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おんぶおばけ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
おんぶおばけ
映画
監督 横山隆一
制作 おとぎプロ
封切日 1955年
上映時間 23分
アニメ:隆一まんが劇場 おんぶおばけ
原作 横山隆一
音楽 若月明人
アニメーション制作 TCJ動画センター
製作 よみうりテレビ、TCJ動画センター
放送局 よみうりテレビ
放送期間 1972年10月7日 - 1973年9月29日
話数 全52話
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

おんぶおばけ』は、横山隆一原作のアニメ作品。短編アニメーション映画版とテレビアニメ版の2種類がある。テレビアニメ版の正式なタイトルは『隆一まんが劇場 おんぶおばけ』。

短編映画『おんぶおばけ』

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1955年におとぎプロが制作。16ミリフィルム・カラー サイレント 23分。 2018年2月4・21日に東京国立近代美術館フィルムセンター(現・国立映画アーカイブ)の上映企画「発掘された映画たち2018」で上映された。[1]

テレビアニメ『隆一まんが劇場 おんぶおばけ』

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1972年10月7日から1973年9月29日まで日本テレビ系列局で放送。よみうりテレビTCJ動画センター[注釈 1]の共同製作。全52話。放送時間は毎週土曜 19:00 - 19:30 (日本標準時)。

概要

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昔ある村にいた「おんぶおばけ」というかわいらしいおばけをめぐる物語で、毎回一話完結形式で放送されていた。おんぶおばけはヒスイから生まれ、鍛冶屋をしているやさしいおじいや村娘のおじょうと一緒に楽しい日々を過ごす。おんぶおばけと村人との関わりの中で、日本の昔話が紹介されていく。最終回では、おんぶは崩れそうな大岩を一晩中一人で支えて村の危機を救った後、力を使い果たして再びヒスイに戻った。

昭和48年(1973年)児童福祉文化賞奨励賞受賞作[2]

継続中は、小学館の学習雑誌幼稚園」・「小学一年生」・「小学二年生」に、当時小学館から発売されていた幼児雑誌「幼児の知能絵本」と「よいこ」に連載された。

登場人物

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おんぶおばけ(クレジット上では「おんぶー」と表記)
声 - 栗葉子
山のヒスイから生まれたヒスイの精。基本的に常に裸で、緑色の短い尻尾がある。平泳ぎの形で(本編中はカエル泳ぎと呼称)空を泳ぐように飛行することができ、急ぐときには人が走る程度の速度で飛んで移動する。また、「おんぶー!」と叫んで相手の背中にしがみつき、子泣き爺のように攻撃することも可能。本編では第1話の最初からおじいのもとで暮らし他の村人とも馴染んでおり、その出生などはオープニングの後半に描かれている。
おじい(クレジット上では「おじー」と表記)
声 - 永井一郎
山中でおんぶを拾った鍛冶屋の老人で、他に家族は居ない。謎が多い人物で、普段は優しいが、怒ると怖い一面もある。生き物を殺す道具は絶対に作らないとの信念を持ち、事実、侍から刀を打つことを依頼された時にはそれを断っている。ただし、刀や鉄砲を作る技術は持っており、村に化け猫が現れ、村人に犠牲者が出た時には、ひげじいが入手した古道具の鉄砲を一目見ただけで、狂いがあって弾が真っ直ぐに飛ばないことを見抜き、「今回は特別だ」と修理してみせた。また、悪い野武士が村を襲った時には鍛冶道具の小さな玄翁一本で一撃で刀をへし折ってみせ、「鍛冶屋のワシが、刀の弱点を知らぬとでも思ったか!」と一喝している。
ひげじい(クレジット上では「ヒゲジー」と表記)
声 - 北山年夫
おじい宅の隣に住む、長い鼻髭のある老人。職業は炭焼き。その技術は一流で、おじいの鍛冶仕事の炭は彼から入手している。後に合流する娘夫婦の娘(本人には孫娘)のおじょうと一緒に暮らしている。偏屈で怒りっぽく、溺愛するおじょうがお化けのおんぶと仲良くすることをあまり快く思っていない。根は善人だが欲張りなところもあり、しばしば村で騒動の原因になる。
おじょう(クレジットでは「オジョー」と表記)
声 - 山本嘉子
おんぶのガールフレンド。おてんばでおしゃれ好きな少女。ひげじいの孫娘であり、両親がある理由で家を出たため、ひげじいの娘として育てられた。
カン
声 - 白石冬美
ゴン
声 - 北川知絵
きぬ
声 - 池田昌子
六さん
声 - 大塚周夫
はな
声 - 前田敏子
三休
声 - 北村弘一
珍念
声 - 東美江
佐吉
声 - 野田圭一
おしず
声 - 小谷野美智子
留吉
声 - 北川国彦
さゆり
声 - 山本圭子
特別出演
声 - 大村崑(第3話)[注釈 2]財津一郎(第12話)[注釈 2]

