海岸通停留場

広島市南区にある広島電鉄の停留場

海岸通停留場(かいがんどおりていりゅうじょう、海岸通電停)は、広島県広島市南区宇品海岸二丁目にある広島電鉄宇品線路面電車停留場である。駅番号はU16

海岸通停留場*
停留場全景(2009年8月)
かいがんどおり
Kaigan-dori
U15 宇品五丁目 (0.5 km)
(0.3 km) 元宇品口 U17
地図
所在地 広島市南区宇品海岸二丁目
北緯34度21分19.78秒 東経132度27分46.75秒 / 北緯34.3554944度 東経132.4629861度 / 34.3554944; 132.4629861座標: 北緯34度21分19.78秒 東経132度27分46.75秒 / 北緯34.3554944度 東経132.4629861度 / 34.3554944; 132.4629861
駅番号 U16
所属事業者 広島電鉄
所属路線 宇品線
キロ程 5.1 km(紙屋町起点)
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
乗降人員
-統計年度-
1,811[1]人/日
-2019年-
開業年月日 1935年昭和10年)12月27日[2]
  • * 開業時は宇品桟橋前停留場として営業
  • 1942年まで〈同年にいったん廃止〉)
テンプレートを表示

歴史

編集

当停留場の開業は1935年昭和10年)12月のことであるが[2][3]、それ以前に宇品線はすでに開業しており、当地にはかつての終点である宇品停留場(うじなていりゅうじょう)が設けられていた[3][4]。ここではこの停留場についても併せて扱う。

1912年大正元年)に紙屋町停留場から御幸橋停留場までの区間が開業した宇品線は、1915年(大正4年)に宇品地区まで路線が延伸された[5]。当時の軌道は御幸橋の東詰すぐのところで南下し、そのまま宇品地区の西堤防沿いに進んだあと堤防の南端近くで東に折れ、海岸通りを東進して宇品桟橋(現在の広島市営桟橋)に至るという経路をとっていた[6]。路線の終点である宇品停留場はこの桟橋前に置かれ、東には国鉄宇品線宇品駅が立地していた[3][6]

西堤防沿いに御幸橋東詰から宇品までを結んでいた軌道は1935年(昭和10年)、東側に開通した新街路(宇品通り)上へ移設される[5][7]。この新線は御幸橋から東に進んだ皆実町で南下をはじめ、宇品通りの上を進んだあと今度は桟橋前で西に折れ、海岸通りを西進して西堤防の南端近くに至るという経路をとるようになった[7]。この移設により宇品停留場は廃止され、代わって開設されたのが当停留場である[3][5]。停留場は宇品停留場と同様桟橋前に置かれ、当時は宇品桟橋前停留場(うじなさんばしまえていりゅうじょう)と称していた[3][5]。その後1942年(昭和17年)に一度廃止されるが、戦後の1950年(昭和25年)に復活、このとき海岸通停留場と改称された[3][5]。2002年(平成14年)には広島南道路の工事に伴い、北に0.1キロメートル移設されている[3][7]。なお、この移設先には広島競輪開催時のみ営業を行う臨時競輪場入口停留場1952年(昭和27年)ころより[3]存在していたが、海岸通停留場が移設してきたのに伴って廃止されている[8][9]

年表

編集
 
旧競輪場入口停留場広島港方面のりば。安全地帯はなく、白線のみで位置を示していた(2007年)

停留場構造

編集

宇品線はほぼすべての区間で軌道が道路上に敷かれた併用軌道であり、当停留場も道路上にホームが置かれている。ホームは低床式で2面あり、南北方向に伸びる2本の線路を挟み込むように向かい合って配置されている(相対式ホーム[2][11]。線路の東に広島港方面へ向かう下りホームが、西に広島駅紙屋町方面へ向かう上りホームが位置しており[2]、乗降客は南にある横断歩道を利用してホームに渡る。ホームには屋根がほぼ全長にわたって取り付けられている。

広島港寄りの軌道には渡り線がある[2]。毎年7月に広島港で開催される「広島みなと夢花火大会」の際には当停留場で折り返しを行う臨時便があり[2]、渡り線はこの時使用される。普段は無人の停留場であるが[2]、花火大会の際には多数の係員が配置される。

軌道が敷かれている宇品通りは幅員が狭小であることからかつては安全地帯が設けられていない平面停留場であったが、同じく平面停留場だった宇品三丁目停留場で起きた交通事故を機に整備が進められ、1994年(平成6年)8月末に安全地帯の設置が完了している[7]

運行系統

編集

当停留場には広島電鉄で運行されている系統のうち1号線、5号線、7号線、それに0号線が乗り入れる。

下りホーム     広島港ゆき
上りホーム   広電本社前ゆき
  紙屋町経由広島駅ゆき
  比治山下経由広島駅ゆき
  横川駅ゆき

停留場周辺

編集

西側・北側は住宅街である。東側・南側には広島港の港湾関連施設や企業の事業所・倉庫群が並ぶ。

隣の停留場

編集
広島電鉄
宇品線
宇品五丁目停留場 (U15) - 海岸通停留場 (U16) - 元宇品口停留場 (U17)

脚注

編集
  1. ^ 広島県 駅乗降客数”. 2021年3月11日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 川島令三『山陽・山陰ライン 全線・全駅・全配線』 第7巻 広島エリア、講談社〈【図説】 日本の鉄道〉、2012年、15,81頁。ISBN 978-4-06-295157-9 
  3. ^ a b c d e f g h 今尾恵介(監修)日本鉄道旅行地図帳』 11 中国四国、新潮社、2009年、18,38頁。ISBN 978-4-10-790029-6 
  4. ^ 『広島電鉄開業100年・創立70年史』広島電鉄、2012年、49頁。 
  5. ^ a b c d e f g h 『広電が走る街 今昔』150-157頁
  6. ^ a b 『広電が走る街 今昔』82-85頁
  7. ^ a b c d 『広電が走る街 今昔』91-95頁
  8. ^ 海岸通電停移設のお知らせ』(プレスリリース)広島電鉄、2002年8月19日。オリジナルの2015年5月2日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20150502092927/http://www.hiroden.co.jp/what/new/topic0207-09.htm2016年9月22日閲覧 
  9. ^ a b c 「鉄道記録帳2002年8月」『RAIL FAN』第49巻第11号、鉄道友の会、2002年11月1日、25頁。 
  10. ^ 『広電が走る街 今昔』では6月、『日本鉄道旅行地図帳』では5月。
  11. ^ 川島令三『全国鉄道事情大研究』 中国篇 2、草思社、2009年、103,109頁。ISBN 978-4-7942-1711-0 

参考文献

編集

関連項目

編集

外部リンク

編集