遠別町

北海道天塩郡の町

遠別町(えんべつちょう)は、北海道留萌管内北部(日本海側北西部)にある。日本最北の水田所在地。

えんべつちょう ウィキデータを編集
遠別町
旭温泉(2011年)
遠別町旗 遠別町章
1949年3月29日制定
日本の旗 日本
地方 北海道地方
都道府県 北海道留萌振興局
天塩郡
市町村コード 01486-9
法人番号 3000020014869 ウィキデータを編集
面積 590.80km2
総人口 2,262[編集]
住民基本台帳人口、2024年11月30日)
人口密度 3.83人/km2
隣接自治体 苫前郡羽幌町初山別村
天塩郡天塩町
上川総合振興局中川郡中川町雨竜郡幌加内町
町の木 シラカバ
町の花 ツツジ
他のシンボル -
遠別町役場
町長 國部雅人
所在地 098-3543
北海道天塩郡遠別町字本町3丁目37番地
北緯44度43分21秒 東経141度47分32秒 / 北緯44.72244度 東経141.79228度 / 44.72244; 141.79228座標: 北緯44度43分21秒 東経141度47分32秒 / 北緯44.72244度 東経141.79228度 / 44.72244; 141.79228
外部リンク 公式ウェブサイト

遠別町位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町・村

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遠別町中心部周辺の空中写真。1977年撮影の6枚を合成作成。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

町名の由来

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アイヌ語に由来するが諸説ある。

自然な解とされているものは、「ウェンペッ(wen-pet)」(悪い・川)に由来する、とするものである[1]。同様の語源(wen-pet、あるいはwen-nay)を持つ地名と同様、何が「悪い」のかは不明であるが、幕末・明治の探検家松浦武四郎は「魚類至って少なし[1]」と記している。また、1973年(昭和48年)に国鉄北海道総局が発行した『北海道 駅名の起源』では羽幌線(1987年廃線)「遠別」の由来について「ここの川は水質が悪く、飲めないため[2]」としている。

このほか、永田方正著『北海道蝦夷語地名解』では、山の中に住むアイヌが浜の方に来て、この地のアイヌと語り合うのを楽しみにしているという民間語源による、「ウイェペッ(u-ye-pet)」(相・話する・川)という説が載せられている[1]ほか、「ウエベツ」(二股の川)に由来するという説もある[1]

地理

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隣接している自治体

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人口

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遠別町と全国の年齢別人口分布(2005年) 遠別町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 遠別町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
遠別町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 6,971人
1975年(昭和50年) 5,739人
1980年(昭和55年) 5,375人
1985年(昭和60年) 4,900人
1990年(平成2年) 4,414人
1995年(平成7年) 3,912人
2000年(平成12年) 3,683人
2005年(平成17年) 3,421人
2010年(平成22年) 3,086人
2015年(平成27年) 2,806人
2020年(令和2年) 2,520人
総務省統計局 国勢調査より

消滅集落

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以下の集落は人口0人の消滅集落となっている。

気候

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ケッペンの気候区分によると、遠別町は湿潤大陸性気候に属する。寒暖の差が大きく気温の年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候である。降雪量が多く、周辺の自治体と同様に特別豪雪地帯に指定されている。冬季は-20℃前後の気温が観測されることが珍しくなく、寒さが厳しい。

遠別(1991年 - 2020年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 9.4
(48.9)
12.2
(54)
16.3
(61.3)
25.7
(78.3)
28.1
(82.6)
32.6
(90.7)
33.3
(91.9)
34.2
(93.6)
32.0
(89.6)
24.1
(75.4)
18.8
(65.8)
13.0
(55.4)
34.2
(93.6)
平均最高気温 °C°F −2.2
(28)
−1.5
(29.3)
2.4
(36.3)
8.8
(47.8)
15.2
(59.4)
19.5
(67.1)
23.5
(74.3)
24.6
(76.3)
21.5
(70.7)
14.9
(58.8)
6.9
(44.4)
0.3
(32.5)
11.2
(52.2)
日平均気温 °C°F −5.8
(21.6)
−5.6
(21.9)
−1.4
(29.5)
4.6
(40.3)
10.4
(50.7)
14.8
(58.6)
18.9
(66)
20.0
(68)
16.3
(61.3)
10.2
(50.4)
3.4
(38.1)
−2.8
(27)
6.9
(44.4)
平均最低気温 °C°F −10.5
(13.1)
−11.0
(12.2)
−6.2
(20.8)
−0.1
(31.8)
5.5
(41.9)
10.5
(50.9)
15.0
(59)
15.9
(60.6)
11.3
(52.3)
5.4
(41.7)
−0.1
(31.8)
−6.4
(20.5)
2.4
(36.3)
最低気温記録 °C°F −26.8
(−16.2)
−25.6
(−14.1)
−23.1
(−9.6)
−11.3
(11.7)
−3.7
(25.3)
0.2
(32.4)
5.7
(42.3)
5.5
(41.9)
1.6
(34.9)
−5.0
(23)
−12.8
(9)
−21.9
(−7.4)
−26.8
(−16.2)
降水量 mm (inch) 73.3
(2.886)
52.4
(2.063)
53.1
(2.091)
50.2
(1.976)
68.9
(2.713)
65.0
(2.559)
123.0
(4.843)
142.5
(5.61)
126.0
(4.961)
134.9
(5.311)
129.4
(5.094)
97.4
(3.835)
1,121.9
(44.169)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 19.5 15.4 13.1 10.8 10.5 9.7 10.0 10.7 11.4 15.8 19.2 21.1 167.5
平均月間日照時間 48.6 76.4 129.8 165.8 188.4 160.8 155.9 164.2 170.3 119.8 51.0 28.5 1,461.5
出典1:Japan Meteorological Agency
出典2:気象庁[4]

