川棚町
長崎県東彼杵郡の町
川棚町(かわたなちょう)は、長崎県中央部にある町。東彼杵郡に属する。大村湾に南面し眺望に優れる。
かわたなちょう 川棚町 | |||||
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国 | 日本 | ||||
地方 | 九州地方 | ||||
都道府県 | 長崎県 | ||||
郡 | 東彼杵郡 | ||||
市町村コード | 42322-0 | ||||
法人番号 | 1000020423220 | ||||
面積 |
37.25km2 | ||||
総人口 |
12,571人 [編集] (推計人口、2024年12月1日) | ||||
人口密度 | 337人/km2 | ||||
隣接自治体 |
佐世保市、東彼杵郡波佐見町、東彼杵町 佐賀県嬉野市 | ||||
町の木 | モッコク | ||||
町の花 | オニユリ | ||||
町のシンボル | インドクジャク | ||||
川棚町役場 | |||||
町長 | 波戸勇則 | ||||
所在地 |
〒859-3692 長崎県東彼杵郡川棚町中組郷1518-1 北緯33度04分22秒 東経129度51分41秒 / 北緯33.07281度 東経129.86128度座標: 北緯33度04分22秒 東経129度51分41秒 / 北緯33.07281度 東経129.86128度 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
地理
編集長崎県の本土中部、大村湾北岸に位置し、川棚川の中流から下流域を町域とする。東は東彼杵町と佐賀県嬉野町、北は波佐見町、西は佐世保市と隣接し、南は大村湾に面している[1]。
町域の東部は虚空蔵山を中心とした山岳地帯で平地が少なく、西部は白岳を背にして丘陵が連なり、耕地が多い。川棚川の流域は水田が開ける。大村湾に面する西部海岸はリアス式海岸で、海域には小島が点在する。大崎半島は黒曜石の産出地の1つであり、小串は肥前国風土記にまつわる天然真珠の名産地であった。
- 山:虚空蔵山(こくぞうさん)、高見岳、八幡山、白岳
- 島嶼:瀬戸ノ島、葉島、弁天島
- 半島:大崎半島
- 河川:川棚川、石木川、猪乗川
- 港湾:大村湾、川棚港
隣接市町村
編集地域
編集人口
編集川棚町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 川棚町の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 川棚町
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
川棚町(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
地名
編集郷を行政区域とする。大字は設置していない。川棚町では土地改良事業の換地処分などに伴い、境界変更や新郷名・町名の設置が行われている。
住所表記として用いられる郷・町の他に、行政上の単位で、自治会としても用いられる行政区の所属についても併記する。
- 石木郷(いしきごう)
- 行政区: 石木、岩屋(一部)
- 猪乗川内郷(いのりごうちごう)
- 行政区: 猪乗
- 岩屋郷(いわやごう)
- 行政区: 川原、岩屋(大部分)
- 小串郷(おぐしごう)
- 行政区: 東小串、西小串、惣津、大崎(西半)
- 上組郷(かみぐみごう)
- 行政区: 上組
- 五反田郷(ごたんだごう)
- 行政区: 五反田
- 木場郷(こばごう)
- 行政区: 木場
- 下組郷(しもぐみごう)
- 行政区: 下組、国病、平島1-4丁目、新町、宿(西半)
- 白石郷(しろいしごう)
- 行政区: 尾山、東白石、西白石、琴見ヶ丘
- 新谷郷(しんがえごう)
- 行政区: 新谷(大部分)
- 中組郷(なかぐみごう)
- 行政区: 野口、中組、宿(東半)
- 三越郷(みつごえごう)
- 行政区: 三越、大崎(東半)
- 百津郷(ももづごう)
- 行政区: 上百津、下百津、岩立、新百津・若草・旭ヶ丘(大部分)、城山、栄町、数石(一部)
- 行政区: 山手、数石(大部分)、新百津・若草・旭ヶ丘(一部)
- 中山郷(なかやまごう) - 1943年、波佐見町より一部を編入。
- 行政区: 中山
