行李
行李(こうり)とは、竹や柳、籐などを編んでつくられた
柔軟性があり蓋が盛り上がるほど多量に入れることができる[3]。麻縄で結び、あるいは締め皮で締めることもある。つづらと異なり、和紙で補強したり漆などを塗る加工は通常行わない。
数える助数詞は竹や柳で編んだ籠を表す「
種類
編集材質による区分
編集- 柳行李
- 1300年以上の歴史を持つ日本の伝統的工芸品の一種。コリヤナギを編んだもの[2][3]。コリヤナギの枝条を2ないし5時間水に漬け、やわらかくする。これを蓋用、身用に分け、台上で弓竹に張った麻糸の間を1本ずつ枝条の元と先とを交互に並べてその中央部に糸通しをし、左右に編み進める。編むには、指先を用い、上部の枝条を下に、下部の枝条を上にし、両者の間に糸を通す。十字形に編み上げたものは端部を上方に曲げて四隅を縫い合わせ、乾燥し、縁に白、赤または黒の割竹を嵌め、型に製する。全体または所々を籐で締める。高級品はかどに皮、ズックその他を縫いかぶせて堅牢にして、また鞄と同様に皮で結び、錠を掛け提げるものもある。豊岡鞄®︎の原点であり、豊岡市 / 但馬地方の地場産業。
- 竹行李
- ススダケやハコネメダケといった竹を編んだもの[2]。縁竹には苦竹、孟宗竹を用いる。竹は8月から翌年3月ころまでに刈り取り、細くさき、なまのままで編むか、日乾しまたは陰干しまたは硫黄漂白したものを用いる。網代編みにして製することが多く、舛網代、立網代、蘇鉄網代などの種類がある。柳行李よりは外観が劣り、害虫もつきやすいが、きわめて安価で、比較的丈夫である。竹製品のいち品目として輸出された。
渋張行李 ()- 細く裂いた竹を編んだ表に紙を貼り、柿渋を塗ったもの。裏には模様紙または布その他を貼る。外観はよいが、竹の皮を用いず内部で編むものもあり、堅牢ではない。
用途による区分
編集大日本帝国陸軍の行李
編集大日本帝国陸軍の「行李」は、戦場に携行する弾薬、糧秣、器具その他を運ぶ追随部隊の名称である。
「大行李」は、通常は、戦術単位以上の部隊および部隊本部、司令部がこれを有した。その内容は将校の荷物、糧秣その他、宿営給養に必要なものであり、すなわち騎兵破壊器具、工兵隊器具、糧秣、荷物、金櫃、職工具、輜重携行器具、予備蹄鉄、蹄鉄工具、炊具、予備車両、予備輓馬その他である。
「小行李」は、戦術単位以上の戦闘部隊が携行し、その内容は弾薬または作業用器具その他、戦闘に必要なものであり、すなわち通信器材、衛生材料、弾薬、歩兵器具、工兵隊機材、予備車両、予備輓馬その他であった。戦闘行軍には小行李のみが部隊に追随し、大行李は各部隊を合せて遠方を行軍した。大小行李の補給は弾薬または糧食縦列からおこなった。
出典
編集関連項目
編集外部リンク
編集- 〈柳〉自分堂 - 柳行李の製造販売所 / 作品を用いた空間演出やワークショップなども手掛ける。