女による女のためのR-18文学賞

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女による女のためのR-18文学賞(おんなによるおんなのためのアールじゅうはちぶんがくしょう)は、新潮社が主催する公募新人文学賞である。単にR-18文学賞ともいわれる[1]

女による女のためのR-18文学賞
受賞対象女性が執筆した小説
日本の旗 日本
主催新潮社
報酬大賞30万円
読者賞10万円
初回2002年
最新回2022年
最新受賞者仲谷実織「鬼灯の節句」(優秀賞)
義井優「ゴーヤとチーズの精霊馬」(友近賞)
公式サイトhttps://www.shinchosha.co.jp/r18/

概要

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応募者は女性に限られており、また選考委員の作家や下読みにあたる編集者も女性のみとしている。当初は、について描かれた小説を対象とし、女性のためのエロティックな小説の発掘を目指していたが、第11回より「女性が性について書くことは珍しいことではなくなり、性をテーマにすえた新人賞としては一定の社会的役割を果たした」との理由で、募集作品を「女性ならではの感性を生かした小説」と改めた(官能をテーマとした作品も引き続き受け付ける)。第14回からは、選考委員に友近が加わり、友近賞が新設された[2]

最終候補作はウェブ上で公開され、選考委員の合議により選出する大賞と、ウェブ上の投票により選出する読者賞を設ける。受賞作は、『小説新潮』『yom yom』に掲載されている。受賞者には、正賞として大賞30万円、読者賞10万円が、副賞として体脂肪計付ヘルスメーターが贈られる。 2021年7月にテーマを「書き手の感性を生かした小説」とし、大賞と右近賞の2賞とする等のリニュアルが発表された[3]

受賞作一覧

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年は受賞作の発表年。特記がなければ、出典は公式サイト[4]、初刊は新潮社、文庫は新潮文庫刊。

第1回から第10回

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回(年度) 受賞作 著者 初刊 文庫化
第1回(2002年度) 大賞 マゼンタ100 日向蓬 2002年9月 2006年11月[注 1]
読者賞 青空チェリー 豊島ミホ 2002年9月 2005年8月
候補 楽園の乙女 田村和佳
残像 田中薫
なつの感触 菊池とおこ
under my skin 近藤紋己
第2回(2003年度) 優秀賞 パートナー 正木陶子 2007年7月[注 2]
読者賞 そして俺は途方に暮れる 渡辺やよい 2004年2月[注 3]
候補 シャワー 志村紫
鴇色の首飾り 田中文
華鵺 唖猫
猫にさよなら 原田夏海
カジュアル 瑤池あさみ
第3回(2004年度) 大賞 ねむりひめ 吉川トリコ 2004年12月 2009年11月[注 4]
読者賞
優秀賞 ハイキング 管乃了
候補 ラブタクシー 安達薫
コロッケ 緋川小夏
蜜柑の匂いがみちみちて 吉村奈央子
フルーツ・フル 宇山桃子
第4回(2005年度) 大賞 夏がおわる 南綾子 2007年2月
読者賞 宇宙切手シリーズ 松田桂 2007年7月[注 2]
候補 青ざめる雪 下田路花
グレープフルーツのしずく 南本あいら
うみはひろいな、おおきいな 野乃日和
カササギ 瀧本マサキ
第5回(2006年度) 大賞 花宵道中 宮木あや子 2007年2月 2009年9月
読者賞
優秀賞 なくこころとさびしさを 清瀬マオ 2006年10月[注 2]
候補 遊戯生活 桜木みわ
Decade 青山歌
クロルカルキの夏 くれは繭
第6回(2007年度) 優秀賞 シーズンザンダースプリン♪ 三日月拓 2007年6月[注 2]
読者賞 ラムネの泡と、溺れた人魚 石田瀬々 2007年8月[注 2]
候補 朝の訪れ 塚本ゆう
かたばみ荘の猫たち 彩瀬まる
珍蝶 円山蛇
旅館みなみ屋 マミヤアキ
第7回(2008年度) 大賞 自縄自縛の二乗[注 5] 蛭田亜紗子 2010年9月 2012年12月
読者賞 16歳はセックスの齢[注 6] 山内マリコ 2012年8月[注 7] 2014年4月[注 8]
候補 たままゆ 彩瀬まる
真夜中の孔雀茶屋 山田華
ワタシゴノミ 円山蛇
聖橋マンゴーレイン 飯田麻子
第8回(2009年度) 大賞 ミクマリ 窪美澄 2010年7月 2012年10月
候補 内洞君 蓮生乙嗣
いちごゼリーのたくらみ 鈴木メロウ
成宮失恋治療院 姫野ルミ
七日美女 コウサカミユキ
まごころを君に 番あしえ
第9回(2010年度) 優秀賞 溶けたらしぼんだ。 木爾チレン 2010年12月[注 2]
読者賞 花に眩む 彩瀬まる 2010年12月[注 2]
候補 クローゼット 天城智伊
やづくんとあいちゃん 高柳亜希子
20%は誰が悪い 芦沢やよい
溺れちまうよと、カワウソは言った。 山田うみ
第10回(2011年度) 大賞 べしみ 田中兆子 2014年3月 2016年10月
読者賞 偶然の息子 上月文青
候補 僕のゆかちゃん 宇山明香
愛とその他のこと 佐伯こはく
ふらふら、不埒 後藤亜稀子
selfish 西丘はつか

