猪方
猪方(いのがた)は、東京都狛江市の町名である。現行行政町名上では猪方一丁目から四丁目。旧猪方村。狛江郵便局管区で郵便番号は201-0015。2024年1月現在の人口は3,399世帯6,603人[4]。
猪方 | |
---|---|
国 | 日本 |
都道府県 | 東京都 |
市町村 | 狛江市 |
面積 | |
• 合計 | 0.481 km2 |
人口 | |
• 合計 | 6,656人 |
• 密度 | 14,000人/km2 |
等時帯 | UTC+9 (日本標準時) |
郵便番号 |
201-0015[2] |
市外局番 | 03[3] |
ナンバープレート | 多摩 |
猪方の位置 |
地理
編集地勢
編集東京都の中央南部、多摩川中流北岸に位置する狛江市の南部に位置し、南側を多摩川が流れる。町西部に広い台地が、多摩川沿いの町南東部に沖積低地がそれぞれ広がる。台地と沖積低地の境は府中崖線(ハケ)であり、最大で2メートルほどの明確な比高差を認めるが、東に向かうほど比高差は小さくなり境目が曖昧となる[5]。
現在の猪方の範囲にある台地上は原始よりヒトの活動場所として利用された。そのため原始時代から平安時代にかけての遺跡が点在している。特に古墳時代に造営された古墳は狛江古墳群の一部をなし猪方支群を構成する。狛江古墳群は3つの支群に属する100基ほどの古墳で構成される群集墳であるが、現存古墳は少なく、猪方には前原塚古墳と猪方小川塚古墳が現存するのみである[6]。
猪方は、過去猪方村として成立し、狛江村の発足により狛江村猪方となった後、1963年に狛江第一中学校や千町耕地の付近にあった猪方の飛地が境界域の地域と整理されて現在の形がほぼ完成し、1982年11月1日に猪方として住居表示が実施された[7]。なお、狛江市における地域の分類では、猪方単体で猪方地区を成す。現在では北から時計回りに東和泉、岩戸南、駒井町、多摩川を隔てて川崎市多摩区宿河原、川崎市多摩区登戸の各地域と接している[8]。
災害
編集域内に多摩川が流れており、狛江市ハザードマップ[9]によると、全域が最大3m以上の浸水危険エリアに含まれている。令和元年東日本台風が来た際には、2丁目の38棟が床下浸水、64棟が床下浸水した[10]。
小中学校の学区
編集各地域の学区は以下の通りである[11]。
町丁目 | 番地 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|---|
猪方一丁目 | 全ての番地 | 狛江第三小学校 | 狛江第二中学校 |
猪方二丁目 | 1番地 - 4番地 | ||
5番地 - 26番地 | 狛江第六小学校 | ||
猪方三丁目 | 1番地 - 11番地 | 狛江第三小学校 | |
12番地 - 41番地 | 狛江第六小学校 | ||
猪方四丁目 | 全ての番地 |
歴史
編集町名の由来
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中世
編集かつて現在の猪方一丁目から四丁目の大半と駒井町一丁目の一部には、猪方村が置かれていた。文化14(1817)年に、松平定信の「万葉集」東歌の一首「多麻河伯爾左良須氏豆久利左良左良爾奈仁曾許能児己許太可奈之伎」が刻まれた玉川碑が建てられたが、文政12(1829)年の洪水で流失。大正11(1922)北部の現中中和泉四丁目に再建された[12]。
産業
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人口
編集2020(令和2)年10月1日現在の人口と世帯数は以下のとおりである[13]。
丁目 | 人口(人) | 世帯数(世帯) |
---|---|---|
猪方一丁目 | 1,089 | 591 |
猪方二丁目 | 1,607 | 761 |
猪方三丁目 | 2,688 | 1,415 |
猪方四丁目 | 1,272 | 645 |
合計 | 6,656 | 3,412 |
交通
編集鉄道
編集地内に駅はなく小田急電鉄和泉多摩川駅が最寄り駅となる。ただし一丁目の一部からは狛江駅の方か近い。
道路
編集猪方地区を通過する主な道路は以下の通り[14]。
