trf 〜THIS IS THE TRUTH〜
trfのアルバム
『trf 〜THIS IS THE TRUTH〜』(ティーアールエフ・ディス・イズ・ザ・トゥルース)は、trfの1枚目のスタジオ・アルバム。1993年2月25日にavex traxから発売された。
『trf 〜THIS IS THE TRUTH〜』 | ||||
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trf の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1992年11月 - 12月[1] レコーディング FREE STUDIO (YOTSUYA, TSUKIJI) STUDIO AVR STUDIO JIVE BAY BRIDGE STUDIO ミキシング BATTERY STUDIO (LONDON) | |||
ジャンル |
レイブ テクノ ハードコアテクノ ハウス | |||
時間 | ||||
レーベル | avex trax | |||
プロデュース | 小室哲哉 | |||
チャート最高順位 | ||||
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trf アルバム 年表 | ||||
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『trf 〜THIS IS THE TRUTH〜』収録のシングル | ||||
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解説
編集音楽性とテーマ
編集録音
編集- 作曲からレコーディングまで20日間、ロンドンで行われたトラックダウンに2週間というハイペースで出来上がった[3]。小室は「やりたいことがはっきりしていたから、ハイペースでできたと思う。曲数が足りなくなったり、行き詰ることがなかった」「『売らなくちゃいけない』『ポップにして受け入れられる様にしなければいけない』等、プロデューサーとして考えなければいけないことが何も無かった」「当時エイベックスは洋楽しかやってないレーベルだったから、『変な物は作れない、とにかく格好良いことをやる』という意地・プライドを持って作った」と振り返っている[5]。
- 外部のスタジオ・ミュージシャン・マニピュレーターを一人も起用せず、プログラミング・音色作り・アレンジを全て小室1人で行った[5]。
- アルバムのミキシングは「今まで8小節・16小節の音階で曲作りをしていたが、4小節のフレーズで作るにはどうすればいいのかわからない。PWEのチームだったら何か方策が見つかるんじゃないか」[6]「ハウスで歌が浮いたらどうしようもない」という意向から、最初からPWEのピート・ハモンドに頼んでいた。しかしYU-KIがレコーディングの経験が1度もなかった為に、その後もYU-KIの声とバックトラックが丁度良く混ざる様に試行錯誤した[7]。
- 小室は「レコーディング中に次のtrfのアイディアが見えたため、どうしてもハードコアテクノ一色で終わらせる気になれなかった。ミキシングの時点でポップス等の別の方向性を考え始めた」「誰から頼まれたわけでもないのに、すごくワクワクしながら楽しんでレコーディングした。新しい音なのに、昔から知っている感触があって、敢えて勉強し直さなくても使いこなせた」と振り返っている[4]。
プロモーション
編集批評
編集- DJ KOOは後に「『trfの作品と言うよりは、小室哲哉というプロデューサーのアルバム』という印象だった。かつて、クインシー・ジョーンズが多数のゲストを集めて自分名義の作品を作っていた様に。小室哲哉さんの目指す所が見えなかったりもした。でも『小室哲哉さんはテクノという音楽ジャンルがやりたいんだな』と的が絞られていて、はっきりしていてわかりやすかった」と振り返っている[9]。
収録曲
編集全作曲・編曲: 小室哲哉。 | |||
# | タイトル | 作詞 | 時間 |
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1. | 「THIS IS THE JOY」 | 小室哲哉・KOO | |
2. | 「IMPRESSION OF TRF」 | KOO | |
3. | 「GOING 2 DANCE」 | 小室哲哉・YŪKI | |
4. | 「LET'S 5 DANCE」 | 小室哲哉・KOO | |
5. | 「TIME AFTER TIME」 | 小室哲哉 | |
6. | 「OPEN YOUR MIND」 | 小室哲哉 | |
7. | 「DO WHAT YOU WANT」 | 小室哲哉・SUZI KIM | |
8. | 「OUT THERE」 | 小室哲哉・KOO | |
9. | 「RIGHT HERE! RIGHT NOW!」 | 小室哲哉・YŪKI | |
10. | 「TRUTH」 | 小室哲哉 | |
11. | 「THIS IS THE JOY (EXTENDED VERSION)」 | 小室哲哉・KOO | |
合計時間: |
楽曲解説
編集- THIS IS THE JOY
- IMPRESSION OF TRF
- GOING 2 DANCE
- 1stシングル「GOING 2 DANCE / OPEN YOUR MIND」の1曲目。
- LET'S 5 DANCE
- ダンサーのパフォーマンスを意識した構成にしている[10]。
- TIME AFTER TIME
- OPEN YOUR MIND
- 1stシングル「GOING 2 DANCE / OPEN YOUR MIND」の2曲目。
- DO WHAT YOU WANT
- バラード。Roland TR-808のみで制作された。小室は「1度やってみたかった冒険的な曲」と振り返っている[10]。
- 後に2ndシングル「EZ DO DANCE」のカップリングとしてシングル・カットされた。
- OUT THERE
- RIGHT HERE! RIGHT NOW!
