第2戦車連隊
陸上自衛隊の部隊
第2戦車連隊(だいにせんしゃれんたい、JGSDF 2nd Tank Regiment)は、北海道空知郡上富良野町の上富良野駐屯地に駐屯する、陸上自衛隊第2師団隷下の機甲科連隊である。
第2戦車連隊 | |
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第4中隊の10式戦車 | |
創設 | 1995年(平成7年)3月28日 |
所属政体 | 日本 |
所属組織 | 陸上自衛隊 |
部隊編制単位 | 連隊 |
兵科 | 機甲科 |
所在地 | 北海道 空知郡上富良野町 |
編成地 | 上富良野 |
上級単位 | 第2師団 |
担当地域 | 道北 |
概要
編集1995年(平成7年)3月に第2戦車大隊を改編して編成された。連隊長は1等陸佐が充てられ、連隊本部、本部管理中隊と4個戦車中隊から成る。また、連隊長は上富良野駐屯地司令を兼務している[1]。
なお、陸上自衛隊に置かれている戦車連隊としては第7師団(機甲師団)に属する3個戦車連隊を除けば本連隊が唯一のものである。
部隊マークは、ローマ字の"Ⅱ"に稲妻にデザインされた中隊ナンバーを組み合わせている。本部管理中隊は、アルファベットの"S"を意匠化している。
沿革
編集第2特車大隊
第2戦車大隊
- 1962年(昭和37年)1月18日:第2戦車大隊に称号変更(4個戦車中隊基幹)。
- 1967年(昭和42年)6月17日:61式戦車が配備。
- 1976年(昭和51年)8月21日:74式戦車が配備。
- 1988年(昭和63年)3月25日:74式戦車が10両増備され、各中隊が3個小隊編成から4個小隊編成に改編。
- 1991年(平成 3年)3月29日:戦車北転事業により、方面隊直轄の独立戦車中隊として第316戦車中隊が上富良野に新編(方面直轄として新編後、部隊運用の関係上、第2戦車大隊隷属扱いで配置)[注釈 1]。
第2戦車連隊
- 1995年(平成 7年)3月28日:第2戦車大隊が廃止。第2戦車連隊が新編。第316戦車中隊を吸収し6個戦車中隊(増強する要員の一部に同年3月廃止の第9普通科連隊の一部人員を配置換)として、新たに自衛隊旗が授与された。
- 2000年(平成12年)3月28日:第6戦車中隊をコア化。教育中隊として運用。
- 2002年(平成14年)9月26日:90式戦車が配備。
- 2008年(平成20年)3月26日:後方支援体制変換に伴い、整備部門を第2後方支援連隊第2整備大隊戦車直接支援中隊へ移管。
- 2013年(平成25年)11月22日:第4戦車中隊に10式戦車が配備。
- 2014年(平成26年)3月26日:北部方面混成団の改編に伴い第6戦車中隊(コア部隊)を廃止。第4戦車中隊以外は、90式戦車と74式戦車混合運用となる。
- 2023年(令和5年)
- 3月15日:部隊改編。
- 3月16日:4個戦車中隊編成に改編。
- 2024年(令和 6年)3月21日:第4特科群廃止に伴い、上富良野駐屯地司令職を継承[1]。
警備隊区
編集警備隊区は上富良野町および占冠村[5]。上富良野駐屯地司令職(指定部隊の長)として、第14施設群、第3地対艦ミサイル連隊への災害派遣指揮を行う。
部隊編成
編集整備支援部隊
編集主要幹部
編集官職名 | 階級 | 氏名 | 補職発令日 | 前職 |
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第2戦車連隊長 兼 上富良野駐屯地司令 |
1等陸佐 | 水谷清隆 | 2022年 ※2024年3月21日 駐屯地司令兼務発令 |
3月14日陸上幕僚監部防衛部防衛課勤務 |
代 | 氏名 | 在職期間 | 前職 | 後職 |
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1 | 塩田鹿三 | 1954年 | 9月25日 - 1956年 1月26日||
2 | 瀬能醇一 | 1956年 | 1月27日 - 1958年 8月31日||
3 | 木村元岳 | 1958年 | 9月 1日 - 1959年 3月30日||
4 | 山崎重武 | 1959年 | 3月31日 - 1962年 7月31日陸上自衛隊富士学校勤務 | |