- 水道道路
- 猪駒通り
- 二中通り
- 猪方中通り
路線バス
編集いずれも小田急バス狛江営業所による運行[15]。
猪駒通り経由
- こまバス 狛江駅北口 → 和泉多摩川駅 → 猪方四丁目 → 南部地域センター → 岩戸地域センター → 喜多見駅 → 狛江駅北口
水道道路経由
施設
編集- 調布警察署猪方交番
- 狛江市立狛江第三小学校
- 狛江市立狛江第二中学校
- 南部地域センター
- 和泉自動車教習所
- 白幡菅原神社
- 猪方小川塚古墳
- 宿河原堰堤
ギャラリー
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b “令和2年人口と世帯数”. 狛江市 (2020年10月24日). 2020年10月24日閲覧。
- ^ “郵便番号”. 日本郵便. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2020年10月24日閲覧。
- ^ “令和6年1月 町丁別世帯数と人口”. 狛江市 (2024年1月15日). 2024年3月29日閲覧。
- ^ 狛江市史編集専門委員会 2015, pp. 1–2.
- ^ 狛江市史編集専門委員会 2015, pp. 1–3.
- ^ 狛江市史編集専門委員会 2021, pp. 900–901.
- ^ 狛江市史編集専門委員会 2015, pp. 1, 8–10.
- ^ “狛江市防災マップ、洪水ハザードマップ、防災マップアプリ”. 狛江市. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “令和元年東日本台風狛江市の記録”. 狛江市. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “小・中学校の通学区域”. 狛江市教育委員会. 2020年6月6日閲覧。
- ^ 『日本歴史地名大系 13 東京都の地名』平凡社、2002年、972頁。
- ^ “令和2年人口と世帯数”. 狛江市. 2020年10月24日閲覧。
- ^ “狛江市防災マップ、ハザードマップ、浸水予想区域図”. 狛江市. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “路線図|路線バス|小田急バス”. 小田急バス株式会社. 2020年6月7日閲覧。
参考文献
編集- 狛江市史編集専門委員会『新狛江市史 通史編』狛江市、2021年3月31日。 NCID BC06862140。OCLC 1255359064。
- 狛江市史編集専門委員会『猪方の民俗』狛江市〈新狛江市史民俗調査報告書〉、2015年3月。
- 狛江市史編集専門委員会『駒井の民俗』狛江市〈新狛江市史民俗調査報告書〉、2016年9月。 NCID BB26274283。OCLC 1050600846。
- 狛江市史編集専門委員会『市史研究狛江 第7号』狛江市〈市史研究狛江〉、2020年3月。
- 井上, 孝、中島, 惠子 著、狛江市企画財政部秘書広報室 編『狛江・今はむかし 上巻』狛江市、2020年10月。
- 井上, 孝、中島, 惠子 著、狛江市企画財政部秘書広報室 編『狛江・今はむかし 下巻』狛江市、2020年10月。
- 林, 述斎、間宮, 士信『新編武蔵風土記稿巻之百二十七』 巻之百二十七 多摩郡之三十九、1808年。
- 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 13東京都』(新版)角川出版社、2009年10月23日。ISBN 9784046229175。
- 菊池, 山哉 著、水理科学研究所 編『多摩川の洪水史』一般論文〈水理科学 No.39〉、1964年。doi:10.20820。ISSN 00394858。
- 狛江市総務部安心安全課『令和元年東日本台風 狛江市の記録』狛江市、2020年9月15日 。
- 狛江市総務部総務課庶務統計係『統計こまえ』狛江市、2022年8月。
- 狛江市環境部環境政策課『こまえ 生物多様性ワークブック』狛江市、2021年3月。
- 狛江市環境部環境政策課『狛江市緑の基本計画』狛江市、2020年3月 。