コンテンツにスキップ

カバー (企業)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カバー株式会社
COVER Corporation
種類 株式会社
市場情報
東証グロース 5253
2023年3月27日上場
略称 カバー
本社所在地 日本の旗 日本
108-0073
東京都港区三田3丁目5番19号
住友不動産東京三田ガーデンタワー
北緯35度38分42.0秒 東経139度44分34.4秒 / 北緯35.645000度 東経139.742889度 / 35.645000; 139.742889座標: 北緯35度38分42.0秒 東経139度44分34.4秒 / 北緯35.645000度 東経139.742889度 / 35.645000; 139.742889
設立 2016年6月13日
業種 サービス業
法人番号 4011001111450 ウィキデータを編集
事業内容 VTuberのサポート、アプリケーションVRAR等の開発
代表者 代表取締役社長CEO 谷郷元昭
資本金 4億5,280万8,545円
(2022年3月期)[1]
売上高 301億6600万円
(2024年3月期)
営業利益 55億3600万円
経常利益 56億3700万円
(2024年3月期)
純利益 41億3700万円
(2024年3月期)
純資産 111億4300万円
(2024年3月期)
総資産 227億1300万円
(2024年3月期)
従業員数 570名
(2024年6月現在)[2]
決算期 毎年3月31日
会計監査人 太陽有限責任監査法人
主要株主 谷郷元昭 34.76%
AT-Ⅱ投資事業有限責任組合 15.76%
若山理子 9.10%
バレー株式会社 5.03%
福田一行 4.57%
(2023年2月17日現在)[2]
主要子会社 株式会社CCMC(本社:東京都港区)
COVER USA, Inc.
関係する人物 福田一行(取締役CTO)
須田仁之(社外取締役)
和田洋一(社外取締役)
植田修平(社外取締役)
ときのそら
外部リンク cover-corp.com ウィキデータを編集
テンプレートを表示

カバー株式会社: COVER Corp.)は、ITサービス業アプリケーションの開発を行う日本の企業。日本オンラインゲーム協会・クリエイターエコノミー協会正会員、日本音楽出版社協会準会員、セーファーインターネット協会賛助会員。VTuber事務所であるホロライブプロダクションを運営している[3][4]

概要

[編集]

「日本発のバーチャルタレントIPで世界中のファンを熱狂させる」ことをビジョンとし、VTuberプロダクションであるホロライブプロダクションの運営やVRARライブ配信システムの開発を行い、それらの技術を活用して二次元エンターテインメント体験を提供する事業を主とする企業である[5]

CEOの谷郷の話によると、企業を立ち上げる前はVRを活用したゲームを制作する会社とする予定だったが、キズナアイなどのバーチャルキャラクター[注釈 1]が活動し始め人気を得ており、VTuberの運営に方向性を変更したという[6]

