遠藤大地
遠藤 大地(えんどう だいち、1999年〈平成11年〉4月4日 - )は、日本の元陸上競技選手。専門は長距離走。宮城県大崎市出身。
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選手情報 | ||||
ラテン文字 | Daichi Endo | |||
国籍 | 日本 | |||
競技 | 陸上競技 | |||
種目 | 長距離走 | |||
大学 | 帝京大学 | |||
生年月日 | 1999年4月4日(25歳) | |||
生誕地 | ・宮城県大崎市 | |||
身長 | 174 cm | |||
体重 | 58kg | |||
自己ベスト | ||||
5000m | 13分55秒97(2019年) | |||
10000m | 28分34秒88(2018年) | |||
ハーフマラソン | 1時間03分53秒(2020年) | |||
編集 |
来歴
編集中学校・高校時代
編集中学校ではバスケットボール部に所属しており、毎年シーズンオフ時に臨時で陸上部として大会に出場していた[1]。元々走ることは好きではなく、当初はモチベーションこそ高くなかったが、3000メートル競走で宮城県中学校総合体育大会陸上競技大会8位と実績を残していた[1][2]。
高校卒業後に就職を見据えて工業高校である古川工業高校に進み、そこでもバスケをするつもりだったが、古川工業の陸上部の先生から「バスケ部でやるという強い思いがないならうちでやらないか?」と言われ、新しいことに挑戦しようと陸上部に入部した[1]。
高校1年時から県駅伝で1区を担うほどの実力はあったが、2年時まで全国大会とは無縁で、大学進学は諦めようとしていた[2]。
そんな中、高校2年時の秋にチームを見に来た帝京大学の中野孝行監督にスカウトを受け、その時に「がんばったら、箱根を走るチャンスはあるよ」と言われ、「自分も箱根駅伝を目指してもいい立ち位置になったのかな」と思うようになった[1][2]。その思いから親に大学進学を申し出たが、就職してほしいと考えていた親と口論になり、一度は諦めざるを得なかった[1]。
遠藤はその年の冬に5000mで15分切りを果たし、高校3年時に5000mでインターハイに出場したが、結果は14分54秒56で予選敗退だった[1]。しかし、そのインターハイをきっかけに大学から声をかけられる機会が増え[3]、当初は進学に反対していた親も大学進学への背中を押してくれた[1]。
大学時代
編集大学1年時には、ルーキーながら学生3大駅伝全てに出走し、出雲駅伝は1区区間11位、全日本大学駅伝は4区区間3位、箱根駅伝は3区で8人を抜き、順位を14位から6位に上げる区間3位の成績を残した[1]。トラックでは5000mで3度自己ベストを更新し、10000mではこの年のルーキーでは最速となる28分34秒88の自己ベストをマークした[1][2]。6月に行われた全日本大学駅伝関東地区選考会では1組に登場し、2着以下に100m近い差をつけ1位でゴールした[2]。
大学2年時には、5000mで13分55秒97と自己ベストを更新し、その翌週の出雲駅伝では2区区間9位[1]。全日本大学駅伝には出場しなかったが、箱根駅伝で3区区間2位の快走を見せ、森田歩希が保持していた日本人最高記録を3秒上回る1時間1分23秒で走りきった[2]。
大学3年時では、出雲駅伝の中止により全日本大学駅伝が大学駅伝の開幕となり、4区を走ったが、区間12位と苦しみ、順位を5位から11位に下げた[1]。コロナ禍で練習量が極端に減り、駅伝シーズンに入ってもなかなか調子が上がらなかったが[4]、その後火がつき急ピッチで仕上げ[5]、迎えた箱根駅伝では区間4位ながら8人を抜き、チームを2区の14位から6位に上げる好走を見せた[6][7]。
大学4年時には、大学で陸上競技を引退する予定ということを表明した[2]。競技では前季の反省を踏まえ前半戦から例年以上に走り込み[4]、出雲駅伝では2区で区間5位、全日本大学駅伝では3区で区間6位と奮闘した[8]。
そしてラストレースとなった箱根駅伝では、区間4位の走りで2人を抜き5位から3位に順位を上げて4区に襷を渡した[9]。
大学駅伝戦績
編集年度 | 出雲駅伝 | 全日本大学駅伝 | 箱根駅伝 |
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1年生 (2018年度) |
第30回 1区-区間11位 24分00秒[11] |
第50回 4区-区間3位 34分38秒[12] |
第95回 3区-区間3位 1時間2分32秒[13] |
2年生 (2019年度) |
第31回 2区-区間9位 16分46秒[14] |
第51回 ー ー ー 出場なし |
第96回 3区-区間2位 1時間1分23秒[13] |
3年生 (2020年度) |
(開催中止) |
