制を施行する。その後、昭和29年には伊佐郡の内、大口町・山野町・羽月村そして西太良村が合併して大口市として発足。
菱刈地方は、続日本紀の天平勝宝7歳(755年)五月の項に「大隅国菱苅村」に郡家を建てることを許可した旨の記録がある[4]。本城・馬越・湯之尾・曽木をもって太良院と言われていた。その後廃藩置県により鹿児島県に所属し、明治22年の市町村制実施により菱刈村と太良村ができる。明治24年太良村は東太良村と西太良村に分割され、さらに大正14年に東太良村を本城村と改名。昭和15年には菱刈村が町制を実施し、昭和29年には菱刈町と本城村が合併し、菱刈町となる[5]

伊佐市発足の経緯

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平成の大合併」の動きにあわせ、2000年代初頭に大口市と菱刈町で合併協議会を立ち上げ、新市名を「伊佐市」と決定したが、菱刈町で実施された住民投票において反対が賛成を上回ったために合併は実現せず、2005年平成17年)5月に合併協議会も解散した。その後、両自治体では2006年(平成18年)8月28日に改めて伊佐地区合併協議会を立ち上げ、新市名を前代の協議会と同じく「伊佐市」とする新設合併で合意に至った。2007年(平成19年)12月26日には鹿児島県知事より廃置分合(合併)決定書の交付、2008年(平成20年)1月30日総務大臣による告示を経て同年11月1日に合併した。

姉妹都市

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海外

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国内

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行政

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菱刈庁舎(2012年(平成24年)撮影

市役所

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  • 大口庁舎(旧・大口市役所、本庁) - 鹿児島県伊佐市大口里1888番地
  • 菱刈庁舎(旧・菱刈町役場) - 鹿児島県伊佐市菱刈前目2106番地

県の行政機関

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国の行政機関

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経済

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産業

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  • 農業
    • 米(伊佐米)、サツマイモ、近年は「金山ネギ」などのブランド野菜の生産も盛んになっている。
    • 焼酎「伊佐大泉」・「伊佐錦」・「伊佐美」の醸造が盛んである。伊佐市を代表する伊佐米は米麹の原料として欠かせない。なお、市内の郡山八幡神社の修理で見つかった永禄2年(1559年)の木片に書かれた「焼酎」の語は、現存最古の用例である[6]
    • 鹿児島県に唯一のカントリーエレベーターを設置している。
  • 工業
    • 電子工業
  • 鉱業

伊佐市に本社を置く企業

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地域

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山野小学校

学校教育

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公立高等学校

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私立高等学校・中学校

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公立中学校

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公立小学校

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  • 伊佐市立山野小学校
  • 伊佐市立牛尾小学校
  • 伊佐市立大口小学校
  • 伊佐市立大口東小学校
  • 伊佐市立羽月小学校
  • 伊佐市立曾木小学校
  • 伊佐市立針持小学校
  • 伊佐市立羽月北小学校(休校
  • 伊佐市立羽月西小学校
  • 伊佐市立平出水小学校
  • 伊佐市立菱刈小学校
  • 伊佐市立本城小学校
  • 伊佐市立南永小学校
  • 伊佐市立田中小学校
  • 伊佐市立湯之尾小学校

交通

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国道447号

空港

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鉄道

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市内に鉄道駅はない。最寄り駅は栗野駅(旧・菱刈町域)または新水俣駅(旧・大口市域)。

鉄道(廃止路線)

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かつては山野線および宮之城線が、旧・大口市の代表駅である薩摩大口駅から鹿児島本線(現・肥薩おれんじ鉄道)の水俣駅川内駅肥薩線の栗野駅の各駅へ通じていたが、いずれも特定地方交通線に指定され、1987年昭和62年)から1988年(昭和63年)にかけて相次いで廃止・バス転換された。

道路

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高速道路

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市域内には高速道路は通っていない。市域外の東側を九州自動車道が、西側を南九州自動車道が通っているので、いずれかを利用することになる。

  • 北側から中心市街地およびその周辺部に入る場合は九州道人吉球磨SIC(スマートインターチェンジ通行不可の車は人吉IC
  • 市域内の中心市街地より北側の旧・大口市域は南九州道水俣IC
  • 旧・菱刈町域は九州道栗野IC

一般国道

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県道

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主要地方道
一般県道

路線バスなど

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  • 南国交通 - 周辺の霧島市湧水町さつま町および熊本県水俣市と伊佐市内を結び、旧山野線・宮之城線の代替交通となっている。
    • 水俣駅前 - 水俣車庫 - 新水俣駅 - 山野 - 大口 - 菱刈郵便局前 - 栗野三文字 - 横川三文字 - 鹿児島空港
    • 吉松駅 - 栗野駅前 - 栗野三文字 - 湯之尾 - 菱刈本町 - 大口 - 大口高校
    • 宮之城 - 宮之城温泉 - 鶴田 - 求名 - 曽木 - 大口
  • 伊佐市内バス - 伊佐市が運行主体となり各社に委託して運行するコミュニティバス。

名所・祭事

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郡山八幡神社

著名な出身者

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伊佐市を舞台とした作品

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脚注

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注釈

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  1. ^ 所属町村がなくなった伊佐郡は消滅

出典

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  1. ^ 姶良・伊佐地域振興局”. 姶良・伊佐地域振興局. 2024年11月21日閲覧。
  2. ^ a b 伊佐市概要 - 伊佐市公式サイト(2021年令和3年)5月4日閲覧)。では獅子島出水郡長島町)が鹿児島県では最北端となる。
  3. ^ 隈元新(2010年(平成22年)2月1日)鹿児島の北海道"伊佐らしい寒さになりました! - ウェイバックマシン(2017年2月15日アーカイブ分)市長の部屋. 伊佐市
  4. ^ 経済雑誌社 編 (明治30年). 『国史大系』 第2巻 続日本紀. 経済雑誌社. https://dl.ndl.go.jp/pid/991092/1/162 
  5. ^ 伊佐市概要”. 2023年3月29日閲覧。
  6. ^ a b 読売新聞』よみほっと(日曜別刷り)2020年(令和2年)9月20日1 - 2面【ニッポン探景】曽木発電所遺構(鹿児島県伊佐市)湖底から現れる「古城」
  7. ^ 黄金の国「ジパング」健在なり…国内唯一の「菱刈鉱山」の総採掘量は佐渡金山の3倍超!”. 読売新聞オンライン ニッポン再発見 (2024年1月31日). 2024年5月19日閲覧。

外部リンク

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