本広克行
本広 克行(もとひろ かつゆき、1965年7月13日 - )は、日本の映画監督、テレビドラマや舞台の演出家。香川県丸亀市出身[1]。2013年から、株式会社Production I.G企画部所属。
もとひろ かつゆき 本広 克行 | |||||||||||
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生年月日 | 1965年7月13日(59歳) | ||||||||||
出生地 | 日本・香川県丸亀市 | ||||||||||
職業 |
映画監督 演出家 | ||||||||||
主な作品 | |||||||||||
ドラマ 『踊る大捜査線』シリーズ 『SP 警視庁警備部警護課第四係』 『ナンバMG5』 映画 『踊る大捜査線』シリーズ 『サマータイムマシン・ブルース』 『幕が上がる』 『亜人』 アニメ 『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズ | |||||||||||
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経歴
編集丸亀市立城西小学校、香川県立丸亀西中学校を経て香川県立琴平高等学校卒業。高校卒業後は、九州の工業大学に進学しようと考えていたが、工事現場のバイト中、事故に遭った際に「どうせいつか死ぬなら好きなことやりたいな」と考え、入院中に差し入れてもらった本や雑誌の中にあった『キネマ旬報』に載っていた横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)の広告を見て、「ここに行こう」と決断[2]。専門学院卒業後[1]、電通映画社(現・電通テック)、共同テレビでのアルバイトを経て、共同テレビの子会社であるベイシスに入社[1]。バラエティ番組のアシスタントディレクターからディレクター、ドラマ番組のディレクター、映画作品の監督を経て、1998年、株式会社ROBOT映画部に着任[1]。2013年からは、株式会社Production I.G企画部所属。
1992年にフジテレビ・共同テレビ制作の深夜ドラマ『悪いこと』にて監督デビュー[1]。その後、同じ系列のオムニバスドラマ『世にも奇妙な物語』にて「見たら最期」を監督。1996年、『7月7日、晴れ』で映画監督デビューを果たした[1]。『お金がない!』の演出陣の一人として織田裕二と知り合い、織田の推薦により『踊る大捜査線』のチーフ演出に抜擢された。このドラマの映画版シリーズを監督し、第22回および第27回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞。シリーズ映画2作目において実写邦画興行成績の歴代1位を保持している。
『サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS』はスタジオジブリ(スタジオカジノ名義)が製作に参加した。
2011年4月、四国学院大学「身体表現と舞台芸術マネジメント・メジャー」(略称・「演劇コース」)客員教授に就任。2012年10月、アニメ作品『PSYCHO-PASS サイコパス』の総監督デビューを果たす。故郷香川県の映画祭『さぬき映画祭』のディレクターを2013年より19年まで務めた。
2022年1月19日に立ち上げたエンタメDAOプロジェクト『SUPER SAPIENSS』の発起人の1人である。
人物
編集- うどんに関する造詣が深く、常にうどんを食べていると言われている。2006年に公開された、うどんを題材とした映画『UDON』を制作するにあたり、本広は実弟が脱サラして讃岐うどんの修行をしていたことから、劇中に登場した「松井製麺所」のうどんは実弟が打っている。また実際に実弟がオーナーの「松井うどん」が香川県三豊市で営業。2017年から東京都新宿区四谷4丁目に松井製麺所(現在、讃岐本広うどん)として再オープン。
- 世界で一番好きな監督は押井守[3]。初めての押井作品との出逢いは高校一年のとき映画館で観た『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』で、初監督映画『7月7日、晴れ』は同作からインスピレーションを受けてる[4]。
- 『踊る大捜査線』湾岸署の舞台を決めるロケハンではスタッフに劇場版『パトレイバー』を見せて「こんな場所を探してくれ」とお願いしたが当時そっくりな場所はなかったので、お台場に落ち着いた。
- 2013年に始動したパトレイバー実写化プロジェクトで監督の依頼があり、特撮担当に樋口真嗣、音楽担当に川井憲次というスタッフでミーティングまで行ったものの、メガホンをとるまでには至らなかったという[5]。
- 本人は典型的なアニメオタクで、アニメを語ることが多い。ファンである押井守、庵野秀明、渡辺信一郎、富野由悠季などのアニメ監督と対談している。
- 『踊る大捜査線』のドラマ本放送では『エヴァンゲリオン』のBGMを使用したり、映画『サマータイムマシン・ブルース』ではガンダムのBGMを使用するなどしている。
- さぬき映画祭で若手自主映画サミットを開くなど、後進の育成に非常に熱心な事で知られ、踊る大捜査線の助監督だけでも、『海猿』の羽住英一郎をはじめ、河合勇人、七高剛、波多野貴文、長瀬国博、真壁幸紀などの監督を輩出している。
- 北海道テレビ『水曜どうでしょう』の大ファンである。そのことから、北海道テレビのドラマ『チャンネルはそのまま!』では総監督を担当した [6]。またゴリパラ見聞録のキッズでもある。ABCテレビの番組『探偵!ナイトスクープ』の大ファンであり、2018年5月18日に特別顧問として初出演した際には「自分で傑作選を編集するくらい大好き」と熱弁していた[7]。
作品
編集バラエティ
