尾道ラーメン
歴史
編集尾道ラーメンは、1947年に尾道で台湾出身の朱阿俊が屋台で提供した中華そばに始まったと言われる[1][2]。朱阿俊は店を構えたのち「朱華園」の看板を掲げた[2]。醤油味ベースのスープに平打ち麺、トッピングに豚の背脂のミンチを乗せたものは朱華園で「中華そば」として提供されていた[1]が、2019年6月18日に閉店[3][4][5]。朱華園の味は本店で修行を積んだ店主により福山市神辺町の中華そば「しんたく」に引き継がれている。[要出典]
1990年代になると福山市鞆の浦の珍味メーカー「阿藻珍味(あもちんみ)」が「お土産用尾道ラーメン」を販売する。鶏ガラスープに平子いわしを使ったもので、以後、この系統のラーメンを出す店が増え、一般的に「尾道ラーメン」といった場合には、こちらを指すことが多い[1][6]。
なお、阿藻珍味は福山市のメーカーであるため、岩岡洋志は「尾道・福山ラーメン」と呼ぶべきかもしれないと述べている[1]。
このように尾道ラーメンは朱華園をルーツとするものと、阿藻珍味をルーツとするもの、二つの系統があると言える[1]。
なお、朱華園の二代目となる壇上俊博は「ラーメン作りで父(朱阿俊)に教わったことはひとつもない」とインタビューで答えており、2019年6月18日まで朱華園で食べられていた中華そばは、初代である父親の味を壇上が独自に研究、再現、改良したものである[1]。
2020年11月16日、「朱華園」経営者の親族による経営で、中華そば「朱」(尾道市十四日元町)が新規開店した。
特徴
編集豚の背脂を浮かせた醤油ベースのスープと平打ち麺が特徴[7]。
ただし、店ごとの個性も大きく、豚骨と海産物ベースのスープにストレート細麺の尾道ラーメンを出す店、豚骨、鶏ガラ、野菜、こんぶからスープを取る店もある[7]。市内に古くからある店では「中華そば」の名で豚の背脂を使用しない店も多い[6]。
商品化
編集カップ麺が販売されている。
ギャラリー
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尾道ラーメン
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尾道ラーメン
出典
編集- ^ a b c d e f 岩岡洋志『ラーメンがなくなる日』主婦の友社、2010年、67頁。ISBN 9784072756591。
- ^ a b “vol.56 朱華園 壇上 俊博さん|ラーメン東へ西へ|力の源通信”. 力の源通信 (2007年1月). 2019年7月2日閲覧。
- ^ “尾道ラーメン 朱華園 本店が一時閉店、松永店は閉店へ”. 広島ニュース 食べタインジャー (2019年6月7日). 2019年7月2日閲覧。
- ^ “尾道ラーメンの老舗「朱さんの店」 休業発表で長い行列”. 朝日新聞デジタル (2019年6月8日). 2019年7月2日閲覧。
- ^ “尾道ラーメン老舗「朱華園」休業 店主不調で再開未定、惜しむファン行列”. 毎日新聞 (2019年6月18日). 2019年7月2日閲覧。
- ^ a b “広島県の「尾道ラーメン」と「尾道の中華そば」は違うラーメンなのか?”. マイナビニュース (2014年4月20日). 2017年5月31日閲覧。
- ^ a b 『まっぷる 広島・宮島: 尾道・呉・しまなみ海道'18』昭文社、2017年、96頁。ISBN 9784398282101。
- ^ “日清食品「麺ニッポン 尾道ラーメン」 地域密着型カップめんシリーズ第7弾”. ジェイ・キャスト (2016年2月28日). 2017年4月11日閲覧。
- ^ “「尾道ラーメン」をカップ麺に 東洋水産から”. ジェイ・キャスト (2016年9月19日). 2017年5月31日閲覧。
- ^ 『エースコック タテ型 飲み干す一杯 尾道 背脂醤油ラーメン/札幌 海老味噌ラーメン リニューアル』(プレスリリース)時事通信、2017年3月1日 。2017年5月31日閲覧。
外部リンク
編集- 阿藻珍味 尾道ラーメン誕生秘話 - 尾道ラーメンほっとライン(お土産用尾道ラーメンを小魚の出汁を入れて売り出した阿藻珍味の解説)
- CD-ROM版尾道写真集~尾道まち案内・ラーメンのまち(備後レポート社)[リンク切れ]