笠原伸夫

日本の日本近代文学研究者、文芸評論家

笠原 伸夫(かさはら のぶお、1932年1月13日 - 2017年11月8日)は、日本近代文学研究者文芸評論家日本大学名誉教授。

経歴

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北海道小樽市生まれ。1950年、日本大学第一高等学校卒業。1954年日本大学文学部国文学科卒業。1979年日本大学文理学部教授。2002年、同名誉教授

はじめ歌作を行う[1]。評論は中世文学から出発し[2]1967年、『中世の発見』『中世の美学』を刊行。その後、近代文学における情念に関心を寄せながら、『虚構と情念』『泉鏡花 美とエロスの構造』『谷崎潤一郎 宿命のエロス』などを刊行。現代短歌や現代俳句も論じている。

著書

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  • 『中世の発見』思潮社 1967
  • 『中世の美学』桜楓社 1967
  • 『美と悪の伝統』桜楓社 1969
  • 『変貌する伝統』桜楓社 1971
  • 『虚構と情念』国文社 1972
  • 『地獄論』大和書房 1972
  • 『泉鏡花 美とエロスの構造』至文堂 1976
  • 『近代小説と夢』冬樹社 1978
  • 『谷崎潤一郎 宿命のエロス』冬樹社 1980
  • 『泉鏡花 エロスの繭』国文社 1988
  • 『文明開化の光と影』新典社(叢刊・日本の文学)1989
  • 『評釈「天守物語」 妖怪のコスモロジー』国文社 1991
  • 『幻想の水脈から 物語の古層の露出するとき』桜楓社 1993
  • 『評伝泉鏡花』白地社(コレクション人と作品)1995
  • 『銀河と地獄-西川徹郎論』西川徹郎文學館新書 2009

共編著

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脚注

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  1. ^ 歌誌「工人」に参加。これは、岡部桂一郎、山形義雄、芝山永治らが1948年10月に創刊した雑誌で、山崎方代、倉持正夫、浜田到らも集った。1951年、「工人」のメンバー3名による合同歌集『黒い帆』に参加。なお、笠原の短歌作品については、塚本邦雄『残花遺珠-知られざる名作』(邑書林、1995年)に詳しい。
  2. ^ 1959年、「花と冥闇」を「工人」に発表。これは『中世の発見』(思潮社、1967年)に収められている。