日本卓球リーグ(にほんたっきゅうリーグ、: JAPAN TABLE TENNIS LEAGUE)は、年2回行われる日本の卓球競技(団体戦)の最高峰リーグである。主催は一般社団法人日本卓球リーグ実業団連盟。

日本卓球リーグ
競技卓球
会長原田 弘人
開始年1977年
ディビジョン2
参加チーム1部男女各 8
日本の旗 日本
連盟一般社団法人日本卓球リーグ実業団連盟
前回優勝
  • 男子 リコー(2回目)
  • 女子 中国電力(3回目)
最多優勝
公式サイト日本卓球リーグ実業団連盟

最多優勝は、男子が東京アートの15回、女子が日本生命の17回(2020年度終了時点)。

概要

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リーグは1部と2部に分かれて、前期と後期の2回総当りのリーグ戦でそれぞれの期の優勝を決定する。 また、前後期総合4位までのチームによるプレーオフ「JTTLファイナル4」により、年間総合優勝が決定する。前後期それぞれ1部・2部の入れ替えが行われる。

平成3年より個人選抜大会「日本卓球リーグ・ビッグトーナメント(BT)」、平成19年度より前後期大会の上位4チームによるプレーオフ「日本卓球リーグプレーオフJTTLファイナル4」が行われることになった。

日本リーグには正式加盟以外にスポット参戦と準加盟という参戦方法がある。スポット参戦とは2部に1期のみ参戦できる制度で、強豪チームが地元で日本リーグが開催される時などに参加する場合が多い。ただし2期連続のスポット参戦はできない。準加盟とは前後期及びプレーオフに参加する制度であり、1部昇格することもできる(企業チームは準加盟登録はできない)。

なお平成7年から実施しているホームマッチとは、1部のチームが、前期・後期リーグ大会の試合のひとつとして対戦し、各試合の結果は、そのまま日本卓球リーグの成績に反映される。会社や地域の卓球ファンに楽しんでもらうため、ホームチームが大会会場を指定し、卓球台は1台だけで行うために至近距離から試合を観戦することができる。

選手登録は原則としてリーグ参加チームの社員・契約選手(クラブチームの場合はそのクラブの所属選手)のみであるが、日本代表選手の強化・育成のために日本リーグ所属外のチーム・企業に属する選手を対象とした事実上のレンタル制度「ゴールド制」を設けており、プロ選手の福原愛全日本空輸所属)がサンリツの選手の一員として、石川佳純(全農所属)が日立化成の選手の一員として参加する等、現在も継続している。

日本協会は2018年中にもプロ化を視野に入れた新リーグ「Tリーグ」創設を発表したが[1]、日本卓球リーグ実業団連盟は当初の合流は見送り、早くとも2020年までは日本リーグを継続することを明らかにしている[2]。なお、日本リーグ傘下のチームが個別にTリーグに参加するかは各自の判断に委ねる。

女子最多の優勝回数を誇る日本生命は、Tリーグ参戦で日本卓球リーグとのスケジュールの兼ね合いが難しくなったとして、2018年度からの休会を申し出た[3]

独自の試合方式

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試合時間の短縮や好試合を演出する試みとして、様々な独自ルールを設けている。2014年からは4シングルス1ダブルスで行われており、シングルスは5ゲームマッチ(ただし最終ゲームは6オールから始める)、ダブルスは3ゲームマッチとなっている。また、シングルスにおいては最終ゲームでもチェンジエンドをしないなど独自色が強い[4]

加盟チーム

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男 子 (1 部) 男 子 (2 部) 女 子 (1 部) 女 子 (2 部)
日鉄物流ブレイザーズ ケアリッツ・アンド・パートナーズ 中国電力ライシス エクセディ
協和キリン 関西卓球アカデミー デンソー 広島日野自動車
シチズン時計 ケアリッツ・テクノロジーズ サンリツ オークワ
リコー 朝日大学 十六フィナンシャルグループ クローバー歯科フェアリーズ
クローバー歯科カスピッズ 信号器材 レゾナック 豊田自動織機
日野キングフィッシャーズ フジ 神戸松蔭女子学院大学 朝日大学
明治大学 瀬戸内スチール 愛媛銀行 中京大学
愛知工業大学 トヨタ自動車 百十四銀行 JR北海道
JR北海道
サンケイ
アルテミス北海道

※2024年度前期現在。

プレーオフJTTLファイナル4

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優勝チームには内閣総理大臣杯が授与されるプレーオフ大会。平成18年度までは日本卓球リーグ前後期の成績により決めてきたが、どの時点で獲得したかが分かりにくいため、平成19年度に新設された。

