要素主義
要素主義(ようそしゅぎ、elementalism、エレメンタリズム)とは、テオ・ファン・ドースブルフが、新造形主義を乗り越えることを目的として、1920年代半ばに主張した美術理論。1920年代半ば以降のデ・ステイルの指導理論ともなった(雑誌「デ・ステイル」において主張された)。
新造形主義の厳格で抑制的・禁欲的な理論は、単純や平板に向う傾向があり、むしろ、実作品において表現等の自由さ・多様性を奪う面は否定できなかった。また、絵画よりも建築を重視するデ・ステイルにおいては、新造形主義(立方体・直方体・非曲面)を徹底することは、特に建築・インテリア・家具において、現実的な困難を伴った。
これらの理由により、新造形主義から距離をおき、それを乗り越えることを目的として、要素主義が主張された。特に、ドースブルフは、「垂直線・水平線」に加えて、「斜線」を導入し、新造形主義に否定的な見解を示したため、ピエト・モンドリアンと決定的に対立し、モンドリアンはデ・ステイルを離れることとなった。
参考文献
編集- デ・ステイル1917-1932展・展覧会カタログ(セゾン美術館、神戸新聞社他、1997年)
- 展覧会が開催された美術館
- 主な出品作家
- テオ・ファン・ドゥースブルク (Theo van Doesburg)
- ピート・モンドリアン (Piet Mondrian)
- バート・ファン・デル・レック (Bart van der Leck)
- フィルモス・フサール (Vilmos Huszár)
- ジョルジュ・ファントンゲルロー (Georges Vantongerloo)
- ハンス・リヒター (Hans Richter)
- ヘリット・トーマス・リートフェルト (Gerrit Thomas Rietveld)
- ロバート・ファント・ホフ (Robert van't Hoff)
- ヤコーブス・ヨハネス・ピーテル・アウト (Jacobus Johannes Pieter Oud)
- ヤン・ウィルス (Jan Wils)
- ピート・ズワルト (Piet Zwart)
- コルネリス・ファン・エーステン (Cornelis van Eesteren)
- 作家解説、デ・ステイル年表、主要参考文献
外部リンク
編集- エレメンタリズム:現代美術用語辞典 - artscape