2019年大阪市長選挙(2019ねんおおさかしちょうせんきょ)は、2019年平成31年)4月7日第19回統一地方選挙において投開票が行われた大阪市長(公選第21期)を選出する選挙である。

2019年大阪市長選挙

2015年 ←
2019年4月7日 (2019-04-07)
→ 2023年

投票率 52.70%
 
候補者 松井一郎 柳本顕
政党 大阪維新の会 無所属
得票数 660,819 476,351
得票率 58.11% 41.89%


選挙前市長

吉村洋文
大阪維新の会

選出市長

松井一郎
大阪維新の会

概要

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吉村洋文(第20代市長)が大阪府知事選挙へ鞍替え出馬することに伴う大阪市長選挙である。大阪維新の会からは、同党代表で大阪府知事であった松井一郎が立候補。自民党公明党府本部からは柳本顕が立候補する[1][2]。柳本は、共産党部落解放同盟からの支援を受け選挙戦に臨んでいる[3][4]。大阪市長選挙が統一地方選挙に内包される形で執行されるのは1971年(昭和46年)の第7回[注 1]以来48年ぶりである[5]

2019年3月3日に、松井は「出直しクロス選挙」に臨む考えを示した。出直し選の場合、当選しても任期満了時に再び首長選が実施されることから、松井は「知事のまま出直したら、もう一度11月に選挙をしなければならない。税金を預かる僕としては、これほど効率の悪いことはない」と「出直しクロス選挙」に出る理由を説明した[6]。朝日新聞は、「4つの選挙を同日にすることによって機運を盛り上げ、議会選で単独過半数を目指す戦術にほかならない」と論評し[7]、毎日新聞は「地方自治制度に対する二重の背信」と批判した[8]

財界は、万博の準備に向けた正念場だけに、2025年大阪・関西万博の誘致活動で醸成された官民の「蜜月」を継続したい考えを示している[9]

選挙データ

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投票日

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  • 2019年4月7日

投票率

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立候補者

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(届け出順)

氏名 年齢 党派 現元新 職業・肩書
柳本顕
(やなぎもと あきら)
45 無所属[注 2] 大阪市議会議員
自民大阪市議団アドバイザー[12]
松井一郎
(まつい いちろう)
55 大阪維新の会 大阪府知事

選挙結果

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投票終了とほぼ同時に松井一郎の当選確実をNHKが速報。松井は市内の24区全てで勝利した[13]


※当日有権者数:2,189,852人 最終投票率:52.7%(前回比:+2.19pts)

候補者名年齢所属党派新旧別得票数得票率推薦・支持
松井一郎55大阪維新の会660,819票58.11%
柳本顕45無所属476,351票41.89%(推薦)自由民主党公明党
(支持)国民民主党
(自主支援)立憲民主党日本共産党
区別開票結果
区名 松井一郎 柳本顕
得票 % 得票 %
合計 660,819 58.11% 476,351 41.89%
都島区 29,072 61.16% 18,459 38.84%
福島区 19,591 63.37% 11,325 36.63%
此花区 16,903 57.53% 12,480 42.47%
西区 24,703 66.60% 12,386 33.40%
港区 20,314 56.90% 15,385 43.10%
大正区 16,490 54.54% 13,744 45.46%
天王寺区 18,750 58.25% 13,437 41.75%
浪速区 11,716 61.03% 7,481 38.97%
西淀川区 23,497 55.53% 18,816 44.47%
東淀川区 39,526 59.07% 27,392 40.93%
東成区 20,309 59.54% 13,802 40.46%
生野区 24,318 55.44% 19,549 44.56%
旭区 23,017 54.87% 18,934 45.13%
城東区 45,797 60.05% 30,463 39.95%
阿倍野区 28,850 55.87% 22,785 44.13%
住吉区 36,248 53.74% 31,197 46.26%
東住吉区 32,596 56.27% 25,334 43.73%
西成区 22,299 51.84% 20,713 48.16%
淀川区 44,657 62.64% 26,633 37.36%
鶴見区 27,681 58.94% 19,280 41.06%
住之江区 31,264 55.51% 25,056 44.49%
平野区 45,159 52.91% 40,184 47.09%
北区 35,178 66.37% 17,827 33.63%
中央区 22,884 62.57% 13,689 37.43%

