藤平尚真

日本のプロ野球選手 (1998-)

藤平 尚真(ふじひら しょうま、1998年9月21日 - )は、千葉県富津市出身のプロ野球選手投手[2]。右投右打。東北楽天ゴールデンイーグルス所属。

藤平 尚真
東北楽天ゴールデンイーグルス #46
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 千葉県富津市
生年月日 (1998-09-21) 1998年9月21日(26歳)
身長
体重
185 cm
85 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2016年 ドラフト1位
初出場 2017年6月16日
年俸 4000万円(2025年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム 日本の旗 日本
プレミア12 2024年
獲得メダル
男子 野球
日本の旗 日本
WBSCプレミア12
2024

経歴

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プロ入り前

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富津市立吉野小学校1年の時から野球を始めると、5年の時に出場した第25回全国小学生陸上競技交流大会千葉県選考会では、ソフトボール投げで大会新記録の71m13cmを樹立して優勝。ただし、千葉県代表として出場した全国大会では、68m30cmで18位にとどまった。

小学6年の時、千葉ロッテマリーンズジュニアチームに選抜されるとNPB12球団ジュニアトーナメントで優勝[3]富津市立大貫中学校時代では、千葉市リトルシニアに所属しながら[4]石原彪などと共にU-15日本代表に選抜された[3]。中学3年の時には陸上ジュニアオリンピックにて走り高跳びで優勝し[3]全日本中学校陸上競技選手権大会では2位に入賞している[5]。リトルシニアの1学年上には郡司裕也がいる。

横浜高等学校進学後は、1年の時の春からベンチ入りを果たすと、1年時の秋からエースの座を確保した。2年の時の神奈川大会では決勝まで進んだが、小笠原慎之介吉田凌豊田寛を擁する東海大学付属相模高等学校に敗れ、準優勝。2年の時の秋には神奈川県大会を制したが、関東大会の初戦・常総学院高等学校のU-15代表でチームメイトだった鈴木昭汰との投げ合いに敗れた[6]。3年の時の夏に神奈川県大会を制すると、第98回全国高等学校野球選手権大会初戦の東北高等学校戦で[3]、7回途中まで13奪三振1失点と好投[7]。2回戦で寺島成輝擁する履正社高等学校に敗れたが[8]、2試合通算で13回を投げて、20奪三振、防御率0.69という好成績を残した。大会終了後に開催されたWBSC U-18ワールドカップにも日本代表の一員として出場した[3]。2学年先輩に淺間大基髙濱祐仁渡邊佳明伊藤将司、同学年に石川達也、1学年後輩に増田珠福永奨、2学年後輩に万波中正土生翔太がいる。

2016年度NPBドラフト会議にて東北楽天ゴールデンイーグルスから単独で1巡目指名を受け[3]、契約金1億円、年俸1500万円(金額は推定)で入団[9]背番号は、野村克也が監督を退任した2009年から空番として扱われていた19[10]。入団会見では「チームの中心選手になれるよう気持ちをもってやりたいです」という抱負を述べた[11]

楽天時代

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2017年、春季キャンプを一軍で過ごしながら[12]、公式戦を二軍でスタート。イースタン・リーグ公式戦で開幕から先発で好成績を残していたことを背景に[13]、6月16日の対阪神タイガース戦(阪神甲子園球場)で先発投手として一軍公式戦へのデビューを果たした。7月13日のフレッシュオールスターゲーム静岡県草薙総合運動場硬式野球場)では、イースタン・リーグ選抜の先発投手として好投し優秀選手賞を受賞した[14]。8月22日の対千葉ロッテマリーンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)で再び先発すると、5回を無失点に抑える好投で一軍公式戦初勝利。この年に高卒でNPBの球団に入った新人投手の初勝利一番乗りを果たすとともに[15]、チームの連敗を6で止めた[15]。チームが10連敗で迎えた9月5日の対北海道日本ハムファイターズ戦(富山アルペンスタジアム)でも先発を任され、7回裏に1安打を許しただけの無失点で2勝目を挙げた[16]。このように、先発登板で2度にわたってチームの窮地を救ったことから「連敗ストッパー」と呼ばれるようになった[17]。レギュラーシーズン全体では、一軍公式戦8試合の登板で3勝4敗、防御率2.28を記録。ただし、チームがレギュラーシーズン3位で臨んだクライマックスシリーズでは登板機会がなかった。

