茅台酒
茅台酒(マオタイしゅ、貴州茅台酒、Maotai、Moutai)は、中華人民共和国貴州省特産の高粱(カオリャン、蜀黍、モロコシ)を主な原料とする蒸留酒。白酒の一つで、世界三大蒸留酒の一角に数えられる(他はスコッチウイスキー、コニャックブランデー)[要検証 ]。強い芳香があり、飲み干した杯にもなお香りが残る[1]。名前は産地の茅台(貴州省北西部仁懐市茅台鎮)に由来する。
茅台酒 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 茅臺酒 |
簡体字: | 茅台酒 |
拼音: | Máotáijĭu |
注音符号: | ㄇㄠˊ ㄊㄞˊ ㄐ|ㄡˇ |
発音: | マオタイジュウ |
製造
編集地元産高梁と、長江支流である赤水河の水を用いる。高温多湿な気候を利用しつつ、原料の蒸しと発酵、蒸留を繰り返す「九蒸八酵七取酒」により造った酒を3年以上寝かせ、調整・配合を経て再び寝かせる。全工程は5年近くかかる[1]。ワインなどのように古酒もある。
歴史と現状
編集こうした製法は400年以上続けられている[1]。茅台酒の生産が始まったのは清代中頃からで、嘉慶・道光年間には20余家が茅台酒を造り、原料として2万石以上の高梁が使われるとの記録が残る(『遵義府史』)が、太平天国の乱によって古くからの酒蔵は破壊された。
この酒は1915年に開催されたサンフランシスコ万国博覧会で金賞を受賞。田中角栄訪中時の宴席など、国家的政治イベントや外国の賓客を招いたパーティーなどでは必ず供され、事実上の「国酒」扱いをされてきたが、貴州茅台酒が2001年から2019年までの間に「国酒」の商標登録を9回申請した際にはすべて却下されている[2]。
そのため、商標を真似た類似酒や偽物が多数出回っており、実際の生産量の倍以上の偽物が流通していると言われている。メーカーでも、ホログラムや製造履歴が確認できるICタグなどの対策を打ち出している[3]。
現行の主要商品ではアルコール度数は53%[1]。かつては65%であったが、近年35〜47%に下げられている。 飲み過ぎても二日酔いせず、むしろ適度の飲用は健康に良いとされる。周恩来は風邪を引いても薬は飲まず、茅台酒を飲んで治した。
脚注・出典
編集- ^ a b c d 【インタビュー最前線】日和商事株式会社 黄曜東社長/茅台酒、味守る伝統の技『毎日新聞』朝刊2019年2月4日(経済面)2019年2月6日閲覧。
- ^ 「国酒」ブランドを諦めた茅台酒、生き残りへの道 東方新報/AFPBB News 2019年7月9日
- ^ 中国・偽物対策強化で成長を NHK 国際報道2017