翻刻
翻刻(ほんこく)とは、古文書・古典籍・石碑などに残された古い時代の文字を読み取り、活字化(テキスト化)することである[1]。
または単に既存の文書・書籍の内容をそのままに再印刷・出版すること[2]。この場合、出版先は、活版本だけでなく、文字通りの刻む本、つまり木版本なども含まれる。また、石碑の内容を写した別の石碑を建てる場合にも翻刻の語は使われる。
大会
編集古文書解読コンテスト
編集2024年、長野県の伊那市立高遠町図書館で、古文書を翻刻する第1回古文書解読コンテストが行われた。運営には、伊那市、オンラインプラットフォーム「みんなで翻刻」、学術資料の保存を行う合同会社AMANEの3組織が包括連携協定を結んで設置した古文書読解コンテスト事務局が執り行った。2024年10月5日‐2025年1月末の4か月間をオンライン上で、高遠藩主内藤家の資料561点、岩崎家の資料273点の計834点の翻刻が行われた。全国の歴史愛好家ら111人が参加し158万1408文字の活字化が行われた。翻刻文字数、添削文字数、正確性を基に専門家チームが協議し優勝者が決定した[3][4][5]。
ヴェスヴィオ・チャレンジ
編集2023年にオンライン上で開催され12月31日に締め切られた。西暦79年のヴェスヴィオ火山噴火で炭化しているヘルクラネウム・パピルスの3D・X線データを人工知能(AI)に読み込ませるチャレンジが行われた。元GitHubのCEOナット・フリードマンの発案で行われた。イギリス・フランス・イタリアのパピルス学者による添削の結果から優勝チームに賞金が贈られた[6][7][8]。
脚注
編集- ^ 橋本雄太 (2020-11-01). “AI文字認識とクラウドソーシングを組み合わせた歴史資料の大規模テキスト化”. 人工知能 Vol.35 No.6(2020年11月号) (人工知能学会): 754 2023年3月2日閲覧。.
- ^ 水野錬太郎 (1899). 著作権法要義. 明法堂. p. 11 2023年3月2日閲覧. "翻刻とは文書図書を其の儘に模写印刷するの謂にして"
- ^ “伊那の古文書を「翻刻」 コンテスト通じ158万文字を現代語に活字化”. 伊那経済新聞. 2025年3月18日閲覧。
- ^ “旧高遠藩の貴重な古文書解読、全国の愛好家が競う 伊那市教委が初のコンテスト、439点の計158万字を翻刻|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト”. 信濃毎日新聞デジタル (2025年3月10日). 2025年3月18日閲覧。
- ^ “古文書「翻刻」し解読 長野・伊那でコンテスト”. 読売新聞オンライン (2025年2月24日). 2025年3月18日閲覧。
- ^ “火山噴火で黒焦げになった古代ローマの巻物をAIで解読するコンテスト「ヴェスヴィオ・チャレンジ」の優勝チームが発表される - GIGAZINE”. gigazine.net (2024年2月6日). 2025年3月18日閲覧。
- ^ “ベスビオ火山噴火で炭化した巻物、文章を初めて解読 断層撮影やAI駆使”. CNN.co.jp. 2025年3月18日閲覧。
- ^ “黒焦げ古文書解読レース ヴェスヴィオ・チャレンジ”. 日経サイエンス一般読者向けの月刊科学雑誌「日経サイエンス」のサイトです。. 2025年3月18日閲覧。