選挙の主な争点

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脚注

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注釈

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  1. ^ 1971年の第7回統一地方選挙での大阪市長選挙では第13代市長の中馬馨が3度目の当選を果たしたが、同年11月に中馬が現職のまま死去して以後、2015年まで大阪市長選挙は統一地方選挙から外れる形で執行されていた。
  2. ^ 自由民主党推薦[11]公明党大阪府本部推薦[2]国民民主党大阪府総支部連合会支持・立憲民主党大阪府連合自主支援・日本共産党大阪府委員会自主支援

出典

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  1. ^ “大阪知事選21日告示 維新VS反維新 ダブル選始まる”. 日本新聞. (2019年3月21日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42739130R20C19A3AC8Z00/ 2019年3月21日閲覧。 
  2. ^ a b “大阪市長選 24日に告示”. NHKニュース. (2019年3月23日). https://web.archive.org/web/20190323155126/https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20190323/0013744.html 2019年3月23日閲覧。 
  3. ^ “大阪ダブル選 共産が自民推薦候補の支援決定”. 産経新聞. (2019年3月18日). https://www.sankei.com/article/20190318-5DKROF777NLYXCE7GZKCRYDJUA/ 2019年3月23日閲覧。 
  4. ^ コラム”. 部落解放同盟_大阪府連合会. 2019年4月3日閲覧。
  5. ^ 市史編纂所管理者. “今日は何の日 4月11日”. 大阪市立図書館ホームページ. 大阪市立図書館. 2019年3月25日閲覧。
  6. ^ “大阪知事、出直しクロス選の意向表明 公明と決裂なら”. 朝日新聞. (2019年3月4日). https://www.asahi.com/articles/ASM3375DCM33PTIL005.html 
  7. ^ “大阪ダブル選 住民不在の党利党略だ”. 朝日新聞. (2019年3月9日). https://www.asahi.com/articles/DA3S13925385.html 
  8. ^ “大阪知事・市長の策略 地方自治への二重の背信”. 毎日新聞. (2019年3月5日). https://mainichi.jp/articles/20190305/ddm/005/070/110000c 
  9. ^ “大阪ダブル選、万博控え関西財界も注視”. 産経新聞. (2019年3月21日). https://www.sankei.com/article/20190321-QL73XJ6BTROCJKM63JCABYNXRM/ 2019年3月21日閲覧。 
  10. ^ “統一地方選挙2019大阪市長選”. NHK. (2019年4月8日). https://mainichi.jp/articles/20190309/ddn/002/010/028000c 2019年4月11日閲覧。 
  11. ^ “大阪市長選が告示、新顔2人届け出 維新と反維新が対決”. 朝日新聞. (2019年3月24日). https://www.asahi.com/articles/ASM3R4QMLM3RPTIL013.html 2019年3月27日閲覧。 
  12. ^ “自民大阪市議団:アドバイザーに柳本顕氏を選任 /大阪”. 毎日新聞. (2015年12月26日). https://mainichi.jp/articles/20151226/ddl/k27/010/377000c 2018年7月20日閲覧。 
  13. ^ “【野党ウオッチ】大阪ダブル選「秒殺劇」を招いた反維新陣営の軽慮浅謀”. 産経新聞. (2019年4月11日). https://www.sankei.com/article/20190411-GQU63O7ZM5K2FD3J5KWIPB5USY/ 2019年4月11日閲覧。 
  14. ^ a b c “大阪ダブル選 都構想の「対案」も争点に 市長選24日告示”. 毎日新聞. (2019年3月23日). https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190323/k00/00m/010/319000c 2019年3月23日閲覧。 
  15. ^ “クローズアップ2019:大阪ダブル選 万博・IRどこへ”. 毎日新聞. (2019年3月9日). https://mainichi.jp/articles/20190309/ddn/002/010/028000c 2019年3月23日閲覧。 

関連項目

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