- 栄町(さかえまち) - 1949年、百津郷より分立。
- 行政区: 栄町(大部分)
- 城山町(しろやまちょう) - 1953年、百津郷より分立。
- 行政区: 城山(大部分)
歴史
編集- 一農漁村としての歴史を歩んでいるが、太平洋戦争中は川棚海軍工廠が建設され、一時的に人口が急増した。魚雷試験場や特攻隊震洋の訓練施設などもあったことから、現在でも海軍工廠・海軍に関する遺跡や記念碑などが存在する。臨海部の海軍工廠跡地は大手企業の工場が複数誘致されている。
中世
編集- 鎌倉時代から地頭の河棚氏が知行。
- 1420年(応永27年)- 松浦郡志佐白浜の源沙弥道林が、大般若経(591巻)を中組郷の長浜大明神宮に施入。1486年(文明18年)出羽国立石寺の如円が、大般若経を長浜大明神宮から壱岐国の安国寺に施入替え。大般若経は1983年(昭和58年)6月に国重要文化財に指定された[2]。
近現代
編集昭和
編集- 1949年(昭和24年)- 昭和天皇が川棚高校などに行幸(昭和天皇の戦後巡幸)[3]。
- 1958年(昭和33年)- 役場新庁舎が完成(旧庁舎)。
- 1972年(昭和47年)- 佐世保地域広域市町村圏組合に加盟。
平成
編集- 1996年(平成8年)10月 - 町の一部で公共下水道の供用を開始。[4]
- 2001年(平成13年)4月 - 佐世保市より川棚町に合併協議の呼びかけが行われた[5]。
- 2002年(平成14年)
- 3月 - 東彼杵郡任意合併協議会が設置される。
- 8月~9月
- 大村市と東彼杵町との合併案を大村市が可決し、東彼杵町が否決した。
- 東彼杵郡3町での合併案が、該当3町(東彼杵町と川棚町、波佐見町)で可決。
- 2004年(平成16年)
- 3月 - 川棚町が合併協議会の離脱を表明。合併協議会は休止状態になる。
- 7月 - 川棚町が合併協議会に復帰。合併協議会を再開。
- 2005年(平成17年)3月 - 3町での合併を断念。協議会を解散。
- 2007年(平成19年)4月 - 長崎県よりパスポート業務が川棚町に移管され、川棚町民は川棚町役場(本庁)でのパスポートの申請・受け取りができるようになった。[6]
- 2008年(平成20年)4月 - 佐世保市より合併の提案・打診があったが、拒否。
- 2009年(平成21年)
- 3月
- 東彼杵郡合併協議会が住民発議により再び設置。
- 1972年(昭和47年)より加盟していた佐世保地域広域市町村圏組合が解散。
- 6月 - 川棚町、波佐見町が協議会解散を提案、合併が白紙に。
- 8月 - 協議会解散が川棚町、波佐見町で可決。東彼杵町で否決。このように3町で合意にいたらず、協議会は休止状態となったが、実質的な解散となった。
- 3月
- 2019年(平成31年・令和元年)
- 1月
- 西九州させぼ広域都市圏に参加。[7]
- 1月
行政区域の変遷
編集- 1814年(文化11年) - 彼杵郡東川棚村及び西川棚村が合併して、川棚村が発足する。
- 1871年(明治4年)
- 1878年(明治11年)10月28日 - 郡区町村編制法の長崎県での施行により、川棚村を含む彼杵郡1町20村の区域に行政区画としての東彼杵郡が発足する。
- 1889年(明治22年)
- 1934年(昭和9年)11月3日 - 川棚村が町制施行して、川棚町となる。
- 1943年(昭和18年)- 彼杵町(現・東彼杵町)小音琴郷の区域の一部を編入する。
- 1960年(昭和35年)- 波佐見町中山郷の区域の一部を編入する。
- 1962年(昭和37年)- 波佐見町中山郷の区域の内、平野地区の区域の一部を編入する、現在の行政区画となる。
行政
編集町政
編集町章
編集- 川棚の「カ」・「ワ」・「タ」・「ナ」の文字をモチーフに町民の融和・団結を願い、丸く図案化された。
町長
編集- 現職 - 波戸勇則(2022年9月~、1期目)
町議会
編集- 川棚町議会 定数14
組織
編集庁舎
編集2022年(令和4年)3月22日、鉄筋コンクリート3階建ての新庁舎が完成した[9]。
- 川棚町役場
- 本館
- 別館
- 第2別館
消防
編集- 佐世保市消防局(佐世保市に委託)
- 東消防署(佐世保市広田1-16-19)
- 東彼出張所(とうひ、大音琴郷187-1)
- 東消防署(佐世保市広田1-16-19)
ごみ処理
編集- 東彼地区保健福祉組合(東彼杵町・川棚町・波佐見町)
