聖の青春
日本のノンフィクション小説、映画、演劇
『聖の青春』(さとしのせいしゅん)は、将棋棋士・村山聖を題材とした、大崎善生の2000年のノンフィクション小説。及びその映像化作品。また演劇台本ともなり、何度か舞台上演されている。
聖の青春 | ||
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著者 | 大崎善生 | |
発行日 |
2000年2月18日 2002年5月7日(講談社文庫) 2003年4月15日(青い鳥文庫) 2015年6月20日(角川文庫、電子書籍各社) 2016年10月15日(角川つばさ文庫、電子書籍各社) | |
発行元 |
講談社 KADOKAWA | |
ジャンル | ノンフィクション | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 四六判、文庫本、電子書籍 | |
ページ数 |
336(ハードカバー、青い鳥文庫) 424(講談社文庫) 432(角川文庫) 288(角川つばさ文庫) | |
公式サイト | http://satoshi-movie.jp/ | |
コード |
ISBN 978-4-06-210008-3 ISBN 978-4-06-273424-0(講談社文庫) ISBN 978-4-06-148614-0(青い鳥文庫) ISBN 978-4-04-103008-0(角川文庫) ISBN 978-4-04-631659-2(角川つばさ文庫) | |
ウィキポータル 文学 | ||
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概要
編集幼くして患った難病と闘いながら、純粋に将棋に没頭し、29歳の若さで早世した将棋棋士・村山聖の生涯をつづったノンフィクション。
大崎のデビュー作であり、第13回新潮学芸賞、第12回将棋ペンクラブ大賞を受賞した。また、講談社文庫版が、2012年に、第二回広島本大賞を受賞。友人が育てていたノンフィクション・ライターが病気で急逝し、その物語の書き手にフィットする人が見つからず、その友人が漏らした「大崎さんが書いてくれるとええんやけどなあ」の一言が転機となり[1]、当時日本将棋連盟出版部に勤めていた大崎が執筆を引き受けた。
テレビドラマ
編集聖の青春 | |
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ジャンル | ノンフィクション |
原作 | 大崎善生 |
脚本 |
高木凛 今野勉 |
監督 | 今野勉 |
演出 |
平尾裕彦 井上英司 合津直江 |
出演者 |
藤原竜也 渡辺いっけい 金久美子 寺島進 八嶋智人 内田朝陽 小林稔侍 |
国・地域 | 日本 |
言語 | 日本語 |
話数 | 1話 |
製作 | |
制作 |
テレビマンユニオン RCC TBS |
放送 | |
放送局 | TBS系 |
公式ウェブサイト |
2001年1月6日、新春スペシャルドラマとしてTBS系列で全国放送された。制作は村山の出身地である広島県の中国放送(RCC)と、TBS・テレビマンユニオンの3社が共同で行った。
著者の大崎と親交があったテレビマンユニオンの元会長・萩元晴彦が本作にほれ込み、出版元の講談社と直談判して映像化権を獲得、テレビドラマ化が実現した[2]。本作はテレビプロデューサーであった萩元の遺作となった。
キャスト
編集- 村山聖 - 藤原竜也
- 村山伸一 - 渡辺いっけい
- 村山トミコ - 金久美子
- 森信雄 - 小林稔侍
- 大崎善生 - 寺島進
- 仙田 - 八嶋智人
- 加藤 - 内田朝陽
- 尾崎勇仁
- 滝浦文隆
- 内海卓哉
- 今関愛美
- 森下哲夫
- でんでん
- 尾上紫
- 飛田航介
- 中上ちか
- 大鷹明良
- 翁筆栄
- 梅田凡和
- 菊池均也
- 岸本功
- 山田洋
- 児玉徹
- 矢吹俊吉
スタッフ
編集映画
編集聖の青春 | |
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Satoshi: A Move for Tomorrow | |
監督 | 森義隆 |
脚本 | 向井康介 |
原作 | 大崎善生 |
出演者 |
松山ケンイチ 東出昌大 リリー・フランキー 竹下景子 染谷将太 安田顕 柄本時生 北見敏之 筒井道隆 |
音楽 | 半野喜弘 |
主題歌 |
秦基博 「終わりのない空」 |
撮影 | 柳島克己 |
編集 | 佐藤崇 |
製作会社 | 「聖の青春」製作委員会 |
配給 | KADOKAWA |
公開 | 2016年11月19日 |