沿革

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  • 1896年(明治29年)  白幡源太郎が遠別に入植する(遠別町で記録が残っている最初の人物)
  • 1897年(明治30年)  越前団体が入植する(遠別町の開基)
  • 1903年(明治36年)  天塩村(現 天塩町)から分村、天塩郡遠別村
  • 1919年(大正8年)  二級町村制、天塩郡遠別村
  • 1949年(昭和24年)  町制施行、天塩郡遠別町
  • 1952年(昭和27年)4月 町立遠別高等学校が開校
  • 1961年(昭和36年)12月 NHK遠別ラジオ中継放送所が供用開始
  • 1968年(昭和43年)10月 正修地区が解散
  • 1971年(昭和46年)9月 町立遠別中学校現校舎が供用開始
  • 1973年(昭和48年)4月 町立遠別高等学校が道立に移管
  • 1973年(昭和48年)4月 北留萌消防組合が組織され、同消防署遠別支署が設置(本部:羽幌町)
  • 1975年(昭和50年)7月 遠別町健民センター(旭温泉)がオープン
  • 1978年(昭和53年)4月 北海道遠別高等学校から北海道遠別農業高等学校に改称
  • 1988年(昭和63年)6月 B&G遠別海洋センター(プール)がオープン
  • 1988年(昭和63年)11月 役場現庁舎が開庁
  • 1989年(平成元年)6月 カナダ・キャッスルガー市と姉妹都市提携を調印
  • 1991年(平成3年)2月 デイサービスセンター「友愛苑」が開所
  • 1991年(平成3年)4月 特別養護老人ホーム「友愛苑」が開所
  • 1992年(平成4年)8月 レストラン・物産館「とんがりかん」が営業開始(主体:えんべつリゾート開発)
  • 1992年(平成4年)8月 マスコットキャラクター「モモちん」を制定(エゾモモンガ
  • 1993年(平成5年)4月 「とんがりかん」などの一帯が道の駅「富士見」として登録される
  • 1994年(平成6年)11月 本町地区簡易水道浄水場が供用開始
  • 1996年(平成8年)10月 遠別町生涯学習センター「マナピィ・21」が開館
  • 1997年(平成9年) 5月 「NHKのど自慢」の公開収録(遠別町スポーツセンター/開基100年記念事業)
  • 1997年(平成9年) 10月 開基100年記念式典を挙行(生涯学習センター「マナピィ・21」)
  • 1998年(平成10年) 3月 屋内ゲートボール場「すぱーく遠別」が竣工〔主体:(社福)町社会福祉協議会〕
  • 2000年(平成12年) 10月 遠別浄化センターが供用開始および市街地の下水道が順次供用開始
  • 2001年(平成13年) 3月 町立遠別小学校現校舎が供用開始
  • 2001年(平成13年) 7月 遠別町富士見海水浴場(みなくるびーち)が供用開始
  • 2001年(平成13年) 11月 遠別町ふれあいステーション(高齢者交流拠点施設)がオープン
  • 2002年(平成14年) 3月 咲花トンネル(さきはな)竣工により北海道道119号遠別中川線が通年開通
  • 2002年(平成14年) 12月 家庭ごみの分別収集および組合指定ごみ袋の使用義務化による有料化が開始

