矜羯羅童子
不動明王の眷属
概要
編集不動三尊において、制多迦童子 (Ceṭaka) と共に不動明王の脇侍を務める。通常は不動明王の左(向かって右)に位置する。
「矜羯羅」とは、サンスクリットで疑問詞の矜 (kiṃ) と、「作為」の意味である羯羅 (kara) を合わせたもので、直訳すれば「何をするべきかを問い、その命令の通りに動く」という意味であり、奴僕や従者を指す普通名詞であるが、矜羯羅童子の場合は不動明王の奴僕三昧を表すとともに、仏法に対して恭敬であるさまを意味している。
十五歳ほどの童子の姿をしており、蓮華冠をつけ、肌は白肉色である。合掌した親指と人差し指の間に独鈷杵をはさんで持つ。天衣と袈裟を身に着けている。
真言・種子・三昧耶形
編集真言
編集- 「オン ダラマ コンガラ チシュタ サラ」
- (oṃ dharma koṃgla tiṣṭa sra)
- ※お経には「oṃ dharmma hāṃkara tiṣṭa jra」と書いている。
種子
編集種子(種子字)はタラ(tra) 、あるいはコン(koṃ)、またはコンガラ(koṃgla) 。
三昧耶形
編集作例
編集関連項目
編集参考文献
編集- ^ 村上重良『日本宗教事典』講談社、1988年。ISBN 9784-06-158837-0。,p.246
- ^ 新潮社『新潮世界美術事典』新潮社、1985年。ISBN 4-10-730206-7。p.1266, 「不動明王」の項