牛浜駅

東京都福生市牛浜にある東日本旅客鉄道の駅

牛浜駅(うしはまえき)は、東京都福生市牛浜にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)青梅線である[1]駅番号JC 56

牛浜駅
西口(2021年4月)
うしはま
Ushihama
JC 55 拝島 (1.7 km)
(1.0 km) 福生 JC 57
地図
所在地 東京都福生市牛浜126
北緯35度44分4.4秒 東経139度20分1.2秒 / 北緯35.734556度 東経139.333667度 / 35.734556; 139.333667座標: 北緯35度44分4.4秒 東経139度20分1.2秒 / 北緯35.734556度 東経139.333667度 / 35.734556; 139.333667
駅番号 JC56
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 青梅線
キロ程 8.6 km(立川起点)
東京から46.1 km
電報略号 ウシ
駅構造 地上駅橋上駅
ホーム 1面2線
乗車人員
-統計年度-
4,213人/日(降車客含まず)
-2023年-
開業年月日 1944年昭和19年)4月1日[* 1]
備考 業務委託駅
  1. ^ 1943年昭和18年)3月1日に牛浜仮停留場として開業。
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東口(2021年4月)

歴史

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1940年、立川飛行場の付属飛行場として陸軍多摩飛行場(現在の横田基地)が作られ、周囲に軍関係施設が相次いで開設されたことから、軍の下命により停留場を新設することになった。早急に開設すべきとの要望があったため一時仮停留場として設置し、定期券を所有する軍関係者に限り取り扱うこととした。仮停留場の位置は現在の「牛浜踏切」(ホーム拝島方脇)際にあり、駅事務所は建坪6.6坪、ホームは角材を井桁に積み上げたもので長さ70 mであった。1944年の国有化に合わせて駅舎工事を行ったが、戦時下の物資不足のため当初計画より規模を縮小して2代目駅舎を建設し、本停留場として開業した[2]

年表

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駅構造

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島式ホーム1面2線を有する地上駅で、橋上駅舎を持つ[1]。旧駅舎の老朽化とバリアフリー化のため、2011年平成23年)10月から建て替え工事が行われ、2013年(平成25年)3月に、エスカレーター5基、エレベーター3基を備えた新駅舎が竣工した。このうち東西両出入り口には、エレベーター、エスカレーター上下方向のすべてが完備されているが、改札内の駅舎とホームをつなぐ箇所には、エレベーターと昇りエスカレーターのみが設置されていて下りエスカレーターは省略されている。また改札正面の自由通路には足元までの大きなガラス窓が設置され、開放感のあるデザインになっている。

現駅舎は旧駅舎を使用中のまま新たに建設された関係上、旧駅舎とは位置がほとんど重複しないよう微妙にずれて建てられている。本体は旧駅舎より福生寄りに建てられていて、東口が線路から離れた場所にあるのも、旧駅舎の東口階段を避けてその外側に新たに建設されたためである。3代目駅舎時代の骨組みには一部古レールが使われていたが、現在もその一部がホーム中央部に残存している。

JR東日本ステーションサービスが業務を受託する業務委託駅で、拝島駅が当駅を管理している。駅舎内には自動券売機2台(内1台は多機能券売機)と自動改札機3台、自動精算機1台が設置されている。終電後の時間帯は改札全体と自動券売機部分を覆うシャッターが下りるが、自由通路(延長79.7 m、有効幅員3.4 - 7.1 m)は福生市市道のため夜間も通行でき、エレベーター、エスカレーターも終日使用できる。初電から朝6時半まで有人改札の窓口はシャッターが下りていて、自動券売機も使用できず乗車駅証明書発行機を利用する。また上記を含め初電から終電まで1日7回、合計6時間11分にわたり駅員の休憩のため有人改札通路の窓口はシャッターが下りるが、通路の自動ドアは当然ながら自動開閉し、通路脇には集札箱も設置されている。駅員休憩時間には室内に駅員がいても対応はできないので、精算機で不可能な精算等は自動ドア利用の上、後日申し出るようにとの趣旨の案内がある。また2019年3月ダイヤ改正時よりホーム上の発車予定時刻表が撤去された。これは次発、次々発の列車はホームや改札の電光表示板を見れば分かるためであるが、改札口外側の時刻表は撤去されていない。