編集- アメリカの夜
- 深夜は踊る(1991年10月、フジテレビ) - 3日間にわたって放映された番組。第1夜は1987年まで、第2夜は1988年から1989年、第3夜は1990年から1991年のフジテレビの深夜番組についてまとめた番組。
- MAESTRO(1993年 - 1994年、フジテレビ)
テレビドラマ
編集- 悪いこと(1992年、フジテレビ)
- 「放課後」
- 「表裏」
- 「道徳」
- 「安息」
- 上品ドライバー(1992年 - 1998年、フジテレビ)
- NIGHT HEAD (1992年 - 1993年、フジテレビ)
- 世にも奇妙な物語(フジテレビ)
- 「見たら最後」(1992年)
- 「友子の長い朝」(1994年)
- 「追っかけ」(1996年)
- 「幸せを運ぶ眼鏡」(2015年)
- If もしも「誘拐するなら男の子か女の子か」(1993年、フジテレビ)※諸事情のため2018年現在未放送
- 17才-at seventeen-(1994年、フジテレビ)
- お金がない!(1994年、フジテレビ)
- ヘルプ!(1995年、フジテレビ)
- 木曜の怪談「サイボーグ」「爆裂!分身娘」(1996・1997年、フジテレビ)
- 踊る大捜査線(1997年、フジテレビ)
- 踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル(1997年、フジテレビ)
- 湾岸署婦警物語 初夏の交通安全スペシャル(1998年、フジテレビ)
- 深夜も踊る大捜査線 湾岸署史上最悪の3人!(1998年、フジテレビ)
- 深夜も踊る大捜査線 2(2003年、フジテレビ)
- 警護官 内田晋三(2007年、フジテレビ)
- 踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件(2012年、フジテレビ)
- 蘇える金狼(1999年、日本テレビ)
- アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜(2001年、フジテレビ)
- SP 警視庁警備部警護課第四係(2007年、フジテレビ・総監督)
- SP スペシャルアンコール特別編(2008年、フジテレビ・総監督)
- スープカレー(2012年、TBS・総監修)
- ストレンジャー〜バケモノが事件を暴く〜(2016年、テレビ朝日)
- 警視庁捜査資料管理室 (仮)(2018年、BSフジ・総監督)
- チャンネルはそのまま(2019年、北海道テレビ放送・総監督)
- ナンバMG5(2022年、フジテレビ)
テレビアニメ
編集- PSYCHO-PASS サイコパス(2012年、フジテレビ・総監督)
- PSYCHO-PASS サイコパス 2(2014年、フジテレビ・企画監修)
- アトム ザ・ビギニング(2017年、NHK総合テレビ・総監督)[8]
映画
編集- 7月7日、晴れ(1996年)
- ぼくたちの映画シリーズ 友子の場合(1996年)
- 踊る大捜査線シリーズ
- 踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!(1998年)
- 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2003年)
- BAYSIDE SHAKEDOWN 2(2003年)
- 交渉人 真下正義(2005年)
- 踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!(2010年)
- 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望(2012年)
- 室井慎次 敗れざる者(2024年)
- 室井慎次 生き続ける者(2024年)
- スペーストラベラーズ(2000年)
- サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS(2000年)
- サマータイムマシン・ブルース(2005年)
- UDON(2006年)
- 少林少女(2008年)
- 曲がれ!スプーン(2009年)
- 幕が上がる(2015年)
- アニバーサリー 〜生日快樂十分幸福〜(2016年)
- 亜人(2017年)
- 曇天に笑う(2018年)
- ビューティフルドリーマー(2020年)
- ブレイブ 群青戦記(2021年)
劇場アニメ
編集- 劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス(2015年・総監督)
- 劇場版フリクリ オルタナ / プログレ (2018年・総監督)
- HUMAN LOST 人間失格(2019年・スーパーバイザー)
舞台
編集- 舞台も踊る大捜査線 ザッツ!! スリーアミーゴス(2003年8月15日 - 17日)
- Fabrica[10.0.1]「LIFE FILM」(2007年1月20日 - 28日、赤坂RED THEATER)
- FABRICA[12.0.1]「BABY BLUE」(2007年10月4日 - 14日、新宿THEATER TOPS)
- FABRICA[11.0.1]「LOST GARDEN」(2008年9月13日 - 23日、赤坂RED THEATER)
- 演劇入門(2010年11月27日 - 12月13日、こまばアゴラ劇場)
- 国民の映画(2011年・映像監督)
- 幕が上がる(2015年、六本木ブルーシアター)
- 転校生(2015年、六本木ブルーシアター)
- みつあみの神様(2015年10月・総合プロデューサー)
- ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?(2018年9月24日 - 10月8日、舞浜アンフィシアター)