〔西天北五町衛生施設組合(遠別町・天塩町・幌延町・豊富町・中川町)による〕

  • 2003年(平成15年) 4月 町立国保病院外来患者への薬の院外処方箋の発行開始
  • 2003年(平成15年) 8月 JA遠別がオロロン農業協同組合の発足によりJAオロロン遠別支所に改編(本所:羽幌町)
  • 2004年(平成16年) 2月 西天北4町(天塩町・幌延町・豊富町・中川町)任意合併協議会不参加を決定
  • 2007年(平成19年) 4月 「友愛苑」の運営を指定管理者制度に変更(地方自治法による)
  • 2009年(平成21年) 4月 認定こども園 遠別町幼児センター「きらり」が開所
  • 2011年(平成23年) 5月 「双方向システム(テレビ電話)」の運用開始
  • 2012年(平成24年) 4月 「マナピィ・21」の運営を指定管理者制度に変更(地方自治法による)
  • 2012年(平成24年) 8月 北留萌消防組合消防署遠別支署現庁舎が開庁
  • 2018年(平成30年) 7月 遠別町アクティブシニア多世代拠点交流センター「なごーみ」がオープン
  • 2018年(平成30年) 7月 遠別町公衆浴場が「なごーみ」に移転併設されてオープン              
  • 2019年(令和元年) 8月 遠別町・天塩町共同斎場が供用開始(遠別町字北里)
  • 2020年(令和2年) 1月 レストラン・物産館「とんがりかん」が営業終了し建物は町に無償譲渡
  • 2020年(令和2年) 4月 道の駅が「富士見」から「えんべつ富士見」に改称してリニューアルオープン
  • 2021年(令和3年) 2月 JAオロロン遠別支所がるもい農業協同組合の発足によりJAるもい遠別支所に改編(本所:羽幌町)
  • 2024年(令和6年) 3月 遠別町立国保病院が閉院および遠別町健康管理センターが閉所
  • 2024年(令和6年) 4月 遠別町国民健康保険診療所(有床)が開所
  • 2024年(令和6年) 4月 屋内こども遊戯場・テレワーク施設「とんがりかん」がオープン 
  • 2024年(令和6年) 8月 「ウォッシュプラス えんべつ富士見店」(コインランドリー)がオープン

道の駅 旧さわやかトイレ)

  • 2024年(令和6年) 11月 北留萌消防組合消防署遠別支署初の救急車2台運用を開始

経済

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主要産業は農業、酪農、漁業、林業など。日本最北の水田所在地(清川地区)。

  • 稲作はホクレンから「もち米団地」の指定を受けて、昭和57年にうるち米からもち米への生産転換を図った。これはうるち米の混入を防ぐための生産方式である。

農協・漁協

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金融機関

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郵便局

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公共機関

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国の機関

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  • 林野庁北海道森林管理局留萌北部森林管理署
    • 遠別・西遠別合同森林事務所

道の機関

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警察

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消防

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姉妹都市・提携都市

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  • 福井県越前市神山地区
    • 自治体間での提携には至っていないが、明治30年に遠別町に初めて入植したのが越前市(旧武生市(たけふ)の越前団体であり、さらに調べると神山地区(かみやま)の人々が多数いたことから、平成9年の遠別町開基100年を機に「ゆかりの地」として、民間団体同士で主に小学生の相互交流事業などを行っている。

教育または児童福祉関連機関

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  • 町立の児童福祉施設
  • 町立中学校
    • 遠別中学校


  • 閉園された町立の教育または児童福祉関連機関

交通

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沿岸バス遠別ターミナル
 
道の駅えんべつ富士見(旧写真)

空港

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鉄道

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現在、町内を通る鉄道は存在しない。鉄道を利用する場合の最寄り駅は、JR北海道宗谷本線幌延駅または同本線佐久駅(中川町)。

廃止された鉄道

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かつては、国鉄羽幌線が運行されていたが、1987年(昭和62年)3月29日をもって廃止された。主な駅として、南側から歌越駅、遠別駅、丸松駅があった。

バス

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  • 沿岸バス
    •  一般路線バス(豊富羽幌線および幌延留萌線/旧国鉄羽幌線代替バス)
    •  高速乗合バス(特急はぼろ号)

道路

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名所・観光スポットなど

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  • 旭温泉
  • 富士見ヶ丘公園
  • 遠別川河川公園
  • 金浦原生花園

その他

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  • エゾモモンガの「モモちん」というマスコットキャラクターが、遠別町のホームページに登場している。

出身の有名人

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脚注

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  1. ^ a b c d アイヌ語地名リスト エン~オニシ P21-30P”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
  2. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、110頁。ASIN B000J9RBUY 
  3. ^ 広報えんべつ復刻版Ⅰの900ページ、PRえんべつ昭和43年11.12 10月30日学校関係者・部落民全員が出席のもと正修小中学校閉校、最後まで踏みとどまった3戸もこの冬を前に転住することになり、部落解散のやむなきにいたった。
  4. ^ 遠別 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年12月1日閲覧。

外部リンク

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