経歴

[編集]
  • 2015年
  • 2016年
    • 6月13日:東京都中央区新川において資本金19百万円でカバー株式会社設立[2]。谷郷元昭が代表取締役社長CEOに就任。
  • 2017年
    • 2月:VR卓球ゲーム「Ping Pong League」リリース[2][7]
    • 9月:VTuberアイドル「ときのそら」の活動開始[2]
    • 12月:キャラクターに会えるライブ視聴アプリ「hololive」(iPhone)の提供開始[8][9]
  • 2018年
    • 4月:ライブ視聴アプリ「hololive」をリニューアルし、バーチャルYouTuberになれるキャラクターなりきりアプリ(iPhone/Android)「ホロライブ」をリリース[10][11]
    • 6月:女性VTuberグループ「hololive」の立ち上げ[2]
    • 6月:東京都中央区新川に本社を移転[2]
    • 11月15日:音楽特化型のVtuberプロジェクトとして「Virtual Diva AZKi」がデビュー[12]
    • 12月6日:ゲーム実況を中心に活動するユニット「ホロライブゲーマーズ」を始動、オリジナルメンバーとして「大神ミオ」がデビュー[13][14]
    • 12月25日:所属VTuberが登場するYouTube日常系ショートアニメ番組ブランド「ホロアニメ」を始動[15][16]
  • 2019年
    • 1月8日:中国の動画共有サイト「bilibili」を運営する上海寛娯数碼科技有限公司と正式契約[17]
    • 7月21日:中国展開の提携企業との連携契約解消[18][19]
    • 5月:音楽レーベル「イノナカミュージック」が始動[20]
    • 5月:男性VTuberグループ「HOLOSTARS(ホロスターズ)」の立ち上げ[2][21]
    • 7月:東京都千代田区内神田に本社を移転[2]
    • 12月2日:VTuber事務所「ホロライブ」「ホロスターズ」および「イノナカミュージック」の総称を『ホロライブプロダクション』へ統一[22][23]
  • 2020年
    • 4月:インドネシアにおける女性VTuberグループ「hololive Indonesia」活動開始[2]
    • 6月:東京都千代田区神田多町に本社を移転[2]
    • 9月:英語圏における女性VTuberグループ「hololive English」活動開始[2]
    • 11月12日:ホロライブ中国のライバー全員の卒業、中国市場からの事実上の撤退を発表[24][25]
  • 2021年
    • 2月:メディアミックスプロジェクト「ホロライブ・オルタナティブ」始動[2]
    • 3月:東京都千代田区外神田に本社を移転[2]
    • 9月:公式オンラインショップ「hololive production OFFICIAL SHOP」の運用を開始[2]
    • 10月28日:東京コミュニケーションアート専門学校との産学連携教育並びに企業プロジェクトを実施[26]。カバーの3Dアニメーション、Live2Dモデルのスタッフが審査を行う制作コンテストが開催された。
  • 2022年
    • 6月:英語圏における男性VTuberグループ「HOLOSTARS English」活動開始[2]
    • 11月:メタバースサービス「ホロアース」の常設ロビー空間のβ版をリリース[2]
  • 2023年
    • 3月27日:東京証券取引所グロース市場に上場[27]
    • 6月1日:東京都港区三田に本社を移転[28]
    • 8月29日:ホロライブ公式スマートフォンアプリ「ホロプラス」が正式リリース
    • 11月15日:ホロライブの二次創作インディーゲームをサポートする「holo indie」開始
  • 2024年
    • 3月12日:初の海外拠点として「COVER USA」を設立すると発表。営業開始は7月予定[29][30]
    • 10月25日:デザイン等の修正作業をクリエイターに無償で行わせたとして、公正取引委員会より下請法違反(やり直しの禁止)で再発防止を勧告される[31]

事業内容

[編集]

出典:[32]

  • VTuberプロダクション事業
  • マーチャンダイジング事業
  • ライブエンターテインメント事業
    • 所属タレントが出演する音楽ライブをARライブ形式で展開している。
  • メタバース事業
    • 近年注目されている、現実世界とは異なった3次元の仮想空間におけるサービスメタバース事業に注力しており、2021年10月20日には自社運営のプロジェクト『ホロライブ・オルタナティブ』の展望を発表した。
  • パブリッシャー事業
    • ホロライブのキャラクターIPを使ってゲーム開発者がゲームを作れるようにした、holo indieを2023年11月15日に発表した。Steamアカウント上をはじめとしたウェブサイト等への掲載・審査・管理その他必要な管理業務は子会社である株式会社CCMCに委託している。


運営

[編集]
運営内容 名称 対象地域 活動期生 備考
VTuber事務所 ホロライブプロダクション ホロライブ 日本の旗 日本 0-6、
ゲーマーズ
2019年12月2日よりホロライブプロダクションとして統合。
ホロスターズ 1-3、
UPROAR!!
hololive DEV_IS ReGLOSS
FLOW GLOW
2023年9月4日設立[33]
ホロライブインドネシア インドネシアの旗 インドネシア 1-3 ホロライブプロダクション傘下の海外事務所。
ホロライブEnglish 英語圏 Myth
Promise
Advent
Justice
HOLOSTARS English TEMPUS
ARMIS

サービス終了または撤退

[編集]
運営内容 名称  対象地域  活動期生 備考
VTuber事務所 ホロライブ中国 中華人民共和国の旗 中国 1-2 2020年12月16日に事実上の撤退
イノナカミュージック 日本の旗 日本 2022年3月末でプロジェクト終了

アプリの運営

[編集]

ホロライブ

[編集]

2017年12月21日に配信が開始された[34]。当初はキャラクターのライブ配信3D映像をAR投影したものを視聴出来るといったアプリだった[34]。しかし、2018年4月5日のアップデートにより、スマートフォンの前面カメラで配信者の表情を認識し、バーチャルYouTuberとして配信を行えるようになった[35]

2018年12月19日には同じホロライブアプリを利用するバーチャルYouTuber2人がアプリ内でクロマキー処理を行わずにキャラクターを重ねることができるように更新し、運営するホロライブプロダクション所属のバーチャルYouTuberに対してリリースをした[36]。2020年6月には同時に重ねられるキャラクターの数を4人に増やす更新を行った[37]