2020年11月28日夜間 - 11月29日早朝にかけて、2023年度末に予定されている中央線(快速)等のグリーン車サービス開始に向けてのホーム延伸に伴う線路切替工事が実施された[8][9]。下り線の線路(約160 m)を約60 cm移動させ、後日ホームの拡幅(約40 m)および延伸(約30 m)が行われる予定である[8]。2024年10月12日までにこれらの工事を全て完了し、翌日10月13日より快速電車・青梅線における12両編成の運転が一部列車で開始された[10]

のりば

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番線 路線 方向 行先 備考
1   青梅線・中央線 上り 拝島立川新宿東京方面 立川駅から   中央線へ直通
(東京方面行の列車)
2   青梅線 下り 青梅御嶽奥多摩方面

(出典:JR東日本:駅構内図

3代目駅舎の概況

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複線化された1961年に青梅線内では最も早く橋上駅舎として建て替えられた。平成元年ごろ東口の北側階段が増設され東口公衆便所が改修されたのち、自動改札化された。改札とホームとを結ぶ階段は1箇所のみでエスカレーター、エレベーターはなく売店、トイレもなかった。

有人のみどりの窓口があったが2006年平成18年)に閉鎖され、その代替として「もしもし券売機Kaeruくん」(営業時間:6:30 - 22:00)が設置されたものの2012年2月6日20時をもって営業終了し撤去された。代替として多機能券売機1台が設置された。構内は自動券売機3台、自動改札3台、自動精算機1台で、横田基地の日米友好祭やマラソン大会などのイベントがある時は簡易Suicaが設置された。朝6時半まで窓口と自動券売機部分にシャッターが下りていて、乗車駅証明書が改札脇の箱に置いてあった。のちに乗車駅証明書発行機が設置されるようになり、日中はカバーが掛けられていた。

東口・西口の階段、通路および改札内外が狭いため、駅周辺でイベントが行われる時は駅員を増員し臨時切符売り場が設けられていた。

利用状況

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2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員4,213人である。横田基地第5ゲートの最寄り駅であり、近年は9月の連続する土曜・日曜に行われている「日米友好祭」の開催時は例年10万人以上[11]の人出で大混雑を極め、ICカード普及以前には東口駅前公園に臨時切符売り場が設けられていた。

1990年度(平成2年度)以降の1日平均乗車人員の推移は下記の通り。

年度別1日平均乗車人員[統計 1]
年度 1日平均
乗車人員
出典
1990年(平成02年) 4,197 [* 1]
1991年(平成03年) 4,388 [* 2]
1992年(平成04年) 4,468 [* 3]
1993年(平成05年) 4,419 [* 4]
1994年(平成06年) 4,326 [* 5]
1995年(平成07年) 4,238 [* 6]
1996年(平成08年) 4,326 [* 7]
1997年(平成09年) 4,240 [* 8]
1998年(平成10年) 4,244 [* 9]
1999年(平成11年) 4,254 [* 10]
2000年(平成12年) [JR 1]4,238 [* 11]
2001年(平成13年) [JR 2]4,224 [* 12]
2002年(平成14年) [JR 3]4,314 [* 13]
2003年(平成15年) [JR 4]4,286 [* 14]
2004年(平成16年) [JR 5]4,309 [* 15]
2005年(平成17年) [JR 6]4,250 [* 16]
2006年(平成18年) [JR 7]4,323 [* 17]
2007年(平成19年) [JR 8]4,391 [* 18]
2008年(平成20年) [JR 9]4,348 [* 19]
2009年(平成21年) [JR 10]4,317 [* 20]
2010年(平成22年) [JR 11]4,248 [* 21]
2011年(平成23年) [JR 12]4,154 [* 22]
2012年(平成24年) [JR 13]4,330 [* 23]
2013年(平成25年) [JR 14]4,321 [* 24]
2014年(平成26年) [JR 15]4,343 [* 25]
2015年(平成27年) [JR 16]4,454 [* 26]
2016年(平成28年) [JR 17]4,504 [* 27]
2017年(平成29年) [JR 18]4,539 [* 28]
2018年(平成30年) [JR 19]4,596 [* 29]
2019年(令和元年) [JR 20]4,475 [* 30]
2020年(令和02年) [JR 21]3,289
2021年(令和03年) [JR 22]3,546
2022年(令和04年) [JR 23]4,019
2023年(令和05年) [JR 24]4,213

駅周辺

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駅周辺は普通の住宅街だが、東側約600 mの国道16号線沿いに米軍横田基地があることから、この付近にはかつての米軍人向けの米国風貸家「米軍ハウス」やミリタリーショップ、アメリカンフードといった関連の民間施設が並んでいる[12]