2018年、公式戦の開幕から一軍の先発陣に組み込まれると、5月中旬までに一軍公式戦6試合に登板した。しかし、1勝3敗、防御率5.10を記録するほど振るわず、5月14日に出場選手登録を抹消された[18]。抹消後に復調したことに加えて、美馬学が右肘痛の発症で戦線を離れたことを機に、8月上旬から一軍に復帰[18]。復帰後も8試合の先発登板で2勝4敗と黒星が先行したが、10代最後の登板であった9月17日の対ロッテ戦(ZOZOマリン)では、シーズン4勝目を一軍公式戦初完投で挙げた[19]

2019年イースタン・リーグ公式戦19試合に登板すると、リーグの規定投球回に到達。9勝2敗、リーグ最多の3完投・2完封勝利、規定投球回到達者としてはリーグトップの勝率.818と107奪三振、リーグ3位の防御率2.91という好成績で、勝率第1位最多奪三振のタイトルを獲得した。しかし、一軍公式戦での登板はわずか3試合で、0勝1敗、防御率10.38という成績にとどまった。シーズン終了後の12月6日に推定年俸1500万円(300万円減)で契約を更改[20]

2020年、7月26日の対オリックス・バファローズ戦(楽天生命パーク宮城)で同年初登板初先発するも、初回無死二塁の場面で大城滉二への初球となる140km/hの直球がバントの構えをしていた大城の左側頭部付近に直撃。一死も取れずわずか7球で危険球退場となった[21][22][23]

2021年、初めて一軍での登板がなくシーズンを終え、二軍での登板成績も18試合で0勝6敗、防御率7.16に終わった[24]。オフに背番号が19から46に変更された[25]

2022年はリリーフとして開幕一軍入りしたが、4月18日に登録を抹消された。7月18日に先発として一軍に再び登録され、8月21日の対ロッテ戦(楽天生命パーク宮城)で6回途中無失点の好投を見せ1434日ぶりの勝利を挙げた[26]。これまで通算7勝はすべてビジター登板のもので、これが念願の本拠地仙台で初勝利となった[26]

2023年は開幕ローテーション入りを果たし、4月2日の対日本ハム戦(エスコンフィールドHOKKAIDO)に先発し勝利をあげた。シーズン成績は11試合に先発して2勝4敗に終わった。

2024年は中継ぎに定着し、47試合に登板し20ホールド、1セーブ、防御率1.75と飛躍のシーズンとなった。11月に開催されたWBSCプレミア12のメンバーにも選出され、主に勝ちパターンとして8、9回に登板を果たし、チーム最多の6試合を投げ、計6回を被安打4で無失点、12奪三振で奪三振率18.00という圧倒的な成績を残した[27]。11月29日、2550万円増の年俸4000万円で契約更改した[28]

選手としての特徴

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常時145km/h前後の威力があるストレートを投げ[29]、ドラフト指名時点での最速は152km/h[30]。プロ入り後の最速は155km/h[31]

本拠地(宮城球場)登板では成績が悪く、入団から4年間、ビジターゲームで通算7勝を挙げながら、本拠地では通算10試合登板で0勝9敗、防御率6.79だった[32]。しかし、2022年8月21日のロッテ戦でようやく本拠地での初勝利を挙げた[26]

