河出ブックス
河出ブックス(かわでブックス)は、株式会社河出書房新社が発行する教養選書レーベル[1]。2009年の創刊から2018年までに111点を刊行している。
概要
編集2009年10月10日、創刊。B6判、ソフトカバー。コンセプトは「ジャンルをまたいで連鎖する読書のために」[2]。 合言葉は「知りたい、が湧いてくる」[3]。 オフィシャルサイトでは、「河出が贈る、知の蓄積と新たな胎動」と紹介されている[4]。 カバーには「K」の筆記体をモチーフとしたロゴが載せられている。ロゴや本文、装丁などは、天野誠による[5]。
新書ブームが飽和状態になっているとされる中で、もう少し歯ごたえのある読みものを必要とする読者のために、内容を薄めたり質を落としたりせず、知的好奇心をくすぐるテーマの書籍を提供していきたい、という思いのもとに創刊された。ジャンルを限定することなく、多角的なラインナップを取りそろえている[6]。
2012年10月の創刊3周年を機に、それまで統一されていた装幀をリニューアル。各巻ごとに独自の装丁[7]となった。
2018年11月に、111冊目となる今野真二『ことばでたどる日本の歴史:幕末・明治・大正篇』を刊行し、以後休止している。
創刊時の刊行
編集創刊ラインナップは以下の6点[2]。
- 読者はどこにいるのか:書物の中の私たち(石原千秋)ISBN 978-4-309-62401-3
- 教養としての日本宗教事件史(島田裕巳)ISBN 978-4-309-62402-0
- 「格差」の戦後史:階級社会 日本の履歴書(橋本健二)ISBN 978-4-309-62403-7
- 検閲と文学:1920年代の攻防(紅野謙介)ISBN 978-4-309-62404-4
- 脳科学の真実 脳研究者は何を考えているか(坂井克之)ISBN 978-4-309-62405-1
- 日本の植民地建築:帝国に築かれたネットワーク(西澤泰彦)ISBN 978-4-309-62406-8
受賞情報
編集- 長山靖生『日本SF精神史 幕末・明治から戦後まで』[8] ISBN 978-4-309-62407-5
- 木方十根『「大学町出現」:近代都市計画の錬金術』[9] ISBN 978-4-309-62419-8
- 2010年 第2回不動産協会賞
- 北河大次郎『近代都市パリの誕生:鉄道・メトロ時代の熱狂』[10][11][12] ISBN 978-4-309-62417-4
- 2010年 第32回サントリー学芸賞 芸術・文学部門
- 2011年 第36回交通図書賞 第3部(歴史)
- 渡辺佑基『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』ISBN 978-4-309-62470-9
- 2014年 第68回 毎日出版文化賞(自然科学部門)
ベストセラー
編集2016年10月の創刊7周年記念フェア(当時、97点刊行)にて、歴代売上ベスト10が発表されている[13]。
- 1位:渡辺佑基『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』2014年。
- 2位:長谷部恭男『法とは何か:法思想史入門』2011年(増補新版:2015年)。ISBN 978-4-309-62484-6
- 3位:小熊英二編著『平成史』2012年(増補新版:2014年)。ISBN 978-4-309-62468-6
- 4位:橋本健二『「格差」の戦後史:階級社会日本の履歴書』2009年(増補新版:2013年)。ISBN 978-4-309-62466-2
- 5位:石原千秋『読者はどこにいるのか:書物の中の私たち』2009年。
脚注
編集- ^ 河出書房新社、『河出ブックス』創刊10月に6点/秋の大型企画2点も
- ^ a b 「河出ブックス」いよいよ発売です!
- ^ Twitter / Kawade_shobo: 弊社の教養シリーズ『河出ブックス
- ^ 河出が贈る、知の蓄積と新たな胎動。〈河出ブックス〉
- ^ 教員紹介>天野 誠
- ^ 「河出ブックス」創刊まで、あと1ヶ月。
- ^ 創刊3周年、装丁リニューアル第1弾の2冊
- ^ 日本SF精神史、後年に完全版を刊
- ^ 「大学町」出現 近代都市計画の錬金術
- ^ 北河大次郎 『近代都市パリの誕生』 サントリー学芸賞
- ^ 近代都市パリの誕生 :北河 大次郎|河出書房新社
- ^ 北河大次郎/客員教授
- ^ 店頭配布冊子「創刊7周年:ひろがりつづける河出ブックスの宇宙(コスモス)」
関連項目
編集外部リンク
編集- 河出ブックスの案内|河出書房新社
- 河出書房新社(新書・人文書) (@Kawade_books) - X(旧Twitter) - 河出ブックスを含む
- 河出書房新社 (@Kawade_shobo) - X(旧Twitter)