甘い鞭
『甘い鞭』(あまいむち)は、大石圭による2009年発表の官能ホラー小説。拉致監禁、レイプ、トラウマ、SMといった衝撃的な題材を取り扱っている。2013年、石井隆監督により映画化された。また、小説を原作とする同名のコミカライズ作品がある。
甘い鞭 | ||
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著者 | 大石圭 | |
発行日 | 2009年5月23日 | |
発行元 | 角川書店 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 文庫本 | |
ページ数 | 447 | |
公式サイト | 公式ウェブサイト | |
コード | ISBN 978-4-04-357219-9 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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あらすじ
編集美しき不妊治療医として活躍する一方で、SMクラブのM嬢“セリカ”としての顔を持つ奈緒子。奈緒子を慕う患者に対しては聖母のように、セリカを求める男たちに対しては嗜虐心をかりたてる生粋のM嬢として接する二重生活のはじまりは、17歳の頃に遭遇したある凄惨な事件だった。
登場人物
編集演 - 以下は映画版キャスト。
- 岬奈緒子(みさき なおこ)
- 演 - 32歳の奈緒子 壇蜜 / 17歳の奈緒子 間宮夕貴
- 17歳の頃、隣家に棲む男に拉致監禁され、1か月に渡り弄ばれ続けた末、男を殺害し辛うじて地獄から生還する。凄絶なトラウマを抱えたまま成長した現在は、不妊治療専門の医師として評価を得る一方、SMクラブの売れっ子M嬢“セリカ”としての顔も持つ。
- 藤田赳夫(ふじた たけお)
- 演 - 中野剛
- 17歳の奈緒子を誘拐し、自宅の地下室に監禁する。1か月に渡り彼女を性の奴隷として扱うが、最終的には奈緒子に殺害される。
- 岬加代子(みさき かよこ)
- 演 - 中島ひろ子
- 奈緒子の母親。奈緒子が行方不明となった当初はその身を案じるも、事件解決後、娘が受けた暴力とその現実を受け止めることができず、奈緒子との間に溝を生じさせてしまう。
- 木下景子(きのした けいこ)
- 演 - 屋敷紘子
- 32歳の奈緒子が、M嬢“セリカ”として所属するSMクラブのオーナー。自身もS嬢として勤務する。
- 鳴海(なるみ)
- 演 - 中山峻
- SMクラブの用心棒。木下の片腕でもある。
- 醍醐(だいご)
- 演 - 竹中直人
- SMクラブの上客。セリカ(奈緒子)と木下景子に、M嬢とS嬢の立場転換プレイを提案する。
- 神山(かみやま)
- 演 - 伊藤洋三郎
- SMクラブの客。「真性のM嬢」というオーダーを提示し、セリカ(奈緒子)とプレイに及ぶ。
- 緊縛師の男
- 演 - 有末剛
- SMクラブが契約している緊縛師。
書籍情報
編集- 大石圭『甘い鞭』角川書店〈角川ホラー文庫〉
- 2009年5月23日発売 ISBN 978-4-04-357219-9[1]
映画
編集甘い鞭 | |
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監督 | 石井隆 |
脚本 | 石井隆 |
原作 | 大石圭 |
ナレーター | 喜多嶋舞 |
出演者 |
壇蜜 間宮夕貴 中野剛 中島ひろ子 竹中直人 |
音楽 | 安川午朗 |
撮影 | 佐々木原保志(JSC)・山本圭昭 |
編集 | 村山勇二 |
製作会社 | 「甘い鞭」製作委員会 |
配給 | 角川書店 |
公開 | 2013年9月21日 |
上映時間 | 118分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
スタッフ
編集- 監督・脚本:石井隆
- 撮影:佐々木原保志(JSC)・山本圭昭
- 照明:祷宮信
- 音楽:安川午朗
- 編集:村山勇二
- 美術:鈴木隆之
- 録音:北村峰晴
- 原作:大石圭『甘い鞭』
- ナレーション:喜多嶋舞
- 配給:角川書店
受賞
編集- 第37回日本アカデミー賞新人俳優賞(壇蜜)
関連商品
編集漫画
編集艶々の作画による同名の漫画化作品が、日本文芸社の漫画雑誌『別冊漫画ゴラク』にて、2012年12月号から2014年4月号まで連載された[2][3][4]。
作品としては全2巻完結となるが、単行本は日本文芸社〈ニチブンコミックス〉から第1巻のみが刊行され、第2巻は諸事情により未刊である[5]。2015年5月16日に『甘い鞭 完全版』(上下2巻)がエンジェル出版から出版された。
単行本
編集- 漫画『甘い鞭』日本文芸社〈ニチブンコミックス〉 既刊1巻・以下未刊
- 2013年9月、ISBN 978-4-537-13072-0)[6] ※「東京都青少年の健全な育成に関する条例」により不健全図書に指定[7]
- 『甘い鞭 完全版』エンジェル出版〈エンジェルコミックス〉
脚注
編集- ^ 国立国会図書館サーチ - 書誌詳細 - 甘い鞭(角川書店)2009
- ^ “別冊ゴラクで新連載!”. シトミブログ (2012年10月24日). 2015年3月10日閲覧。
- ^ “「甘い鞭」最終話”. シトミブログ (2014年2月24日). 2014年9月15日閲覧。
- ^ “別冊漫画ゴラクWeb”. 日本文芸社. 2014年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月6日閲覧。
- ^ “年末年始の色々とこれからと”. 艶々日記 (2014年1月31日). 2020年7月6日閲覧。
- ^ 国立国会図書館サーチ - 書誌詳細 - 甘い鞭(日本文芸社)2013
- ^ 東京都広報 - 第15504号 - 平成25年10月18日 (PDF, 670.403 KiB)
外部リンク
編集- KADOKAWA 角川書店・角川グループ - 角川ホラー文庫 - 甘い鞭 大石圭
- “映画『甘い鞭』公式サイト”. 2016年5月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月2日閲覧。
- 映画 甘い鞭(2013) - allcinema
- 映画 甘い鞭(2012) - KINENOTE
- 甘い鞭 - IMDb