- 舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice(2019年4月18日 - 30日、日本青年館 / 2019年5月3日 - 6日、森ノ宮ピロティホール)
- 転校生2019(2019年8月11日 - 17日、紀伊國屋ホール)
- ももクロ一座特別公演 大江戸娯楽活劇 姫はくノ一(2019年8月17日 - 26日、明治座)
- 舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 2(2020年11月20日 - 29日、明治座 / 2020年12月3日 - 06日、COOL JAPAN PARK OSAKA)
配信
編集- 田中圭24時間テレビ(2018年12月15日21時 - 12月16日21時、AbemaTV)[9]
- ガンダムビルドリアル(2021年3月29日 - 、YouTube・総監督)[10]
- 人生あいつでやり直すことにした。(2022年、YouTube・総監督)
プロデュース
編集- サマータイムマシン・ブルース(2005年)
- 逃亡者 木島丈一郎(2005年)
- 恋とオンチの方程式(2016年)[11]
監修
編集- SETOUCHI THE MOVIE(2018年)
テレビゲーム
編集- Xbox 360用ゲーム「ロストオデッセイ」オープニングムービー
書籍
編集- 本広本(キネマ旬報社、2006年9月29日)ISBN 4-87376-638-9
- 踊る監督日誌(講談社、2010年8月27日)ISBN 978-4-06-216443-6
ミュージック・ビデオ
編集- AKB48「Everyday、カチューシャ」(2011年)
CM
編集- comico(2014年)
ネットムービー
編集- ネスカフェ ネスレシアター「Regret」「踊る大宣伝会議、(略)」(2014年)
受賞歴
編集1997年
- 第12回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 監督賞(澤田鎌作と共に)(『踊る大捜査線』)
1999年
- 第22回日本アカデミー賞 優秀監督賞(『踊る大捜査線 THE MOVIE』)
- 第8回日本映画批評家大賞スターライト賞(『踊る大捜査線 THE MOVIE』)
- 第20回ヨコハマ映画祭審査委員特別賞(『踊る大捜査線 THE MOVIE』の製作チーム)
2003年
- 第16回日刊スポーツ映画大賞石原裕次郎賞(『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』)
2004年
2014年
- 第54回四国新聞文化賞[12]
2015年
- 第40回報知映画賞(『幕が上がる』)
- 特別賞(ももいろクローバーZと共に)[13][14]
2017年
関連項目
編集参考文献
編集- ^ a b c d e f “さぬき野 2005 冬”. 2013年5月22日閲覧。
- ^ “角田陽一郎×本広克行(映画監督)「高3で交通事故に遭い、東京の映画学校進学を決断」”. 週プレNEWS. 2022年3月7日閲覧。
- ^ 世界が注目する映像クリエイター 押井守の世界
- ^ 『7月7日、晴れ』は『ビューティフル・ドリーマー』のインスピレーションを受けてる
- ^ THE NEXT GENERATION パトレイバー スペシャルトークイベント マモルの部屋第3回より
- ^ “本広克行と藤村忠寿①―監督と監督「踊る大捜査線」本広克行監督編 ドラマ「チャンネルはそのまま!」”. SODANE. 2020年12月23日閲覧。
- ^ スポニチ 本広克行監督 ナイトスクープ特別顧問で初出演「自分で傑作選を編集するくらい大好き」 2018年5月25日閲覧
- ^ “アトム ザ・ビギニング : 作品情報 : 作品情報”. アニメハック. 2020年9月29日閲覧。
- ^ “田中圭「心強さと楽しみしかありません!」『田中圭24時間テレビ』で本広克行監督と初タッグ!”. AbemaTIMES. 2018年11月20日閲覧。
- ^ “ガンダム:本広克行監督で実写化 「ガンダムビルドリアル」 高校生の青春群像劇&ガンプラバトル”. まんたんウェブ (2021年3月18日). 2021年3月18日閲覧。
- ^ “映画「恋とオンチの方程式」公式サイト”. 2018年1月16日閲覧。
- ^ 四国新聞文化賞・本広さん、県内の映画界に新風四国新聞2014年3月7日
- ^ “【報知映画賞】ももクロ、歴史変えた!40回で初のグループ受賞”. スポーツ報知 (2015年11月26日). 2015年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月26日閲覧。
- ^ “【報知映画賞】本広監督「あいつら本当にがんばった」”. スポーツ報知 (2015年11月26日). 2015年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月26日閲覧。
外部リンク
編集- MOTOHIRO.COM 〜本広克行オフィシャルサイト〜
- 本広克行 (@kmotohiro) - X(旧Twitter)(2009年12月、映画『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』のオフィシャルサイト立ち上げと同時にプロモーションのため、Twitterの使用を開始)
- 本広克行 (@kmotohiro) - Instagram
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