東口
西口

バス路線

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1982年昭和57年)頃まで西口に立川バスが発着していた(牛11系統:牛浜駅 - 福生団地中央、後に福生駅と拝島駅始発に変更)。現在でも牛浜駅西口近くと新奥多摩街道の牛浜駅入口近くの大型通行禁止の標識には「路線バスを除く」という補助標識がついている。

また、1995年頃まで当駅近くの新奥多摩街道五日市街道交差点(牛浜郵便局前交差点)付近に「牛浜郵便局」というバス停(立83系統:福生駅 - 立川駅北口、拝13系統:福生駅 - 拝島営業所)があり、同駅最寄りであったが今は廃止されている。

現在は、立川バス福生営業所出入庫路線として、「牛浜郵便局」から「牛浜駅入口」に名を変えた牛浜郵便局北側のバス停に、立88系統福生市役所発熊川駅・拝島操車場経由立川駅北口行きが平日朝に1本、立89系統の立川駅北口発拝島操車場・熊川駅経由牛浜駅入口行きが夜間中心に10本前後(うち、平日2便、土曜1便は深夜バス)走っている。平日の深夜バスの最終は青梅線最終青梅行きに接続するダイヤとなっている。

ほかに西東京バスが運行する立川駅北口発河辺駅北口行の「深夜ご帰宅バス」、および同便の上り、拝島駅行きが同バス停を使用する。

隣の駅

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東日本旅客鉄道(JR東日本)
  青梅線
特別快速「ホリデー快速おくたま」(土休日のみ)
通常は通過(横田基地日米友好祭開催日のみ停車)
通勤特快(平日上りのみ)・青梅特快・通勤快速(平日下りのみ)・快速・各駅停車(以上はいずれも青梅線内は各駅に停車)
拝島駅 (JC 55) - 牛浜駅 (JC 56) - 福生駅 (JC 57)

脚注

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記事本文

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  1. ^ a b c 『週刊 JR全駅・全車両基地』 46号 甲府駅・奥多摩駅・勝沼ぶどう郷駅ほか79駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年7月7日、22頁。 
  2. ^ 三村章「戦時下の青梅線 軍需駅誕生と複線の歩み」、『多摩のあゆみ』第141号、財団法人たましん地域文化財団
  3. ^ a b c d 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、193頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  4. ^ 「青梅、五日市線 来月から営業近代化」『交通新聞』交通協力会、1971年1月28日、1面。
  5. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '96年版』ジェー・アール・アール、1996年7月1日、182頁。ISBN 4-88283-117-1 
  6. ^ “みどりの窓口リストラ”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 23 夕刊. (2006年7月11日) 
  7. ^ a b 牛浜駅自由通路開通式を行います』(PDF)(プレスリリース)福生市、2012年10月12日。オリジナルの2020年8月28日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200828142022/https://www.city.fussa.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/001/195/121012usihamaeki.pdf2020年8月28日閲覧 
  8. ^ a b c 青梅線 牛浜駅線路切換工事に伴う列車の運休等について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道八王子支社、2020年8月26日。オリジナルの2020年8月27日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200827050317/https://www.jreast.co.jp/hachioji/info/20200826/20200826_info01.pdf2020年8月27日閲覧 
  9. ^ a b “一夜で線路160メートルを移設 JR青梅線牛浜駅”. 朝日新聞. (2020年11月30日). オリジナルの2020年12月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20201216130507/https://www.asahi.com/amp/articles/ASNCY73HRNCYUTIL005.html 2020年12月16日閲覧。 
  10. ^ 中央線快速・青梅線でグリーン車サービスを開始します ~快適な移動空間の提供を通じ、輸送サービスの質的変革を目指します~ 2024年9月10日 JR東日本
  11. ^ FSS イベント概要
  12. ^ “(各駅停話)牛浜駅 米軍ハウス、アート育む”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2014年11月15日). オリジナルの2020年8月30日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200830070604/https://www.asahi.com/articles/ASGCB740QGCBUTIL040.html 2020年8月30日閲覧。 

広報資料・プレスリリースなど一次資料

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  1. ^ Suicaご利用可能エリアマップ(2001年11月18日当初)” (PDF). 東日本旅客鉄道. 2019年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月27日閲覧。

利用状況

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  1. ^ 東京都統計年鑑 - 東京都
JR東日本の2000年度以降の乗車人員
東京都統計年鑑

関連項目

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外部リンク

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