鬼首地熱発電所
鬼首地熱発電所(おにこうべちねつはつでんしょ)は、電源開発が管理運営する地熱発電所。東北電力を介して地域に電気を供給している。宮城県大崎市の荒雄岳の山麓にあり、鬼首温泉を利用した発電を行っている。
鬼首地熱発電所 | |
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正式名称 | 電源開発株式会社鬼首地熱発電所 |
国 | 日本 |
所在地 | 宮城県大崎市鳴子温泉鬼首字荒雄岳2-5 |
座標 | 北緯38度48分35.5秒 東経140度42分30.2秒 / 北緯38.809861度 東経140.708389度座標: 北緯38度48分35.5秒 東経140度42分30.2秒 / 北緯38.809861度 東経140.708389度 |
現況 | 稼働中 |
運転開始 | 1975年(昭和50年)3月19日 |
事業主体 | 電源開発 |
運営者 | 電源開発 |
開発者 | 電源開発 |
発電量 | |
最大出力 | 19.5MW |
2023-04-02現在 |
概要
編集鬼首カルデラの中心火山である荒雄岳は、山麓の各所に火山ガスや蒸気、温泉や間欠泉の噴出口があり、鬼首温泉と総称されている。このうち南東斜面の標高530メートル付近に噴出する「片山地獄」に鬼首地熱発電所が設けられている。
付近は北上川の支流江合川の水源の1つであり、ここから大深沢を介して鳴子ダムに流入し、大崎平野を貫いて太平洋に流れ下る。片山地獄は当発電所の敷地となっているため、当地で新たに地獄が発生すると、下流の水質への影響を考慮して当発電所が状況報告をしている[1]。
片山地獄には、1885年(明治18年)から1953年(昭和28年)まで硫黄鉱山があり、最盛期には800名が硫黄の精錬にたずさわっていた。
1975年(昭和50年)3月19日に地熱発電所の営業運転が開始された(東北では3番目、全国では4番目に完成)。当初は出力12,500kWであったが、2010年(平成22年)2月5日に15,000kWに増強された[2]。
2010年10月17日に高温の水蒸気が高さ30メートルまで噴出し、作業員1人が死亡、1人が全身に火傷を負う重症で病院に搬送される事故が起きた[3]。
2017年3月末をもって運転を停止し、設備更新工事を行った。そして2023年4月2日から出力14,900kWで営業運転を再開した[4]。更新されたタービン・発電機には鳴子こけしがあしらわれている。
発電設備
編集脚注
編集- ^ 大崎市鳴子温泉字荒雄岳地内での新たな地獄の発生による水質情報について (PDF) (国土交通省東北地方整備局鳴子ダム管理所、電源開発株式会社鬼首地熱発電所。2010年10月14日)
- ^ 電源開発 鬼首地熱発電所 増出力 営業運転開始について
- ^ “鬼首地熱発電所 噴気災害の発生原因と今後の安全対策の報告について” (PDF). 電源開発株式会社 (2011年1月). 2017年1月22日閲覧。
- ^ a b “鬼首地熱発電所の営業運転を開始しました~栗駒国定公園における地熱発電設備の更新を完了し地域とともに運転を~”. 電源開発株式会社 (2023年4月). 2023年5月28日閲覧。
- ^ 電源開発 地熱発電事業