- 事務局(東彼杵町蔵本郷95-1)
- 東彼地区清掃工場(ごみ処理場、川棚町白石郷282)
- 東彼地区環境センター(し尿処理場、東彼杵町蔵本郷95-1)
県政
編集県議会
編集- 長崎県議会 東彼杵郡(川棚町・波佐見町と合わせて)選挙区 定数1
県の出先機関
編集- 長崎県土木部河川課(長崎市)
- 長崎県石木ダム建設事務所(川棚町)
- 県北振興局(佐世保市)
- 管理部、税務部、商工水産部
- 建設部
- ただし農林部・保健部に関しては別。下記参照。
- 県央振興局(諫早市)
- 農林部、保健部(県央保健所)
- 長崎県川棚食肉衛生検査所(川棚町) - 県央保健所の前身である大村保健所から1989年(平成元年)に独立した組織。
警察
編集- 長崎県川棚警察署
- 川棚駅前交番(川棚町百津郷420-29)
国政
編集衆議院
編集- 任期 : 2017年(平成29年)10月22日 - 2021年(令和3年)10月21日(「第48回衆議院議員総選挙」参照)
選挙区 | 議員名 | 党派名 | 当選回数 | 備考 |
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長崎県第3区(川棚町、佐世保市(早岐・三川内・宮の各支所管内)、大村市、壱岐市、五島市、対馬市、東彼杵郡、小値賀町、新上五島町) | 谷川弥一 | 自由民主党 | 6 | 選挙区 |
国の出先機関
編集- 町内にはない。
医療
編集- 国立病院機構長崎川棚医療センター(285床、旧国立療養所川棚病院)
- 東彼杵郡医師会
産業
編集農業
編集漁業
編集工業
編集- 重工業
商業
編集商工会
編集金融
編集教育
編集高等学校
編集中学校
編集町立
- 川棚中学校(中組郷1370-3)
小学校
編集町立
幼稚園
編集私立
- みのり幼稚園(上組郷1587)
- 川棚純心こども園(城山町38)
保育所
編集認可(町立)
- 小串保育所(小串郷944-1)
認可(私立)
- 茨木保育園(いばらき、城山町38)
- 川棚みのり保育園(上組郷1587-38)
- みつば乳児保育園(下組郷24-4)
- サルビア保育園(小音琴郷465-65)
特別支援学校
編集文化・スポーツ施設
編集交通
編集- 最寄り空港は長崎空港(大村市)。
鉄道
編集バス路線
編集- 西肥自動車 - 川棚バスセンターを拠点として隣の佐世保市・波佐見町に運行している。また長崎空港連絡バスも町内を運行しており長崎空港以外で乗降することも可能で、町内と佐世保市・佐々町・東彼杵町の間の移動にも利用可能。
- 東彼杵町営バス - 国道205号を通り川棚町中心部と東彼杵町中心部を結ぶ。
- JA川棚支店 - 川棚BC - 浦漁港 - 彼杵駅前 - 東彼杵町営BC
なお、町内で利用可能な高速バスはない。
道路
編集一般国道
編集県道
編集主要地方道
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
編集自然・景色
温泉、宿泊
- 川棚大崎温泉しおさいの湯
- 国民宿舎 くじゃく荘
海水浴場
- 大崎海水浴場
史跡・遺物
- 徳島古墳の石棺群 - 箱式石棺6基を検出。数十基はあったものと考えられる[17]。
- 永仁五年銘緑泥五輪塔 - 永仁5年(1297年)製。長崎県最古の五輪塔。石材は西彼杵半島の緑泥片岩[18]。
- 七浄寺跡の宝篋印塔群[19]
- 河原城址 - 大内義隆の軍勢が攻め来た時、矢次某なるものが大将となって立て籠もり麻生某を討ち取ったと伝えられる。[20] [21]
- 百津聖観音 - 中国明末清初時代の渡来仏で、県下では稀な存在の貴重なもの[22]。
- キリシタン墓碑 - 全国的にも珍しい自然石に和洋折衷の碑銘[23]。
戦争遺跡
その他
イベント(祭り)
- 5月 - くじゃく祭り(大崎くじゃく園 風の広場)
- 7月 - 祇園祭(下組地区~平島地区)
- 8月 - かわたな夏まつり(お盆あたり、平島地区・川棚町漁港で開催)、
- 9月 - かわたな“かっちぇて[25]YOSAKOI祭り”[26] (9月末開催)
- 10月 - おくんち(石木地区、川棚八幡神社)、木場棚田だんだんまつり(木場郷公民館 棚田周辺)、川棚大崎わいわい祭り(大崎自然公園 大崎海水浴場駐車場)
- 11月 - 第30回大村湾鯛釣り大会(大村湾内での大会。西海橋からは出られない。)