スタッフ

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  • 原作・監修 - 横山隆一
  • 原作協力 - おとぎプロ
  • 民話指導 - 稲田浩二
  • 制作担当 - 小室常夫
  • 制作主任 - 小林征史郎
  • プロデューサー - 池頭俊孝(よみうりテレビ)、堀越唯義(TCJ動画センター)
  • チーフディレクター - 渡辺はじめ[注釈 3]
  • 美術 - 太田宏、久保陽彦、加藤嘉明 ほか
  • 撮影 - 飯塚進、和田茂、尾崎千伍 ほか
  • 音楽 - 若月明人
  • 録音演出 - 岡本知(グロービジョン)
  • 音響効果 - 柏原満
  • 録音調整 - 島津勝利
  • 編集 - 矢吹敏明、山田静男
  • 現像 - 東洋現像所
  • 作画監督 - 小林勝利、角田利隆、金子勲、山岸弘
  • アートディレクター - 小野辰雄、大隈敏弘
  • テクニカルディレクター - 高橋康治
  • 制作協力 - クロッカスプロ、代々木スタジオ、アカネプロ、福田新、谷功夫、海老沢幸男、森安男、渡辺邦夫、藤田茂、山内善英、柳田朝彦、池羽厚生、高島鉄也、酒井明雄 ほか
  • 企画・制作 - よみうりテレビ、TCJ動画センター[注釈 1]

主題歌

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レコードはキングレコードから発売。

オープニング・エンディングとも映像は3バージョンあり、後年の再放送(主にテレビ東京)では全て使用されたが、後述のビデオソフトでは第3バージョンに統一することが多い。

オープニングテーマ「おんぶおばけの歌」
作詞 - 横山隆一 / 作曲 - 三保敬太郎 / 歌 - 前川陽子
第2バージョンから間奏部のナレーション(おんぶおばけの誕生とおじいとの出会い)が変更、また第3バージョンから歌詞テロップが廃止され、それまで間奏部以降に集中していたスタッフクレジットが、映像全てにクレジットされる様になった(「児童福祉文化賞奨励賞」のクレジットは映像冒頭へ)。
エンディングテーマ「おんぶはネ」
作詞 - 亀崎経史・TCJ動画 / 作曲 - 三保敬太郎 / 歌 - 葉村エツコ

各話リスト

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放送日 サブタイトル 脚本 演出
1 1972年
10月7日
桃太郎はどこにいる 雪室俊一 岡田宇啓
2 10月14日 ぶんぶく茶釜 城山昇 鳥居伸之
3 10月21日 おはなし泥棒
4 10月28日 かちかち山 辻真先 高垣幸蔵
5 11月4日 小鹿と山姥 城山昇 岡田宇啓
6 11月11日 消えた笠地蔵 雪室俊一 渡辺はじめ
7 11月18日 おやおやこうこう
8 11月25日 一寸法師のおじさんは 広山明志 村山徹
9 12月2日 カッパのカメ 城山昇 鳥居伸之
10 12月9日 赤い鳥合戦 辻真先 高垣幸蔵
11 12月16日 空をとびたい 広山明志 渡辺はじめ
12 12月23日 びんぼう神 城山昇 村山徹
13 12月30日 青鬼物語 雪室俊一 鳥居伸之
14 1973年
1月6日
アヤニシキの秘密 岡田宇啓
15 1月13日 寝太郎とうちゃん
16 1月20日 すずめのつづら 渡辺はじめ
17 1月27日 鬼の下駄 広山明志 村山徹
18 2月3日 雪おんな 辻真先 岡田宇啓
19 2月10日 玉手箱のけむり 雪室俊一 村山徹
20 2月17日 ねずみのすもう 渡辺はじめ
21 2月24日 天狗のかくれみの 城山昇 鳥居伸之
22 3月3日 うぐいすの里 辻真先 村山徹
23 3月10日 みなとのくい 城山昇 岡田宇啓
24 3月17日 おむすびコロリン 雪室俊一 高垣幸蔵
25 3月24日 おやすて山 渡辺はじめ
26 3月31日 ききみみずきん 鳥居伸之
27 4月7日 花むこくらべ 辻真先
28 4月14日 ホラくらべ 城山昇 岡田宇啓
29 4月21日 さるかに合戦 雪室俊一
30 4月28日 炭焼き長者 村山徹
31 5月5日 力太郎 高垣幸蔵
32 5月12日 かしきの長者 城山昇 岡田宇啓
33 5月19日 さる神退治 雪室俊一 村山徹
34 5月26日 三枚のお札 辻真先 渡辺はじめ
35 6月2日 おいてけ堀 雪室俊一 鳥居伸之
36 6月9日 古家のむる 岡田宇啓
37 6月16日 猫と狩人 城山昇 村山徹
38 6月23日 大工と鬼六 辻真先 鳥居伸之
39 6月30日 おりゅう柳 雪室俊一 渡辺はじめ
40 7月7日 天人女房 村山徹
41 7月14日 ねずみのお経 岡田宇啓
42 7月21日 風の神と子どもたち 城山昇 高垣幸蔵
43 7月28日 はなたれ小僧さま 雪室俊一 岡田宇啓
44 8月4日 くらげ骨なし 村山徹
45 8月11日 猫と一文銭 辻真先 高垣幸蔵
46 8月18日 ぼたもち蛙 城山昇 鳥居伸之
47 8月25日 オオカミの眉毛 雪室俊一 高垣幸蔵
48 9月1日 にせ本尊
49 9月8日 そこつ六兵衛 城山昇 鳥居伸之
50 9月15日 うり姫とあまのじゃく 雪室俊一 村山徹
51 9月22日 山父のさとり
52 9月29日 さよならオンブー 岡田宇啓