5 | 薗崇久 | 1962年 | 8月 1日 - 1965年 7月15日第2戦車大隊副大隊長 | 第13師団司令部監察官 |
6 | 菊池一夫 (3等陸佐) |
1965年 ※1966年7月1日 2等陸佐昇任 |
7月16日 - 1968年 3月15日第2戦車大隊勤務 | 陸上自衛隊富士学校勤務 |
7 | 本村初義 | 1968年 | 3月16日 - 1970年 3月15日第8師団司令部勤務 | 第8師団司令部第1部長 |
8 | 荒井和彦 | 1970年 | 3月16日 - 1972年 7月16日陸上自衛隊幹部候補生学校勤務 | 陸上自衛隊富士学校勤務 |
9 | 越智信夫 | 1972年 | 7月17日 - 1974年 7月15日陸上自衛隊富士学校付 | 第2師団司令部第1部長 |
10 | 斉藤正昭 | 1974年 | 7月16日 - 1976年 8月 8日旭川駐屯地業務隊勤務 | 第5師団司令部監察官 |
11 | 冨澤暉 | 1976年 | 8月 9日 - 1978年 8月 2日陸上幕僚監部第1部勤務 | 陸上幕僚監部付 |
12 | 天野亮介 | 1978年 | 8月 3日 - 1981年 3月15日帯広駐屯地業務隊勤務 | 陸上自衛隊富士学校勤務 |
13 | 遠藤十二郎 | 1981年 | 3月16日 - 1983年 3月15日陸上自衛隊富士学校勤務 | 陸上自衛隊富士学校勤務 |
14 | 久保善昭 | 1983年 ※1984年7月1日 1等陸佐昇任 |
3月16日 - 1985年 3月15日陸上幕僚監部装備部装備計画課勤務 | 第11師団司令部第3部長 |
15 | 岩猿進 | 1985年 ※1987年7月1日 1等陸佐昇任 |
3月16日 - 1987年 7月31日陸上幕僚監部人事部補任課勤務 | 陸上幕僚監部付 |
16 | 木元寛明 | 1987年 ※1989年7月1日 1等陸佐昇任 |
8月 1日 - 1989年 7月31日陸上幕僚監部教育訓練部教育課勤務 | 上富良野駐屯地業務隊付 |
17 | 河村治敎 | 1989年 | 8月 1日 - 1991年 7月31日陸上自衛隊富士学校勤務 | 陸上自衛隊富士学校勤務 |
18 | 佐藤法夫 | 1991年 | 8月 1日 - 1993年 8月 3日陸上幕僚監部教育訓練部訓練課 | |
未 | 木本隆文 | 1993年 | 8月 4日 - 1995年 3月27日陸上自衛隊富士学校勤務 | 陸上自衛隊富士学校勤務 |
代 | 氏名 | 在職期間 | 前職 | 後職 |
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1 | 坂元順一 | 1995年 | 3月28日 - 1997年 6月30日北部方面総監部防衛部訓練課長 | 東北方面総監部人事部長 |
2 | 岩丸勇 | 1997年 | 7月 1日 - 1999年 7月30日西部方面総監部防衛部訓練課長 | 自衛隊長野地方連絡部長 |
3 | 荒川龍一郎 | 1999年 | 8月 1日 - 2001年 1月10日陸上幕僚監部人事部補任課 人事第1班長 |
陸上幕僚監部防衛部運用課長 |
4 | 久納雄二 | 2001年 | 1月11日 - 2002年 7月31日陸上幕僚監部装備部装備計画課 後方計画班長 |
統合幕僚会議事務局第3幕僚室 教育訓練調整官 |
5 | 塩崎敏譽 | 2002年 | 8月 1日 - 2004年 8月29日陸上幕僚監部装備部装備計画課 後方計画班長 |
東北方面総監部防衛部長 |
6 | 島内哲哉 | 2004年 | 8月30日 - 2006年 8月 3日統合幕僚会議事務局第5幕僚室 長期班長 |
北部方面後方支援隊副隊長 |
7 | 渡部誠司 | 2006年 | 8月 4日 - 2008年 3月31日西部方面総監部防衛部防衛課長 | 陸上自衛隊研究本部主任研究開発官 |
8 | 滝澤博文 | 2008年 | 4月 1日 - 2009年12月14日中央即応集団司令部幕僚副長 | 陸上自衛隊研究本部主任研究開発官 |
9 | 小和瀬一 | 2009年12月15日 - 2011年 | 4月26日陸上幕僚監部人事部人事計画課 企画班長 |
陸上幕僚監部監理部総務課 庶務室長 |
