田原湾
愛知県豊橋市・田原市の湾
概要
編集三河湾の湾である渥美湾のさらに最奥部に位置する[1]。遠浅の海で、干潟が発達していたため、ノリ養殖やアサリなどの漁業が盛んに行われていたが、1972年(昭和47年)に当地に三河港が造成されると、汐川干潟を残して田原二号地区・豊橋明海地区・神野地区などが埋め立てられ、工業地域となっている[1]。
田原湾訴訟
編集1960年代、愛知県企業局が東三河臨海工業地帯の造成のため干潟の埋め立てを計画したが、干潟といえども所有者がおり、海面下の土地に所有権はないとする県企業局側と、明治時代に地券も交付され売買も行われてきたとする土地所有者が対立。土地所有者は、干潟の土地の滅失登記を認めた名古屋法務局を相手に訴訟を起こした。1976年4月28日、名古屋地方裁判所は地主側の主張を認める判決があった[2]が国側が控訴、上告を行った。1986年12月16日、最高裁判所は海域を一般利用に供されてきた自然公物とし、国の直接の公法的支配管理に服し、特定の者の排他的利用は許されないとして土地所有者側が敗訴した[3]。
主な流入河川
編集脚注
編集- ^ a b c d e f g h 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 1989, p. 811.
- ^ 海面下の土地にも所有権 滅失処分は違法『朝日新聞』1976年(昭和51年)4月29日朝刊、13版、22面
- ^ 安田公昭, 本巣芽美, 深田亮平, 永井紀彦「洋上ウィンドファーム事業の合意形成プロセスに関する事例研究と提言」『土木学会論文集B3(海洋開発)』第71巻第2号、土木学会、2015年、I_1-I_6、doi:10.2208/jscejoe.71.I_1、NAID 130005097490、2021年7月1日閲覧。
参考文献
編集- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年3月8日。ISBN 4-04-001230-5。