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2017 楽天 8 8 0 0 0 3 4 0 0 .429 176 43.1 30 2 15 0 4 44 0 0 12 11 2.28 1.04
2018 14 14 1 0 0 4 7 0 0 .364 361 81.1 65 17 54 1 3 68 6 1 43 40 4.43 1.46
2019 3 3 0 0 0 0 1 0 0 .000 45 8.2 9 4 7 0 3 6 0 0 10 10 10.38 1.85
2020 1 1 0 0 0 0 0 0 0 ---- 2 0.0 1 0 0 0 1 0 0 0 2 2 ---- ----
2022 8 5 0 0 0 1 0 0 0 1.000 94 22.2 15 0 12 0 0 17 3 0 11 10 3.97 1.19
2023 11 11 0 0 0 2 4 0 0 .333 231 50.2 50 5 27 0 1 42 5 0 35 25 4.44 1.52
2024 47 0 0 0 0 0 1 1 20 .000 182 46.1 29 4 12 2 3 58 3 0 11 9 1.75 0.88
通算:7年 92 42 1 0 0 10 17 1 20 .370 1091 253.0 199 32 127 3 15 235 17 1 119 107 3.81 1.29
  • 2024年度シーズン終了時

WBSCプレミア12での投手成績

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2024 日本 6 0 0 0 1 23 6.0 4 0 0 0 1 12 0 0 0 0 0.00

年度別守備成績

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投手












2017 楽天 8 2 5 1 1 .875
2018 14 1 12 1 0 .929
2019 3 0 0 0 0 ----
2020 1 0 0 0 0 ----
2022 8 0 4 0 0 1.000
2023 11 3 6 1 0 .900
2024 47 2 7 0 1 1.000
通算 92 8 34 3 2 .933
  • 2024年度シーズン終了時

記録

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初記録
投手記録
打撃記録
  • 初打席:2017年6月16日、対阪神タイガース1回戦(阪神甲子園球場)、3回表に岩貞祐太から投前犠打

背番号

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  • 19(2017年 - 2021年)
  • 46(2022年 - )