第52回 4区-区間12位 34分56秒[15] |
第97回 3区-区間4位 1時間2分56秒[13] |
4年生 (2021年度) |
第33回 2区-区間5位 16分24秒[16] |
第53回 3区-区間6位 34分28秒[17] |
第98回 3区-区間4位 1時間1分39秒[13] |
人物
編集脚注
編集- ^ a b c d e f g h i j k “帝京大・遠藤大地「気持ちだけでも壊れるまで走ろう」 駅伝こそ大学記録となる結果を”. 4years. 朝日新聞社 (2021年9月2日). 2021年12月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g “【学生長距離Close-upインタビュー】競技人生の集大成を迎える帝京大・遠藤大地「『やりきった』という思いで終われるような1年にしたい」”. 月陸Online. 陸上競技社 (2021年4月17日). 2021年12月27日閲覧。
- ^ “帝京大・遠藤大地3年連続3区挑戦「区間賞が目標」”. 日刊スポーツ. 日刊スポーツ新聞社 (2021年1月1日). 2021年12月31日閲覧。
- ^ a b 陸上競技マガジン編集部 (2021年12月17日). “【箱根駅伝の一番星】“タスキを受けたらフルスロットル”3区のスペシャリスト帝京大・遠藤大地はラストも全力で”. BBM Sports. ベースボール・マガジン社. 2021年12月31日閲覧。
- ^ “「3秒差4位」の悔しさ忘れぬ帝京大、リベンジ誓う73回連続出場の日体大…箱根駅伝 つなぐ<9>”. 読売新聞オンライン. 読売新聞グループ本社 (2020年12月21日). 2021年12月31日閲覧。
- ^ “【箱根駅伝】帝京大3区・遠藤大地 8人抜きで6位浮上「ラスト5キロくらいから徐々に」”. スポーツ報知. 報知新聞社 (2021年1月2日). 2021年12月31日閲覧。
- ^ “帝京大3区遠藤大地 区間4位も8人抜きの好走”. 日刊スポーツ. 日刊スポーツ新聞社 (2021年1月2日). 2021年12月31日閲覧。
- ^ a b “箱根駅伝Stories/競技生活ラストレースに臨む帝京大・遠藤大地「後悔なく、力を出し切りたい」”. 月陸Online. 陸上競技社 (2021年12月23日). 2021年12月31日閲覧。
- ^ “帝京大が過去最高の往路2位!2年連続5区区間賞の細谷翔馬「往路優勝目指していたので悔しさもある」/箱根駅伝”. 月陸Online. 陸上競技社 (2022年1月3日). 2022年1月4日閲覧。
- ^ “「『箱根駅伝をやってきたからです』と答えられる大人になりたい」“3区職人”遠藤大地はなぜ実業団ではなく就職を選んだのか?”. Sports Graphic Number. 文藝春秋 (2022年1月27日). 2022年1月28日閲覧。
- ^ “大会結果【第一区 区間記録】”. 出雲駅伝. 2018年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月31日閲覧。
- ^ “50回全日本大学駅伝成績表” (PDF). 全日本大学駅伝. 2021年12月31日閲覧。
- ^ a b c d “過去の記録|遠藤大地”. 箱根駅伝. 2021年12月31日閲覧。
- ^ “大会結果【第二区 区間記録】”. 出雲駅伝. 2019年10月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月31日閲覧。
- ^ “52回全日本大学駅伝成績表” (PDF). 全日本大学駅伝. 2021年12月31日閲覧。
- ^ “大会結果【第二区 区間記録】”. 出雲駅伝. 2021年12月31日閲覧。
- ^ “53回全日本大学駅伝成績表” (PDF). 全日本大学駅伝. 2021年12月31日閲覧。
- ^ a b “【箱根への道】帝京大・遠藤大地 3年連続快走「3区職人」競技人生ラストランにかける”. スポーツ報知. 報知新聞社 (2012年12月26日). 2021年12月27日閲覧。
- ^ “帝京大・遠藤、箱根駅伝のお守りは3万円サングラス”. 日刊スポーツ. 日刊スポーツ新聞社 (2019年12月19日). 2021年12月31日閲覧。
- ^ “帝京大・遠藤大地、最後の箱根駅伝で狙うは悲願の3区区間賞「箱根で恩返しの走りを」”. 4years. 朝日新聞社 (2021年6月12日). 2021年12月31日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- ENDO Daichi 遠藤 大地 - 帝京大学駅伝競走部、2021年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