- 12月 - 川棚駅前ステーションツリー点灯式(第1日曜日 東彼商工会青年部川棚支部主催)
- 2月 - 大崎ロードレース大会(大崎半島~小串郷駅)
- 3月 - 第45回川棚町駅伝大会(川棚町内)、虚空蔵山登山会(虚空蔵山)
著名な出身者
編集ローカルヒーロー
編集- 2008年(平成20年)、東彼商工会川棚支部青年部の力を借り、ローカルヒーローの「かわたな戦隊クジャクマン」[28]が作られた。
- 2012年(平成24年)、「かわたな戦隊クジャクマンZ」へ、ヴァージョンアップ。
脚注
編集- ^ “ながさき商工連ニュース No.211”. 長崎県商工会連合会. 2024年9月19日閲覧。
- ^ 川棚町教育委員会
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、102頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ 広報かわたな2011年(平成23年)4月号 (PDF)- 川棚町ウェブサイト
- ^ 他に西彼町、西海町 (長崎県)、大島町 (長崎県)、崎戸町、吉井町 (長崎県)、世知原町、宇久町、小値賀町、佐々町、小佐々町、波佐見町、東彼杵町の12町に同様の合併協議が呼びかけられた
- ^ 原則、他の窓口では手続きができない。詳しくはパスポートの手続きについて(川棚町ウェブサイト)、長崎県パスポートインフォメーション(長崎県ウェブサイト)を参考にされたい。
- ^ 佐世保市. “西九州させぼ広域都市圏(連携中枢都市圏)形成に係る連携協約締結について”. 佐世保市. 2020年3月19日閲覧。
- ^ 2014年(平成26年)長崎がんばらんば国体。
- ^ 川棚町の新庁舎完成、業務開始 1階窓口がコの字形に 2022年3月23日 西日本新聞
- ^ 1978年(昭和53年)に長崎日本ハム株式会社として設立。2010年(平成20年)10月の合併により、日本ハムファクトリー株式会社長崎工場と社名変更した。「シャウエッセン」・「森の薫り」等の商品を加工生産している。詳しくは長崎工場紹介 (日本ハムウェブサイト)を参考にされたい。
- ^ 本社は青森県上北郡。日本フードパッカー株式会社ウェブサイト
- ^ コバレントマテリアル長崎(株)(コバレントマテリアルウェブサイト)
- ^ 本社は福岡市。株式会社ディーシー -
- ^ ひがしかれネット(東彼商工会)ウェブサイト
- ^ 15~35歳の勤労者が、余暇を利用して趣味や特技を深め、多くの仲間と交流する場を提供する施設
- ^ 総合文化センター平面図 - 川棚町ウェブサイト
- ^ “徳島古墳の石棺群”. 知る・学ぶ. 川棚町観光ガイド
- ^ “永仁5年銘緑泥五輪塔(有形民俗文化財)”. 知る・学ぶ. 川棚町観光ガイド
- ^ “七浄寺跡の宝篋印塔群”. 知る・学ぶ. 川棚町観光ガイド
- ^ “河原城址”. 知る・学ぶ. 川棚町観光ガイド
- ^ 肥前 河原城. 城郭放浪記
- ^ “百津聖観音”. 知る・学ぶ. 川棚町観光ガイド
- ^ “キリシタン墓碑”. 知る・学ぶ. 川棚町観光ガイド
- ^ “長崎ばーどアイ「片島魚雷試験場跡」”. NBC長崎放送
- ^ 「参加させて、仲間に入れて」という意味の方言。「かてて」と言ったりもする。「加えて」から来ている。
- ^ 2009年(平成21年)より始まった。実行委員会ウェブサイト
- ^ “朝永正三 (第8版) - 『人事興信録』データベース”.名古屋大学大学院法学研究科
- ^ 川棚町観光ガイド 地元キャラクター - 川棚町ウェブサイト
参考文献
編集- 角川日本地名大辞典 42 長崎県
- 長崎県東彼杵郡教育会 編『長崎県東彼杵郡誌』長崎県東彼杵郡教育会、1917年、418-445頁 。 - Google ブックス
- 川棚町企画財政課「わがまちのお宝 川棚町 : わが町に影響を与えた戦時中の歴史を振り返る」『ながさき経済』第2013巻第279号、長崎経済研究所、2012年12月25日、NDLJP:8327950。
関連項目
編集外部リンク
編集- 公式ウェブサイト
- 長崎県川棚町観光ガイド
- 川棚町に関連する地理データ - オープンストリートマップ
- 地図 - Google マップ
- 長崎ばーどアイ「片島魚雷試験場跡」:NBC長崎放送
- 犬のほいくえん、ドッグパーク:スルーラブおおさき店