10 | 森茂也 | 2011年 | 4月27日 - 2012年 7月31日第7師団司令部第3部長 | 陸上自衛隊富士学校機甲科部 教育課長 |
11 | 荒井正芳 | 2012年 | 8月 1日 - 2013年11月17日統合幕僚監部運用部運用第1課 防衛警備班長 |
陸上幕僚監部防衛部付 →2013年12月9日 統合幕僚監部防衛計画部防衛課付 |
12 | 田中一要 | 2013年11月18日 - 2015年 | 7月31日陸上自衛隊研究本部研究員 | 陸上自衛隊研究本部主任研究開発官 |
13 | 河野淳司 | 2015年 | 8月 1日 - 2017年 3月22日第7師団司令部第3部長 | 第13旅団司令部幕僚長 |
14 | 黒木正富 | 2017年 | 3月23日 - 2019年11月30日陸上幕僚監部人事教育部厚生課 厚生班長 |
第5旅団司令部幕僚長 |
15 | 川村洋史 | 2019年12月 | 1日 - 2022年 3月13日陸上自衛隊教育訓練研究本部教官 | 陸上自衛隊富士学校機甲科部教育課長 |
16 | 水谷清隆 | 2022年 | 3月14日 -陸上幕僚監部防衛部防衛課勤務 |
主要装備
編集- 90式戦車 (第4戦車中隊は除く)
- 10式戦車 (第4戦車中隊のみ)
- 73式装甲車
- 96式装輪装甲車
- 78式雪上車
- 1/2tトラック/73式小型トラック
- 1 1/2tトラック/73式中型トラック
- 3 1/2tトラック/73式大型トラック
- 89式5.56mm小銃
- 12.7mm重機関銃
- 9mm拳銃
- 84mm無反動砲
過去の装備品
部隊改編
編集第2戦車大隊新編時(1962年(昭和37年)1月18日)
- 第2戦車大隊本部
- 本部管理中隊「2戦-本」
- 第1戦車中隊「2戦-1」
- 第2戦車中隊「2戦-2」
- 第3戦車中隊「2戦-3」
- 第4戦車中隊「2戦-4」
独立中隊隷属(1991年(平成 3年)3月29日)
- 第2戦車大隊本部
- 本部管理中隊「2戦-本」
- 第1戦車中隊「2戦-1」
- 第2戦車中隊「2戦-2」
- 第3戦車中隊「2戦-3」
- 第4戦車中隊「2戦-4」
- 第316戦車中隊「316戦」
第2戦車連隊新編時(1995年(平成 7年)3月28日)
- 第2戦車連隊本部
- 本部管理中隊「2戦-本」
- 第1戦車中隊「2戦-1」
- 第2戦車中隊「2戦-2」
- 第3戦車中隊「2戦-3」
- 第4戦車中隊「2戦-4」
- 第5戦車中隊「2戦-5」
- 第6戦車中隊「2戦-6」
廃止部隊
編集脚注
編集注釈
編集- ^ 316戦車中隊の隷属理由としては1個中隊では補給・整備面等での運用に支障が生じるため、有事以外では同一駐屯地に所在する戦車大隊等に隷属することにより部隊機能を維持していた(現在は直接支援隊等が新編されており、整備面等での支障は解消しつつある)。有事では配置される部隊(当時は増援予定の本州所在普通科連隊等に配置される計画があった)及び配置予定に隷属する整備部隊で支援を受ける計画であった。
出典
編集- ^ a b 防衛省発令(1佐職人事)2024年3月21日付
- ^ (日本語) 【脱魂式・前編】74式戦車 第2戦車連隊として最後の模擬戦 雪上 上富良野駐屯地 陸上自衛隊 type74 tank japan self-defence forces 2023年4月2日閲覧。
- ^ 陸上自衛隊 上富良野駐屯地【公式】 [@kamifurano_STA] (2023年3月10日). "第2戦車連隊 は3月5日に創隊27周年記念行事を実施しました。". X(旧Twitter)より2023年3月24日閲覧。
- ^ 陸上自衛隊 上富良野駐屯地【公式】 [@kamifurano_STA] (2023年2月17日). "【部隊紹介シリーズ2】". X(旧Twitter)より2023年3月24日閲覧。
- ^ “部隊紹介”. 陸上自衛隊 上富良野駐屯地. 2023年5月9日閲覧。
参考文献
編集- PANZER臨時増刊 ウォーマシンレポート50 陸上自衛隊の戦車部隊 その歴史と現状 アルゴノート社 2016
- 陸上自衛隊機甲科全史 菊池征男著 イカロス出版 2017
- “防衛省人事発令”. 2015年8月1日閲覧。