糸満ハーレー
糸満ハーレー(いとまんハーレー)は、沖縄県糸満市糸満の糸満漁港中地区で毎年旧暦5月4日(5月下旬~6月頃)に行われる行事である。秋の十五夜(旧暦8月15日)に行われる糸満大綱引と並ぶ、糸満市の伝統行事のひとつである。
糸満ハーレー | |
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糸満ハーレー | |
イベントの種類 | 祭り |
開催時期 | 旧暦5月4日 |
会場 | 糸満漁港中地区 (沖縄県糸満市糸満) |
ハーレーは約600年前に中国から伝わったとされており、爬竜船(はりゅうせん)を漕ぎ競い合うことで航海の安全や豊漁を祈願するものである。当日は糸満以外でも沖縄県内各地でおこなわれている。
他の地域ではハーレーシーズンの日曜日や祝祭日に催し、観光化するところが増えつつあるが、糸満ハーレーは神事性を重んじるため伝統通り旧暦の5月4日に行う。(那覇市では那覇ハーリーとしてゴールデンウィークの新暦5月3日~5日に行われる)
シーズンの幕開け
編集ハーレーシーズンの幕開けは、一週間前(旧暦の4月27日)に港を見下ろす糸満市町端区の高台山巓毛(さんてぃんもう)で早朝5時にハーレー鉦(かね)を打ち鳴らし、時期の到来を人々に知らせる。そして当日の朝に山巓毛に南山ノロ・糸満ノロをはじめ、根神、糸満にある門中の世話人、ハーレーに参加する三村(西村・中村・新島)の代表者たちが一堂に集まり御願(ウガン)をする。この御願が済むと港では、ハーレーの行事の開始となる。
地元では「ハーレーの鉦が鳴ると梅雨が明ける」という言伝えがある(大会が行われるのは梅雨の中盤~末期と毎年異なる)。
ハーレーの名称
編集沖縄県内では一般的に「ハーリー」と呼ばれているが、方言の大切さと伝統を重んじる糸満では、漁業のまちらしく行事本来の名称である「ハーレー」を使用している。一時期「爬龍船行事」「海神祭」と呼んでいた時期もあったが、昭和52年、伝統を重んじ「糸満ハーレー」に戻している。糸満海人(ウミンチュ=漁師)の血を引く隣町の八重瀬町港川や、県外では徳之島でも「ハーレー」と称して行事を行っている。
主な内容
編集御願(うがん)バーレー
編集漁協組合青年部による神事性を重んじる競漕。勝った順に白銀堂に詣でて、一年間の大漁祈願と航海安全祈願を行う。(850m)
青年バーレー
編集次代を担う青年層を育成する競漕。(850m)
クンヌカセー(転覆競漕)
編集レースの途中で一斉に舟を転覆させ、泳ぎながら舟を元に戻し再び乗り込んで競漕する。糸満独自の操船技術を競う競漕形態。(※参照)(850m)
アガイスーブ
編集種目の最後に行われる競漕で、各村のよりすぐれた漕ぎ手が出場する。距離も長く糸満ハーレー行事のハイライト。(2,150m)
その他
編集以上の4つが糸満ハーレーの中心となる競漕で、他に、
- アヒル取り
- 職域ハーレー
- 中学・高校・教員・対抗競漕
- 門中ハーレー
などがある。
運営
編集糸満ハーレー行事委員会