上映時間 | 124分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 3億6600万円(見込み)[3] |
2016年11月19日公開。第29回東京国際映画祭クロージング作品[4]。
村山を演じた松山ケンイチ、羽生善治を演じた東出昌大それぞれの役作りなどが話題となった(松山の周囲が危惧するほどの体重増量[5]、東出の羽生善治を研究尽くした所作、たたずまい[6])。
キャスト
編集- 村山聖 - 松山ケンイチ
- 羽生善治 - 東出昌大
- 森信雄(聖の師匠) - リリー・フランキー
- 聖の母・トミ子 - 竹下景子
- 弟弟子・江川貢(奨励会を年齢制限で退会する。モデルは二段で退会した、指導棋士・観戦記者の加藤昌彦。加藤は聖より先輩であり小林健二門下である。) - 染谷将太
- 東京にきた聖をサポートするベテランのプロ棋士・橘正一郎(モデルは滝誠一郎) - 安田顕
- 東京にきた聖と交流する同世代のプロ棋士・荒崎学(モデルは先崎学) - 柄本時生
- プロ棋士・谷川浩司 - 野間口徹
- ベテラン棋士・井守鶏三 - 遠藤たつお
- ベテラン棋士・田中章道 - 矢嶋俊作
- 聖の父・伸一 - 北見敏之
- 「東京の師匠」として村山を支える将棋連盟の職員・将棋雑誌編集長・橋口(モデルは原作者の大崎自身) - 筒井道隆
- 大盤解説会聞き手・本人役 - 山口恵梨子
- カメオ出演:山崎隆之、田丸昇、中村真梨花
- 看護婦 - 明星真由美
- 路上に倒れていた聖を助ける男(三谷工業勤務) - 中本賢
- 村山が通う大阪の古書店店員 - 新木優子
- 聖の子供時代 - 込江大牙
- 聖の後援会会員 - 野添義弘
- 聖の膀胱がんを診断する医師・敷島健介 - 鶴見辰吾
スタッフ
編集- 原作 - 大崎善生
- 監督 - 森義隆
- 脚本 - 向井康介
- 将棋監修 - 金井恒太、伊藤真吾、藤倉勇樹
- 音楽 - 半野喜弘
- 主題歌 - 秦基博「終わりのない空」[7]
- 撮影 - 柳島克己
- 照明 - 根本伸一
- 録音 - 白取貢
- サウンドエフェクト - 北田雅也
- 編集 - 佐藤崇
- 美術 - 安宅紀史
- 装飾 - 谷田祥紀
- VFX - NTTメディアラボ、アネックスデジタル
- 医療監修 - 堀江重郎
- 看護監修 - 依田茂樹
- スタジオ - 角川大映スタジオ、東宝スタジオ
- ラボ - IMAGICA
- 企画 - 菊池剛、滝田和人(株式会社グラスホッパー)
- プロデューサー - 野副亮子、武田吉孝、永井拓郎
- エグゼクティブプロデューサー - 井上伸一郎
- 特別協力 - 日本将棋連盟、村山伸一、村山トミ子[注 1]、森信雄
- 制作協力 - WOWOW
- 製作プロダクション - RIKIプロジェクト
- 配給 - KADOKAWA
- 製作 -「聖の青春」製作委員会(KADOKAWA、日本映画投資、朝日新聞社、電通、WOWOW、RIKIプロジェクト、日本経済新聞社、毎日新聞社)
受賞歴(映画)
編集- 第31回高崎映画祭 最優秀監督賞(森義隆)
- 第71回毎日映画コンクール[8]
- 脚本賞(向井康介)
- 録音賞(白取貢)
- 第40回日本アカデミー賞
- 優秀主演男優賞(松山ケンイチ)
- 優秀助演男優賞(東出昌大)
主なロケーション場所
編集脚注
編集注釈
編集- ^ ともに村山聖の両親
出典
編集- ^ p.91「転機にならないから結婚する」大崎善生『傘の自由化は可能か』2006年、角川書店
- ^ p.75「『親友』が遺した言葉」大崎『傘の自由化は可能か』2006年、角川書店
- ^ 『キネマ旬報 2017年3月下旬号』p.42
- ^ “東京国際映画祭クロージング作品「聖の青春」に決定、アニソンのイベントも開催”. 映画ナタリー. (2016年8月23日) 2016年8月23日閲覧。
- ^ “松山ケンイチ、役作りで過酷な増量…『聖の青春』で羽生善治と並び称された早世の天才棋士に”. シネマトゥデイ. (2016年2月3日) 2017年10月7日閲覧。
- ^ “東出昌大、映画『聖の青春』で羽生善治役! 役作りと本物メガネで「瓜二つ」”. マイナビニュース. (2016年6月17日) 2017年10月7日閲覧。
- ^ “秦基博、“西の怪童”と呼ばれた棋士の一生描く「聖の青春」に主題歌提供”. 音楽ナタリー. (2016年9月2日) 2016年9月2日閲覧。
- ^ “毎日映画コンクールで「シン・ゴジラ」が大賞ほか3冠獲得、「君の名は。」は2冠”. 映画ナタリー. (2017年1月19日) 2017年1月19日閲覧。