代表歴

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脚注

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  1. ^ 楽天 - 契約更改 - プロ野球」日刊スポーツ。2024年11月29日閲覧
  2. ^ 中2のリトルシニア時に全国制覇/楽天藤平尚真略歴」日刊スポーツ、2017年8月22日。2017年12月26日閲覧
  3. ^ a b c d e f 【楽天1位】横浜・藤平尚真、単独指名で交渉権獲得」『スポーツ報知』2016年10月20日。2016年10月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月10日閲覧
  4. ^ 藤平尚真(横浜)」日刊スポーツ、2016年10月20日。2022年1月16日閲覧
  5. ^ 編集部コラム「他競技で活躍する陸上競技経験者」」月刊陸上競技、2019年8月23日。2022年1月16日閲覧
  6. ^ 横浜夏切符!藤平粘投“弟分”増田2発援護/神奈川」日刊スポーツ、2016年8月1日。2022年1月16日閲覧
  7. ^ 横浜 対 東北」日刊スポーツ。2022年1月16日閲覧
  8. ^ 横浜 対 履正社」日刊スポーツ。2022年1月16日閲覧
  9. ^ 楽天ドラ1藤平が合意 背番号19はマー君超え意図 - 野球」日刊スポーツ、2016年11月8日。2017年5月8日閲覧
  10. ^ 楽天ドラ1藤平 背番号「19」 「いずれ」はマー背番「18」を」『スポニチアネックス』2016年11月8日。2016年11月10日閲覧
  11. ^ 楽天 藤平ら入団会見「チームの中心選手に」 地震で一時は会見中止も検討」『スポーツニッポン』2016年11月22日。2016年11月23日閲覧
  12. ^ 楽天藤平「すごくフレンドリー」松井裕と宿舎同部屋」『日刊スポーツ』2017年1月30日。2019年2月11日閲覧
  13. ^ 楽天ドラフト1位藤平、5月に一軍デビューへ 先発6番手」『日刊スポーツ』2017年4月25日。2019年2月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月27日閲覧
  14. ^ プロ野球フレッシュオールスターゲーム2017表彰選手」日本野球機構。2022年1月16日閲覧
  15. ^ a b c 楽天・藤平 救世主プロ1勝 高卒新人一番星で連敗止めた」『スポーツニッポン』2017年8月23日。2018年1月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年2月11日閲覧
  16. ^ 則本から託された思い…18歳楽天・藤平 気迫109球「納得の投球です」」『スポーツニッポン』2017年9月6日。2017年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年2月11日閲覧
  17. ^ 楽天・藤平尚真投手 エースの背中を見て/2018年期待度NO.1」『週刊ベースボール』2018年1月15日。2019年2月11日閲覧
  18. ^ a b 蘇った藤平の直球を見よ!9日に日本ハム戦先発/東北スポーツ」『サンケイスポーツ』2018年8月7日。2022年1月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月27日閲覧
  19. ^ a b 楽天藤平クイック投球でプロ初完投「成長の証し」」『日刊スポーツ』2018年9月17日。2019年2月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月27日閲覧
  20. ^ 楽天藤平300万円減 心機一転で岸と合同自主トレ」『日刊スポーツ』2019年12月6日。2019年12月6日閲覧
  21. ^ 楽天藤平が7球で危険球退場 大城の頭部に直撃」『日刊スポーツ』2020年7月26日。2020年7月26日閲覧
  22. ^ 楽天藤平、今季初登板も1死も取れず7球で危険球退場 オリ大城の頭部に140キロが直撃」『Full-Count』2020年7月26日。2020年7月26日閲覧
  23. ^ オリックス・大城 左側頭部付近に死球、担架で運ばれ病院直行 会話できる状態」『Sponichi Annex』2020年7月26日。2020年7月26日閲覧
  24. ^ 2021年度 東北楽天ゴールデンイーグルス 個人投手成績(イースタン・リーグ)」NPB.jp 日本野球機構。2021年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月27日閲覧
  25. ^ 楽天、5選手の背番号変更を発表 16年ドラ1藤平が「19」から「46」に」『Full-Count』株式会社Creative2、2021年11月18日。2021年11月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月18日閲覧
  26. ^ a b c 楽天・藤平尚真が1434日ぶり白星 今季4度目の先発で6回途中無失点 本拠地では初勝利」『スポーツニッポン』2022年8月21日。2024年4月11日閲覧
  27. ^ 侍ジャパン・藤平尚真「成長させてもらえた。もっと上を」 6試合で防御率0.00、奪三振率18.00」『Sponichi Annex』2024年11月24日。2024年11月26日閲覧
  28. ^ 侍ジャパンで大ブレークの楽天・藤平 2550万円増の年俸4000万円でサイン「凄く高い評価」 - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2024年11月29日閲覧。
  29. ^ プロ最小の3登板に終わった藤平尚真(東北楽天)、4年目は大ブレイクのシーズンにできるか?」『高校野球ドットコム』2019年11月3日。2020年7月26日閲覧
  30. ^ 横浜・藤平尚真らがプロ志望届 最速152キロ右腕」『日刊スポーツ』2016年10月4日。2020年7月26日閲覧
  31. ^ https://full-count.jp/2024/09/03/post1610684/
  32. ^ 楽天4年目の藤平は本拠地初白星なるか/パ見どころ」『日刊スポーツ』2020年7月26日。2020年7月26日閲覧
  33. ^ 2017年8月22日 【公式戦】 試合結果 (千葉ロッテvs東北楽天)」NPB.jp 日本野球機構。2021年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月27日閲覧
  34. ^ 2018年9月17日 【公式戦】 試合結果 (千葉ロッテvs東北楽天)」NPB.jp 日本野球機構。2021年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月27日閲覧

関連項目

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外部リンク

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