ホロリー

[編集]

2019年12月3日より配信されたホロライブプロダクション所属VTuberと「いつでもVTuberと会えて、一緒にお出かけができる」スマートフォンアプリ。ARカメラモードを実装し、VTuberと動画や写真撮影もできる[38]。また、12月20日のアップデートによりARCore非対応端末でもインストール可能となった[39]。Android端末、iOS端末両方でのインストールが可能。

2024年12月2日12:00をもってサービス終了[40]

ホロプラス

[編集]

2023年8月29日に正式リリースされた、ホロライブプロダクションファンに向けた『推しをもっと好きになる!』をコンセプトとした、公式のコミュニティアプリ[41]

VTuberの運営

[編集]

カバーは所属タレントに対しキャラクターのデザインの依頼やアプリケーション[注釈 3]の提供を行い、演者に対する各種のマネジメント面でのサポートを行っている[注釈 4]

タレントはカバーから提供されたスマートフォンを使い、基本的に自宅から配信を行うとしている[6]

主な取引先

[編集]
  • Google - 動画配信プラットフォーム「YouTube」の提供会社
  • Shopify - グッズ販売プラットフォームの提供会社
  • ピクシブ - グッズ販売プラットフォームの提供会社

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 現在のバーチャルYouTuber。
  2. ^ 現在のカバー株式会社。
  3. ^ ここでのアプリケーションは、演者が簡単に配信することが出来るサービスのこと。
  4. ^ マネジメント面でのサポートとは演者の日々の企画のサポート、又は企業案件などの調整など。