歴代優勝チーム

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年度 男子(1部) 女子(1部)
前期 後期 年間総合優勝 前期 後期 年間総合優勝
1977年 日本楽器 シチズン 川徳 日産自動車
1978年 協和発酵 協和発酵 第一勧業銀行 第一勧銀
1979年 日本楽器 日本楽器 第一勧銀 日産自動車
1980年 日本楽器 日産自動車 第一勧銀 日産自動車
1981年 協和発酵 協和発酵 日産自動車 日産自動車
1982年 日本楽器 日本楽器 日産自動車 日産自動車
1983年 日本楽器 川鉄千葉 日本楽器 日産自動車 日産自動車 日産自動車
1984年 川鉄千葉 協和発酵 協和発酵 日本楽器 三井銀行 三井銀行
1985年 日産自動車 日本楽器 日産自動車 日産自動車 日産自動車 日産自動車
1986年 日本楽器 日本楽器 日本楽器 日産自動車 川鉄千葉 日産自動車
1987年 日本楽器 日産自動車 ヤマハ 武田薬品 日産自動車 武田薬品
1988年 日産自動車 日産自動車 日産自動車 日産自動車 三井銀行 武田薬品
1989年 日産自動車 和歌山銀行 日産自動車 三井銀行 三井銀行 三井銀行
1990年 日産自動車 川鉄千葉 日産自動車 武田薬品 武田薬品 武田薬品
1991年 日産自動車 川鉄千葉 川崎製鉄 武田薬品 武田薬品 武田薬品
1992年 びわこ銀行 日産自動車 日産自動車 日産自動車 日産自動車 日産自動車
1993年 日産自動車 日産自動車 日産自動車 日産自動車 日産自動車 日産自動車
1994年 川鉄千葉 びわこ銀行 川崎製鉄 武田薬品 松下電器 松下電器
1995年 シチズン 日産自動車 日産自動車 松下電器 日本生命 松下電器
1996年 川鉄千葉 サンリツ 川崎製鉄 松下電器 日本生命 日本生命
1997年 日産自動車 日産自動車 日産自動車 日本生命 日本生命 日本生命
1998年 日産自動車 日産自動車 日産自動車 松下電器 日本生命 日本生命
1999年 日産自動車 日産自動車 日産自動車 池田銀行 日本生命 日本生命
2000年 東京アート 東京アート 東京アート 日本生命 日本生命 日本生命
2001年 東京アート 協和発酵 東京アート 日本生命 日本生命 日本生命
2002年 東京アート 東京アート 東京アート 日本生命 日本生命 日本生命
2003年 協和発酵 日産自動車 協和発酵 日本生命 日本生命 日本生命
2004年 東京アート 東京アート 東京アート 十六銀行 十六銀行 十六銀行
2005年 グランプリ 東京アート 東京アート 日本生命 日本生命 日本生命
2006年 東京アート グランプリ 東京アート 日本生命 日本生命 日本生命
年度 前期 後期 ファイナル4 前期 後期 ファイナル4
2007年 東京アート 東京アート 東京アート 日本生命 日本生命 日本生命
2008年 協和発酵 グランプリ 東京アート 日本生命 日本生命 日本生命
2009年 東京アート 東京アート 東京アート サンリツ サンリツ 日立化成
2010年 東京アート 東京アート 東京アート 日立化成 日本生命 日本生命
2011年 東京アート 東京アート 東京アート 日本生命 日本生命 日本生命
2012年 東京アート 東京アート 東京アート 十六銀行 アスモ 日立化成
2013年 東京アート 協和発酵キリン 東京アート 日本生命 サンリツ 日本生命
2014年 東京アート 東京アート 東京アート アスモ 日本生命 日立化成]
2015年 愛知工業大学 協和発酵キリン 東京アート 日本生命 日本生命 日立化成
2016年 協和発酵キリン 協和発酵キリン 協和発酵キリン 日本生命 日本生命 日本生命
2017年 東京アート 協和発酵キリン 協和発酵キリン アスモ サンリツ 日本生命
2018年 リコー シチズン リコー 十六銀行 中国電力 中国電力
2019年 東京アート 東京アート 愛工大 十六銀行 中国電力 十六銀行
2020年 中止 協和発酵キリン 日鉄物流 中止 中国電力 十六銀行
2021年 愛知工業大学 東京アート 東京アート 昭和電工 中国電力 中国電力
2022年 シチズン 日鉄物流 シチズン サンリツ サンリツ サンリツ
2023年 協和キリン 日鉄物流 リコー デンソー 中国電力 中国電力
2024年 日鉄物流 愛知工業大学 協和キリン 中国電力 中国電力 中国電力