- ライヴでの盛り上げを念頭に置いて制作した。小室にとっては本バージョンの時点ではまだラフ段階であり、その後『HYPER TECHNO MIX』にてよりハード志向を推した「RIGHT HERE! RIGHT NOW! (2ND FUNK-TION MIX)」をプロモーションした[10]。
- TRUTH
- 小室のセルフカバーアルバム『Hit Factory』制作時にマイアミでデモテープが制作され、エクスポゼが歌っていた[10]。
- コンセプトは「YU-KIの素直な歌い方も、癖のある歌い方もできる所を出す」様にし、小室もノークレジットでコーラスに参加している[10]。
- 歌詞のテーマは「夢を叶えたくて、一人で一生懸命やっていて、健気だけど、どこかであまり弱みを見せない感じで気を張って生きている女の子が、恋をしたらどうなるか」を考えている[4]。
- YU-KIが初めて仮歌を入れた曲である[4]。
- 歌詞はスタジオで40分で書き上げた[4]。
- 『BILLIONAIRE 〜BOY MEETS GIRL〜』で「TRUTH'94 (UNPLUGGED STYLE MIX)」としてリメイクされている。
- THIS IS THE JOY (EXTENDED VERSION)
- アルバム1曲目のリミックスバージョン。
クレジット
編集レコーディング・メンバー
編集- Synthesizer Programming & Manipulating : 小室哲哉
- Synclavier Operator : たかはしたくや
- Crew : 村上章久
曲毎
- THIS IS THE JOY (#1)
- Vocals : YŪKI, MEGAMIX
- Rap : KOO (Vocoder)
- IMPRESSION OF TRF (#2)
- Rap : KOO
- GOING 2 DANCE (#3)
- Vocals & Rap : YŪKI
- LET'S 5 DANCE (#4)
- Vocals : SAM, YŪKI, HORIE
- Rap : KOO
- TIME AFTER TIME (#5)
- Vocals : YŪKI
- Rap : SAM, KOO, HORIE
- Scratch : HIRO MATSUMOTO
- DO WHAT YOU WANT (#7)
- Vocals : CHIHARU, ETSUKO, IZUMI, SUZI KIM
- OUT THERE (#8)
- Vocals : YŪKI, CHIHARU, ETSUKO, IZUMI
- Rap : KOO
- RIGHT HERE! RIGHT NOW! (#9)
- Rap : GOTO, YUKI, SANCHE, YŪKI & EVERYBODY
- TRUTH (#10)
- Vocals : YŪKI
スタッフ
編集- Produced : 小室哲哉
- Mixed : Pete Hammond, Steve Hammond
- Executive Producer : 依田巽
- General Producer : 松浦勝人
- Co-Producer : 千葉龍平
- Director : なとりとしあき
- Co-Director : 星野靖彦
- Coordinator : いたがきひとし, 阿部元博
- Studio Engineer : 花島功武, 工藤雅史, 若公俊広, 冬野竜彦
- Art Direction : さとうのりやす
- Design : ほそのこういち, さとうかずのり
- Photograph : やしろとしみ, 若鍋聡, よしのなつき
- Illustration : たけだいくお
脚注
編集- ^ a b c 角川書店刊『告白は踊る(文庫版)』小室哲哉著193P-197Pより。
- ^ ブティック社刊「月刊歌謡曲」1994年4月号「特集 trf 鬼才・小室哲哉プロデュースによる日本初のテクノ・レイブ集団」p.183より。
- ^ a b ヤマハ音楽振興会刊 『TK EOS FACTORY 小室哲哉のシンセ工房』より。
- ^ a b c d e ソニー・マガジンズ刊『ギターブック』1993年4月号「trf TK RAVE FACTORY by TETSUYA KOMURO」36P-37Pより。
- ^ a b ソニー・マガジンズ刊「PATi PATi」1993年3月号「trf TK RAVE FACTORY TETSUYA KOMURO」90Pより。
- ^ 「Tetsuya komuro★LA直撃!独占ロング・インタビュー '97年は本格的に世界へアプローチしていく!」スコラ刊「all about avex」p.6より。
- ^ 学習研究社刊「The BEST HIT」1993年4月号「GOING TO DANCE trf TETSUYA KOMURO THIS IS THE TRUTH」11Pより。
- ^ a b ソニー・マガジンズ刊『WHAT's IN?』1993年3月号66Pより。
- ^ 角川書店刊『月刊カドカワ』1995年5月号233Pより。
- ^ a b c d e f g h i ソニー・マガジンズ刊『WHAT's IN?』1993年4月号「『trf 〜THIS IS THE TRUTH〜』セルフライナーノーツ」162Pより。
- ^ CDに封入されているブックレットより。