第11回から

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回(年度) 受賞作 著者 初刊 文庫化
第11回(2012年度) 大賞 金江のおばさん 深沢潮 2013年2月 2016年2月
読者賞 ハロー、厄災[注 9] こざわたまこ 2015年9月
候補 想影 野村実来
キャラバン 香文実和子
ジェリー・フィッシュ 雛倉さりえ[注 10]
すごく遠く 川上寿月
第12回(2013年度) 大賞 マンガ肉と僕 朝香式 2014年9月
読者賞 朝凪[注 11] 森美樹 2015年3月
候補 グレイン・オブ・ライス・イナ・サバービア 鵡川いづる
絆創膏ワルツ 八条優季
パーティ 一木けい
第13回(2014年度) 大賞 とべない蝶々 仲村かずき
読者賞 ただしくないひと、桜井さん 滝田愛美
候補 ゾウリムシの部屋、セックスの部屋 一木けい
ぽんぽん 香坂よし穂
彼氏が欲しい処女を捨てたい結婚したい子供を産みたい 迫ななえ
猫のたまご せつさやか
第14回(2015年度) 大賞 明け方の家[注 12] 秋吉敦貴
友近賞
読者賞 くたばれ地下アイドル 小林早代子
候補 不祥事 一木けい
笑って欲しくて 前田タカコ
コーラスノート 七瀬裕子
プルースト効果の実験と結果 佐々木愛
第15回(2016年度) 大賞 カメルーンの青い魚[注 13] 町田そのこ 2017年8月
読者賞 西国疾走少女[注 14] 一木けい
友近賞 県民には買うものがある 笹井都和古
候補 ストロボライド 山田珠玉
祝、貧乳 佐々木愛
泳ぐ鹿 Swimming Deer 白尾悠
第16回(2017年度) 大賞 アクロス・ザ・ユニバース 白尾悠
読者賞
友近賞 月と林檎 伊藤万記
候補 どうしようもなくにやけた日々 川上寿月
おっぱいララバイ 渥ゆ史か
ストーム 畑下香住
ハルコさんの、日常と1泊2日。 カコ
第17回(2018年度) 大賞 手さぐりの呼吸[注 15] 清水裕貴[注 16]
読者賞 空におちる海[注 17] 夏樹玲奈[注 18]
友近賞 アップル・デイズ 山本渚
第18回(2019年度) 大賞 赤い星々は沈まない 月吹友香
読者賞 おまじない 小沼朗葉
友近賞 今はまだ言えない[注 19] 千加野あい
第19回(2020年度) 大賞 何言ってんだ、今ごろ 秋ひのこ
読者賞 カラダカシと三時の鳥[注 20] 梅田寿美子
友近賞
第20回(2021年度) 大賞 ありがとう西武大津店 宮島未奈
読者賞
友近賞
第21回(2022年度) 大賞 救われてんじゃねえよ 上村裕香[注 21]
友近賞 いい人じゃない 古池ねじ
第22回(2023年度) 優秀賞 鬼灯の節句 仲谷実織[注 22]
友近賞 ゴーヤとチーズの精霊馬[注 23] 義井優
第23回(2024年度) 大賞 息子の自立 広瀬りんご
友近賞 君の無様はとるにたらない 神敦子

選考委員

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第1回
光野桃山本文緒
第2回 - 第5回
山本文緒、角田光代
第6回 - 第10回
山本文緒、角田光代、唯川恵
第11回 - 第13回
三浦しをん辻村深月
第14回 - 第20回
三浦しをん、辻村深月、友近
第21回
窪美澄柚木麻子東村アキコ、友近

脚注

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注釈

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  1. ^ 角川文庫
  2. ^ a b c d e f g 電子版
  3. ^ 双葉社
  4. ^ 集英社文庫
  5. ^ 刊行時「自縄自縛の私」に改題
  6. ^ 作品発表時「In your dreams.」に改題
  7. ^ 幻冬舎
  8. ^ 幻冬舎文庫
  9. ^ 「僕の災い」に改題
  10. ^ 「山田紗梨恵」より改名
  11. ^ 「まばたきがスイッチ」に改題
  12. ^ 「ルーさん」より改題
  13. ^ 「金魚鉢、メダカが二匹」より改題
  14. ^ 「夜の西国分寺」より改題
  15. ^ 「森のかげからこんにちは」より改題
  16. ^ 応募時ペンネームは「中津川てん」
  17. ^ 「You Can Use My Car」より改題
  18. ^ 応募時ペンネームは「礼夏」
  19. ^ 「どうしようもなくさみしい夜に」より改題
  20. ^ 「カラダカシの家にはカッコウが鳴く」より改題
  21. ^ 応募時ペンネームは「上村ユタカ」
  22. ^ 応募時ペンネームは「堀紘菜」
  23. ^ 「子供おばさんとおばさん子供」より改題

出典

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  1. ^ R-18文学賞とは 新潮社
  2. ^ 友近さんも出席して「R-18文学賞」贈呈式、開催”. 新潮フラッシュニュース. 新潮社 (2015年5月27日). 2016年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月15日閲覧。
  3. ^ 「R-18文学賞」がリニューアル! 新選考委員に、窪美澄さん、柚木麻子さん、東村アキコさんが就任。”. 産経新聞 (2021年7月29日). 2021年8月1日閲覧。
  4. ^ 女による女のためのR-18文学賞”. 新潮社. 2024年1月5日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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