ビッグトーナメント(BT)

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日本卓球リーグビッグトーナメント  
大会概要
よみがな にほんたっきゅうリーグビッグトーナメント
開始年 1991
主催 日本卓球リーグ実業団連盟
スポンサー シチズン
開催国   日本
参加選手数 男女各20名
賞金総額 280万円
サイト 日本卓球リーグ実業団連盟
■テンプレート■ノート ■解説プロジェクト:卓球

男女各20名で行われる個人戦の最高峰。第14回よりシチズンホールディングスが特別協賛になりシチズンカップとなる。賞金総額は280万円。優勝者には原田杯とシチズンカップ、副賞としてシチズンの時計が贈呈される。

歴代結果

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開催回 男子シングルス 女子シングルス 男子ダブルス 女子ダブルス
優勝 準優勝 優勝 準優勝 優勝 準優勝 優勝 準優勝
1991年 第1回 渡辺武弘 竹之内君明 趙多多 平野恵美子
1992年 第2回 韋晴光 山内篤 趙多多 松本雪乃
1993年 第3回 韋晴光 渡辺武弘 李恵芬 樊建欣[注 1]
1994年 第4回 陳龍燦 王振義 樊建欣 趙多多
1995年 第5回 于沈潼 佐藤建剛 樊建欣 小山ちれ
1996年 第6回 松下浩二 高志亮 小山ちれ 佐藤利香
1997年 第7回 王永剛 高志亮 樊建欣 傅培
1998年 第8回 王永剛 偉関晴光 坂田愛 小山ちれ
1999年 第9回 王永剛 田﨑俊雄 河村朋枝 西飯由香
2000年 第10回 遊澤亮 偉関晴光 羽佳純子 河村朋枝
2001年 第11回 偉関晴光 遊澤亮 王越古 小山ちれ
2003年 第12回 韓陽 新井周 福原愛 高橋美貴江
2004年 第13回 吉田海偉 韓陽 梅村礼 福原愛
2005年 第14回 韓陽 吉田海偉 梅村礼 金沢咲希
2006年 第15回 韓陽 三田村宗明 福原愛 馮天薇
2007年 第16回 韓陽 吉田海偉 王輝 藤沼亜衣
2008年 第17回 朱世赫 韓陽 李佳 小西杏
2009年 第18回 松平賢二 水谷隼 侯琳 福原愛
2010年 第19回 韓陽 水野裕哉 侯琳 福平暁
2011年 第20回 水谷隼 大矢英俊 福原愛 石川佳純
2012年 第21回 軽部隆介 平屋広大 阿部恵 福岡春菜
2013年 第22回 水谷隼 丹羽孝希 福原愛 松平志穂
2014年 第23回 張一博 松平賢二 阿部恵 福岡春菜
2015年 第24回 松平賢二 上田仁 平野早矢香 前田美優
2016年 第25回 松平健太 大島祐哉 森薗美咲 宋恵佳
2017年 第26回 吉村和弘 神巧也 田代早紀 石垣優香
2018年 第27回 松平賢二 平野友樹 松澤茉里奈 田代早紀 森田侑樹
神巧也
町飛鳥
上村慶哉
平侑里香
松本優希
松澤茉里奈
髙橋真梨子
2019年 第28回 有延大夢 笠原弘光 宋恵佳 安藤みなみ 鹿屋良平
有延大夢
松下海輝
藤村友也
土田美佳
宋恵佳
松本優希
平侑里香
2020年 第29回 中止
2021年 第30回 平野友樹 酒井明日翔 佐藤瞳 宋恵佳 鹿屋良平
郡山北斗
松下海輝
藤村友也
宋恵佳
成本綾海
平真由香
田口瑛美子
2022年 第31回 丹羽孝希 池田忠功 佐藤瞳 井絢乃 藤村友也
松下海輝
松下大星
宮本春樹
青木優佳
中森帆南
梅村優香
塩見真希
2023年 第32回 松下大星 渡辺裕介 枝廣瞳 木村光歩 髙見真己
定松祐輔
郡山北斗
小野寺 翔平
梅村優香
塩見真希
青木優佳
中森帆南
2024年 第33回 木造勇人 石山慎 菅澤柚花里 木村光歩 髙見真己
藤村友也
上村慶哉
三部航平
井絢乃
中森帆南
永尾尭子
三村優果

中継

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脚注

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注釈

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  1. ^ 樊建欣は帰化名 高田佳枝

出典

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関連項目

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外部リンク

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