放送局

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ビデオソフト化

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  • 1984年に東映ビデオから発売された、歴代エイケン作品を1話ずつ収録したVHS『エイケンTVアニメグラフィティ2』に第8話が収録されている。
  • 1990年代にパワースポーツ企画販売からVHS全3巻が発売された。第1巻には第4話・第18話を、第2巻には第16話・第24話を、第3巻には第8話・第19話を収録。
  • 1990年代に鈴与商事株式会社からVHS全5巻が発売された(販売元:株式会社ラジオステーション)。第1話 - 第10話を収録。
  • 2000年代初頭に株式会社ニューシネマジャパンから「アニメの王国」ブランドのDVD全2巻が発売された。第1巻には第4話・第18話を、第2巻には第16話・第24話を収録。
  • 東映ビデオ『TVヒーロー主題歌全集 エイケン編』(ビデオソフト)と『エイケンTVアニメ主題歌大全集』(ビデオソフト、LD、DVD)には、それぞれ3バージョンあるOP・EDのうち、第3バージョンのみ収録されている。

脚注

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注釈

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  1. ^ a b 同社は、本作放送期間中の1973年5月にエイケンへ社名変更したが、OPのクレジットにおいては一貫して「TCJ動画センター」と表記されている。
  2. ^ a b エンディングではクレジットされず、話の最後に「声のゲスト」としてクレジットされる(当時のエイケン作品の「EDでの声優クレジット」はレギュラークラス声優しかクレジットされなかった)。
  3. ^ 渡辺米彦の別名義。アニメーターの渡辺はじめとは別人。
  4. ^ 現・RSK山陽放送。当時の放送対象地域は岡山県のみ。

出典

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  1. ^ 発掘された映画たち2018 | 国立映画アーカイブ”. www.nfaj.go.jp. 2018年4月30日閲覧。
  2. ^ 過去の児童福祉文化賞受賞作品一覧 | 児童健全育成推進財団”. 児童健全育成推進財団. 2016年8月13日閲覧。
  3. ^ 北海道新聞』(縮刷版) 1972年(昭和47年)12月 テレビ欄。
  4. ^ a b 『河北新報』1972年10月7日 - 1973年9月8日付朝刊、テレビ欄。
  5. ^ a b c d 『河北新報』1972年10月7日 - 1973年9月29日付朝刊、テレビ欄。
  6. ^ 山梨日日新聞』1973年7月テレビ欄。
  7. ^ 新潟日報』1973年7月テレビ欄。
  8. ^ 信濃毎日新聞』1973年9月15日付朝刊、テレビ欄。
  9. ^ 静岡新聞』1972年10月9日付朝刊、テレビ欄。
  10. ^ a b 北國新聞』1973年4月21日付朝刊、テレビ欄。
  11. ^ 『北國新聞』1972年12月16日付朝刊、テレビ欄。
  12. ^ 山陰中央新報』1973年7月テレビ欄。
  13. ^ 中国新聞』 1975年(昭和50年)3月 テレビ欄。
  14. ^ a b “番組表”. 山陽新聞. (1972年10月7日) 
  15. ^ a b c 西日本新聞』(縮刷版) 1973年(昭和48年)6月 テレビ欄。
  16. ^ 徳島新聞』1973年7月テレビ欄。
  17. ^ a b 愛媛新聞』1973年7月テレビ欄。
  18. ^ 南日本新聞』1973年5月10日付朝刊、テレビ欄。
  19. ^ a b 南日本新聞』1973年5月12日付朝刊、テレビ欄。
  20. ^ 沖縄タイムス』1973年7月テレビ欄。

関連項目

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外部リンク

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日本テレビ系列 土曜19:00枠
前番組 番組名 次番組
GO!GO!ヤング
(1972年7月1日 - 1972年9月30日)
隆一まんが劇場 おんぶおばけ
(1972年10月7日 - 1973年9月29日)
冒険コロボックル
(1973年10月6日 - 1974年3月30日)