出典

[編集]
  1. ^ COMPANY”. カバー株式会社. 2022年6月14日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 新規上場申請のための有価証券報告書”. 東京証券取引所. 2023年2月18日閲覧。
  3. ^ SERVICE”. カバー株式会社. 2023年2月18日閲覧。
  4. ^ カバー株式会社”. INITIAL. 2020年3月26日閲覧。
  5. ^ (トップページ)”. カバー株式会社. 2020年3月26日閲覧。
  6. ^ a b c 「ホロライブ」のビジョンとこれから――Tokyo XR Startups出身起業家インタビュー(第一回:カバー株式会社CEO 谷郷 元昭氏)”. Mogura VR (2019年8月23日). 2020年4月26日閲覧。
  7. ^ sososo291 (2017年2月28日). “体育館を自由に歩いて別の競技も!?HTC VIVE用卓球ゲーム「Ping Pong League」配信開始”. PANORA VR. 2023年2月17日閲覧。
  8. ^ 現実空間でアニメキャラのライブを体感!? 近未来型“ARライブ配信”アプリ登場”. アニメ!アニメ!. 2023年2月17日閲覧。
  9. ^ キャラクターに会えるライブ視聴アプリ「hololive(ホロライブ)」提供開始のお知らせ”. PR TIMES. 2023年2月17日閲覧。
  10. ^ スマホアプリ「ホロライブ」がVTuber配信アプリに進化 専属VTuberのオーディションも”. PANORA VR (2018年4月5日). 2023年2月17日閲覧。
  11. ^ スマートフォンでバーチャルYouTuberに!iPhone、Android対応キャラクターなりきりアプリ「ホロライブ」リリースのお知らせ”. PR TIMES. 2023年2月17日閲覧。
  12. ^ カバー株式会社がプロデュースする新音楽プロジェクトより、「Virtual Diva AZKi」デビュー”. PR TIMES. 2023年2月17日閲覧。
  13. ^ ホロライブ、ゲーム特化の新ユニット「ホロライブゲーマーズ」始動!白上フブキ、大神ミオが参戦”. MoguLive (2018年12月6日). 2023年2月17日閲覧。
  14. ^ VTuberゲーム実況チーム「ホロライブゲーマーズ」始動、「大神ミオ」デビューのお知らせ”. PR TIMES. 2023年2月17日閲覧。
  15. ^ ホロライブ、YouTubeアニメ番組「ホロアニメ」始動”. MoguLive (2018年12月25日). 2023年2月17日閲覧。
  16. ^ YouTube日常系ショートアニメ番組ブランド「ホロアニメ」始動、「さくらみこ」ホロライブ加入のお知らせ”. PR TIMES. 2023年2月17日閲覧。
  17. ^ ホロライブ、bilibiliとVTuber事務所として初めて正式に契約し、中国展開を開始”. PR TIMES (2019年1月8日). 2020年3月26日閲覧。
  18. ^ 中国展開の提携企業との契約解消につきまして”. カバー株式会社 (2019年7月21日). 2020年3月26日閲覧。
  19. ^ ホロライブ運営のカバー株式会社、中国展開の提携企業との契約解消を発表 運営体制改善へ”. MoguLive (2019年7月22日). 2023年2月17日閲覧。
  20. ^ ホロライブにAZKi・星街すいせいが加入、音楽レーベル「イノナカミュージック」が始動”. MoguLive (2019年5月19日). 2023年2月17日閲覧。
  21. ^ カバー株式会社、男性VTuber事務所「ホロスターズ」設立のお知らせ”. PR TIMES. 2023年2月17日閲覧。
  22. ^ カバー株式会社、各事務所の総称を「ホロライブプロダクション」に統一”. MoguLive (2019年12月2日). 2023年2月17日閲覧。
  23. ^ カバー株式会社、「ホロライブ」「ホロスターズ」および「イノナカミュージック」の総称を『ホロライブプロダクション』へ統一”. PR TIMES. 2023年2月17日閲覧。
  24. ^ 「ホロライブ中国」メンバーの卒業に関するお知らせ”. カバー株式会社 (2020年11月12日). 2020年11月12日閲覧。
  25. ^ 「ホロライブ中国」5人が卒業へ 未発表ながら卒業意思を公言するメンバーも”. KAI-YOU.net. 2023年2月17日閲覧。
  26. ^ カバー株式会社 (2021年10月28日). “カバー株式会社、東京コミュニケーションアート専門学校との産学連携教育/企業プロジェクトを開始”. PR TIMES. 2021年10月28日閲覧。
  27. ^ 東京証券取引所グロース市場への新規上場承認に関するお知らせ | カバー株式会社
  28. ^ カバー株式会社 [@cover_corp] (2023年6月16日). "【カバー公式note更新情報】『カバー株式会社、新社屋公開』を公開". X(旧Twitter)より2023年8月13日閲覧
  29. ^ VTuber事務所「ホロライブ」の世界展開に本腰”. 2024年3月13日閲覧。
  30. ^ カバー株式会社、初の海外拠点「COVER USA」を発表”. カバー. 2024年6月24日閲覧。
  31. ^ Vチューバー「がうる・ぐら」所属のホロライブ運営会社、公取委が下請法違反で再発防止を勧告”. 読売新聞. 2024年10月26日閲覧。
  32. ^ SERVICE”. カバー株式会社. 2020年3月26日閲覧。
  33. ^ ホロライブプロダクション新VTuberグループ「ReGLOSS」デビュー決定!!”. PR TIMES (2023年9月4日). 2023年9月6日閲覧。
  34. ^ a b キャラクターに会えるライブ視聴アプリ「hololive(ホロライブ)」提供開始のお知らせ”. PR TIMES (2017年12月21日). 2019年1月15日閲覧。
  35. ^ スマートフォンでバーチャルYouTuberに!iPhone、Android対応キャラクターなりきりアプリ「ホロライブ」リリースのお知らせ”. PR TIMES (2018年4月5日). 2019年1月15日閲覧。
  36. ^ 「ホロライブ配信アプリ」にスマホだけでVTuberのコラボ配信が可能な「コラボ機能」をリリース!|カバー株式会社のプレスリリース”. PR TIMES (2018年12月19日). 2020年6月22日閲覧。
  37. ^ ホロの奇妙なマロ雑談-眠くない-【#ホロの奇妙な雑談】”. YouTube (2020年6月6日). 2020年6月22日閲覧。
  38. ^ ホロライブプロダクション」所属VTuberといつでも会えるスマートフォンアプリ『ホロリー』を本日リリース!”. PR TIMES (2019年12月3日). 2019年12月3日閲覧。
  39. ^ 福田一行 [@ikko] (2019年12月20日). "ARCore非対応端末でもホロリーをインストールできるようになりました!非対応端末ではARCoreによるAR機能は使えませんが、ARと同じようなことができる機能を検討中です!". X(旧Twitter)より2021年3月1日閲覧
  40. ^ ホロリー | hololive(ホロライブ)公式サイト”. 2024年12月7日閲覧。
  41. ^ VTuber事務所「ホロライブプロダクション」の”推しをもっと好きになる!”公式アプリ「ホロプラス」が正式リリース!”. PR TIMES (2023年8月29日). 2023年9月6日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]